2023.01.30DX

つか、何書けばいいんですか?:松本編集長が伝授!デジタルマーケティングの極意(メール編 3)

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この記事は…

地方の中小メーカーの新米デジタルマーケティング担当の猫山が、自社のメールマーケティングに奮闘した軌跡、ちょっとしたTipsを(多分)余す所なくドラマ化した物である。今回は、メールで書くことが思いつかないの巻!

(執筆:おりも みか/製造業ライター)

*編集部注:本記事はフィクションです。実在の人物団体などとは一切関係ありません。

■登場人物

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猫山(ねこやま):総務部の社会人2年目。お酒が強い。カフェや居酒屋巡りが趣味で、おいしいものと猫のブログを書いており、デジタル担当になった。

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社長(富良座:ぷらざ):そろそろ老後のことが頭をよぎる60代。新しいアイデアを試すのがだいすき。無茶ぶりしがち。お酒がすき。
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総務部長(根津海:ねづみ):50代前半。Web黎明期からのネットサーファー。カメラが趣味。ご当地美少女キャラクターを常にチェックしている。

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⁠松本さん:PlaBase編集長。デジタルマーケティングについて教えてくれる。

会社のデータ

会社名:株式会社ぷらぷら~ざ
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⁠所在地:石川県
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⁠概要:プラスチック製品製造会社。OEMも多いがオリジナル商品も開発・販売している。社内に金型・成形工場がある。
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⁠社員数:約50名

前回までの 「デジ極」

株式会社ぷらぷら~ざは、石川県内にある中小企業で、プラスチック製品メーカー。総務部の2年目社員の猫山は、(ほぼ)「趣味でブログをやっている」という理由だけで、突然社長からメールマガジン担当に任命されてしまいました。しかし猫山にはデジタルマーケティングの知識が何1つありません。

そこで助けを求めたのが、Twitterでたまたま見つけたPlaBaseの「松本編集長」。猫山は松本編集長の力を借りて、果たしてメルマガを攻略できるのでしょうか。メールツールの使い方を教わり、メルマガ作成まであと一歩!

あ、でも、ちょっとまって……。メルマガって……、何を書いたらいいの!?

ぷらぷら~ざのショールームにて

猫山は会社のショールーム……とは名ばかりの、玄関前のちょっとしたスペースに会社がこれまで生産した成形品が置いてあるガラス戸棚を覗いています。

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昨日、松本編集長には『お仕事に直結すること』と言われてしまいましたが、猫山にはメルマガで何を書けばいいのかさっぱり分かりません。

猫山「THE地味……。全然映えない…」

これまで会社が作った製品が並べられているガラスケースに並んでいるのは、どれもOEMで製造した、ちょっと見ただけではどこのどんな部品かもわからないようなプラスチック成形品ばかりです。猫山はショーケースを開けて、いくつかのパーツをスマホで写真を撮ります。

猫山「これは確か……自動車のどっかの部品だったはず…。大手メーカーだし、名前出したらアピールになるかな?」

総務部長「写真へたくそだな~」

いつの間にか総務部長が覗き込んでいました。

猫山「ぎゃ! そ、そういうなら総務部長の自慢のカメラ貸してくださいよ。あのバズーカみたいなやつ」

総務部長「貸すわけない。レンズいくらすると思ってんの? 君にはスマホで十分。猫に小判。猫山に一眼レフ」

猫山「ちぇっ……。まいっか。で、これってなんのパーツですか?」

総務部長「自動車のインパネだよ」

猫山「インパネってなんですか? 前に社長が飲み会の時自慢してたんですけど、これって高級車で使われておるんですよね? メルマガで出したらバズりませんかね」

総務部長「そこからかよ……。ダメダメ。OEMで作っているパーツを客先に無許可で出したらバズるどころか炎上だよ! 没収!!」

総務部長はパーツを奪うと、戸棚に戻して鍵をかけてしまいました。

猫山「えー!! じゃあ、何書けばいいんですか!」

総務部長「それを考えるのが君の仕事でしょ。例のアドバイザーさんにでも聞いてみたら~?」

猫山「……あれ、なんか怒ってます?」

助けて松本編集長~!

猫山「……というわけで、OEMの写真は使っちゃダメと言われまして……。でもうちの会社はほとんどOEMなんですよ。商品の写真が使えなかったらなにもアピールできないじゃないですか。あーなんかやる気なくなっちゃいました」

松本編集長「でも製造したものを紹介するというのはいい視点ですよ。メルマガって何のために送ると思いますか?」

猫山「新しいお仕事増えて売上が上がったらいいな~って感じですか?」

松本編集長「最終的にはそうですね。でもいきなりそこまで到達するのは難しいので、もう少し段階を踏んで、細かくゴールを設定していきましょう」

猫山「細かく……、ですか?」

松本編集長「お仕事をもらうにしても、ぷらぷら~ざがどんな会社で、どんなものが作れて、どんなものが得意なのか。それを知らないとお客さんは仕事を頼めないですよね。まずは、ぷらぷら~ざを知ってもらうという、認知を拡大するということを考えて、メルマガを送ってみるのはどうですか?」

猫山「知ってもらう……。なるほど」

猫山「ところでちょっと話変わるんですけど、メルマガってどれくらいの頻度で送ればいいんですか? つまり、どれくらいネタを集めればいいのかなって。私もメルマガのことばっかりやっていればいいわけではないので……」

