地方の中小メーカーの新米デジタルマーケティング担当の猫山が、自社のメールマーケティングに奮闘した軌跡、ちょっとしたTipsを(多分)余す所なくドラマ化した物である。今回は、社内で仲間を作ろうの巻! そして、新キャラ登場!!!
社内で仲間を作ろう!:松本編集長が伝授!デジタルマーケティングの極意(メール編 5)

この記事は…
(執筆:おりも みか/製造業ライター)
*編集部注:本記事はフィクションです。実在の人物団体などとは一切関係ありません。
■登場人物

猫山(ねこやま):総務部の社会人2年目。お酒が強い。カフェや居酒屋巡りが趣味で、おいしいものと猫のブログを書いており、デジタル担当になった。

松本さん:PlaBase編集長。デジタルマーケティングについて教えてくれる。

鴨鹿(かもしか):営業部の社会人2年目。猫山と同期。東京都出身。趣味は登山とトレイルランニング、冬はスキー。休みの日は1年中山にいるアクティブ派。
■なんかうるさくてでかいやつ
月曜日の朝。まだ電話の鳴らない朝のオフィスは静かで、パソコンのキーボードを叩く音だけが響いています。そこにどしどしと足音が近づいてきます。

鴨鹿「おはようございますッッ! 出張交通費の清算に来ました!!!」
猫山「声でかい……おはようございます。領収書預かります」
体育会男子の鴨鹿は、猫山の同期です。声もでかいが、身体もでかいです。
(鴨鹿さん……。同期だけどちょっと苦手なんだよな。東京出身を鼻にかけてる感じもするし、なんかタイプが違いすぎるっていうか……)
鴨鹿「おはよう猫山さん! 今日も白いね!!」
猫山「え? 白い? 鴨鹿さんが日焼けしすぎなだけじゃない?? どうしたらそんなに焼けるの?」
鴨鹿「今月末にトレランの大会があるから、追い込んでるんだ!」
猫山「トレランってなに?」
鴨鹿「トレイルランニング! 山道を走る競技だよ。猫山さんもやってみない?自然と一体化できるよ!」
総務部長「鴨鹿、声がでかい。猫山がトレランなんてやったら山と一体化どころか谷に落ちて自然に還っちゃうよ」
猫山「どういう意味ですかそれ。はい、領収書確かに預かりました」
猫山が領収書をケースにしまうと、鴨鹿が総務部長の目を盗んでこっそりと耳打ちしてきました。
鴨鹿「……ね、これって、今週もらえないかな?」
猫山「領収書の受付は金曜3時までって決まっているので……」
鴨鹿「そこをなんとか! 実は新しいシューズ買ったらお金がなくなっちゃって……大会の申し込み費用がどうしても足りないんだぁ~!!」
猫山「そんなこと言われても……申し込み費用っていくらなの?」
鴨鹿「3万」
猫山「なにそれたっっか! 3万も払って山走るなんて信じられない! 私だったら3万もらっても走りたくなーい!」
鴨鹿「今年は! 絶対に! 参加したいの! お願いします!! 俺にできることなら何でも手伝うから!!」
猫山「うるさーい! もー分かりましたから!」
土下座せん勢いで拝み倒してくる鴨鹿を前に、猫山は溜息をつきました。そしてひらめきました――鴨鹿は営業部なので、メルマガのネタ集めにピッタリなのでは……?
猫山「何でもといいましたね? ……それならメルマガのネタ集めに協力してくれたら……この領収書は金曜3時に受け取ったことにしてあげましょう」
鴨鹿「え! ホント!? やるやる!!」
こうして、営業部の鴨鹿に、メルマガに協力してもらえることになりました。一緒にランチを取りがてらぺルソナの話をしたところ、ターゲットとつながりのある鴨鹿の協力で、ペルソナ作成はサクサクと進みました。
猫山「2人だと一気に進むね」
鴨鹿「あ、メルマガのネタ考えるんだっけ? どんなのがいいか分からなかったけど、とりあえず思いつくままリストアップしてみたよ」
鴨鹿からリストを受け取り目を通してみると、リストの一番頭には「赤山」と書いてあります。
猫山「これ、どういうこと?」
鴨鹿「第一工場の駐車場、天気がいいと赤山が青く見えるんだよねぇ! すげーきれいで、いやされるよねぇ~~!!」
猫山「えーっと……ああ、分かるけど、そういうのじゃなくて……」
鴨鹿「ダメ? マジで超映えるよ~? 夕日の中の赤山、俺のインスタで一番バズったもん」
猫山「えー? 山なんてどこからでも見えるし」
猫山がそう言うと、鴨鹿が突然立ち上がりました。
鴨鹿「分かってなーい!! 猫山さんは全然わかってなーいっ!!! ここがどれだけ恵まれているかーーーーーーーーっ!!!!」
猫山「耳痛っ! 声がでかいよ……」