松本編集長「『毎日』とか、『週に2回』とか……、いろいろ考え方はあります。でも、まずはネタを書き出してみて、どれくらいの頻度で送れそうか組み立ててからがいいと思います。量より質で考えてみましょう。まずは、『ぷらぷら~ざを知ってもらう』というつもりで、箇条書きでいいのでネタを書き出してみてください。一人では難しかったら、社内の人に聞いて回るというのもアリですよ。お客さんと直接やりとりしている営業さんなんかはいいヒントを持っているかもしれません」

猫山「分かりました。自信はないですけど、これからちょっと社内を回ってみます」

ぷらぷら~ざ製造部にて

猫山は普段あまり立ち入らないぷらぷら~ざの製造部門へ足を運んでみました。工場へ入ってもよいものかと覗き込んでいると、後ろから誰かに話しかけられました。

???「君、何してるの?」

猫山「うああああああ違います違います産業スパイじゃな……って、なんだ、社長じゃないですか!!」

社長「びっくりしたなぁ、もう。どうしたの?」

猫山「えっと……メルマガのネタ探しに」

社長「そうか、さっそく頑張っているね。自分の会社なんだから、普通に入ればいいよ」

猫山「でも、私は総務なので、工場にはあまり入ったことがなくて。なんていうかちょっと入りにくいんですよね。皆さん職人って感じで、ちょっと怖いし……。なんか、怒られそうで」

社長「そんなこと気にしてたの? ほら、早く入りなさい。工場の中はゴミや虫が入らないようにドアの開閉は速やかにね」

猫山「はぁい……。このオレンジ色の透明なカーテンは何のために付いているんですか?」

社長「虫が入らないようにだよ。成形品に虫が付いてと、異物でクレームになっちゃうからね」

猫山「へぇ、そうなんですね」

社長「ウチは精密部品も作ってるし、食品容器なんかもあるから虫対策には気を付けているよ。クリーンルームもあるよ」

猫山は工場を見回してみました。いくつもの成形機が稼働しています。成形機が開くと成形品が自動で取り出され、ベルトコンベアに流れていくさまはいつまでも見ていられそうです。

猫山「え、あ! ちょっと待ってください社長!」

社長「どうしたの?」

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猫山「こ、この猫型のカップ! 駅前のケーキ屋さんで売ってるねこちゃんプリンのカップですよね!!!!」

社長「そうだよ。ウチで作ってるの、知らなかった?」

猫山「全然知りませんでした! 私、このプリン大好きでして。でもちょっとお高いから、特別なときに自分へのご褒美に買うんです。ねこちゃんのカップがかわいくて捨てられないので家にたくさんあります。ヘアピンとか入れておくのにちょうどよくって」

社長「このケーキ屋さんの社長がさ、絶対この形じゃなきゃだめって譲らなくて。でもここが抜けにくくて苦労したんだよ。使い捨ての容器だからそんなに高くもできないし。金型部の部長がどうにか量産できるようにしてくれてね。今では大人気で、ひっきりなしに成形しているよ」

猫山「そうですよ! テレビで紹介されて大人気で、ネットでは半年待ちなんて言われてるんですよ!! 空きのカップがフリマサイトで売られてるくらいなんですから」

社長「へぇ、そうなんだ! それじゃ、増し型(※)を提案してみようかなぁ」

猫山は成形機から出たばかりの、ほんのりあったかいプリンカップを両手で包み込み、しげしげと眺めました。

――もしかして、うちの会社ってすごい? わたし、自分の会社について何も知らなかったし、知ろうともしてこなかった。知らないことを他の人に教えるなんてできない。まずは自分の会社について知ることが大事なのかも……。

猫山はねこちゃんプリンカップを抱えて、メルマガのネタ探しに駆け出しました。

■総務部長ねづみのどや顔豆知識

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※の「増し型」は、需要の増加などで生産数を増やすことになった時などに、同じ金型を追加で作ることです(どやぁ!)

*猫山ノート*

  • 何のためにメルマガを送るのか、ゴールを設定しよう。
  • メルマガの頻度は送るネタを書き出してから決めてもよい。
  • まずは自分の会社について知ろう!

(次回へ続く)
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⁠⁠>>>>連載「松本編集長が伝授!デジタルマーケティングの極意」一覧 ⁠
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監修者

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松本祐介(まつもと ゆうすけ) 1979年生まれ。中学、高校、大学院と通算して8年間オーストラリアに滞在後、日本に帰国。バイリンガル。無類のコーヒー好きだったことからUCC上島珈琲に就職。その後、飲料原料の海外取引をメインに行う丸紅食料にて商社営業を経験。⁠結婚して家族が増えたことを機に富山にIターン。化学品専門商社の江守商事に転職。ここで初めて合成樹脂・プラスチックに出会う。富山、シンガポール、上海、オランダで海外経験・ネットワークを構築して帰国。その後、2015年に三井化学に転職。スーパーエンプラという極めてニッチな商材を扱う。⁠2017年から、金森産業の事業開発室に所属。化学品業界でのデジタルマーケティング支援を目的としたビジネスモデル「PlaBase ad」の事業推進に従事。

ライタープロフィール

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⁠おりも みか  新卒入社した玩具製造メーカーにて品質・生産技術担当として日本国内・中国工場での新規ライン立ち上げを経験。玩具、アミューズメント機器、医療機器、健康雑貨など主にプラスチック製品の開発・製造に携わる。結婚を機に退職し、現在は育児の傍ら製造業ライターとして活動中。
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⁠Twitter ID:@jilljean0506

新卒入社した玩具製造メーカーにて品質・生産技術担当として日本国内・中国工場での新規ライン立ち上げを経験。玩具、アミューズメント機器、医療機器、健康雑貨など主にプラスチック製品の開発・製造に携わる。結婚を機に退職し、現在は育児の傍ら製造業ライターとして活動中。⁠Twitter ID:@jilljean0506