鴨鹿「こんなに美しい山をいつでも見られて!! こんなロケーションほかにはないよね!!! ねっ!?」
猫山「山なんてあったって……東京の方がずっといろんなものあるじゃない。表参道とか? 原宿とか? あとはえっと……なんとかヒルズとか? ていうかなんでわざわざ北陸なんかに来たの?」
鴨鹿「山が~~~~好きだから!!!!」
猫山「声でかい……」
鴨鹿「ヒルズって要するに丘でしょ。丘の上位互換は山だからね」
猫山「そういうことじゃないだろ……」
鴨鹿「俺は渋谷生まれだけど、確かにお店と人と……カラスとゴミはたくさんあるけど、こんなにキレイな空気と、美しい山と海、そして! おいしい海の幸と山の幸!! があって、素敵だと思うけどな」
猫山「そうかな……え、ていうか渋谷生まれなの!? 渋谷ってあの、スクランブル交差点とかイチマルキューがあるところですか? 一般人が住めるところなの??」
鴨鹿「渋谷駅のイメージでしょそれ。渋谷区って言ってもいろいろなところがあるし、そりゃいっぱい住んでるさー」
鴨鹿「それよりなんでメルマガなの? 営業部だとメール超いっぱい来るからさ。メルマガも何個も来るけど、全然読んでないよー」
猫山「えっそうなの?」
鴨鹿「イマドキだったらLINEとか……、インスタとか……、そっちの方がいいんじゃない? メールなんて使うようになったの会社入ってからだよ」
猫山「それは確かにそうかも。うーん……ねぇ、メルマガについて教えてもらってる人がいるんだけど、鴨鹿さんも一緒に聞いてみない?」
鴨鹿「うん! いいよ! おもしろそうーーーっ!!」
■というわけで、仲間が増えました
猫山は早速、松本編集長に連絡を取り、3人でオンラインミーティングをセッティングしました。
猫山「こんにちは、松本さん。今回は、同期の鴨鹿も参加します」
鴨鹿「はじめまして!!!!! 営業部の鴨鹿ですっ!!!!!!! 猫山がいつもお世話になりましてアザッスーーーーーッ!!!!!!」
松本編集長「うわぁー! なになに~っ!? 声でっか!! ……はじめまして。プラベース編集長の松本です」
鴨鹿「メルマガについて教えてくださる! とお聞きしたのですが! 早速ですがなぜ今メルマガなんですか!? LINEやインスタではダメなんでしょーか!?」
松本編集長「なるほど。鴨鹿さんは営業部とおっしゃってましたが、お客さんとLINEでやり取りすることってありますか?」
鴨鹿「お客さんとLINE……、うむ、ないですね。メールか電話、もしくは直接お会いすることが多いです。お客さんの中には、いまだにFAXで注文書をやり取りされる方もいらっしゃいます」
松本編集長「そうですよね。BtoCで一般消費者向けであれば、確かにLINEやInstagram、TwitterなどのSNSを使ったマーケティングは多くなっています。ですがBtoBでビジネス目的であれば、未だにメールの比重がとても大きいと思いますよ」
鴨鹿「なるほど! たしかにそうかもしれません。しかし……その、メルマガって、自分、あまり読まないんです。たくさんメールが来るので埋もれちゃってるというのもありまして」
松本編集長「そうですね。なのでメルマガを送る時間というのは大事です。例えば週明けの朝などは、たくさん仕事のメールが来ているとそちらを優先させなければならないので見逃してしまいがちです。でもちょっと手の空いた時、時間のあるときに興味のありそうなメールが届いたらどうですか?」
鴨鹿「ちょっと読んでみようかな、ってなるかもしれません」
松本編集長「そうですよね。なので、送る時間も大事なんですよ」
猫山「でも、そんなにピンポイントでちょうどいい時間に送れたりするものですか?」
松本編集長「そういう時に役立つのがペルソナですよ。例えば東京在勤の人であれば、通勤は電車が多いですよね? そうすると、電車に乗っている時間にスマホでメールチェックされている方は結構多いと思います」
鴨鹿「たしかに。電車の中って手持無沙汰で暇なので、ついスマホ見ちゃいますね」
猫山「弊社は電車通勤より、自動車通勤の人が多いと思います」
松本編集長「そうですね。で、あればどういう時間が一番読まれやすいのか、いろいろ試してみて、解析するわけです」
猫山「HTMLメールならその解析ができる…というわけですね!」
松本編集長「その通りです! よく覚えていましたね。ほかに、どんなメールだったら読んでもらえると思いますか?」
鴨鹿「うーん……でもだいたい、件名でメルマガって分かるやつは一斉にチェックつけて既読処理しちゃう人も多いんじゃないですか?」
松本編集長「その通りです! なのでメルマガは、件名がとても大事なんです」
猫山「件名?」
松本編集長「件名で『これは読んでみたいな』と思わせることができれば、メルマガの開封率はぐっと上がりますよ」
鴨鹿「なるほど、件名は大事ですよね。自分、まだあんまり慣れてないころにメールを全部返信返信……ってしていったら、件名が『Re:Re:Re:』ばっかりになっちゃいまして。それで大事なメールを見逃してしまって、大目玉を食らったことがありますよ」
松本編集長「あるあるですね……」
鴨鹿「件名の付け方もよく分からなくて、無題で送って怒られたこともあります……」
松本編集長「慣れてない方には本当によくあります……」
猫山「え? 件名って付けないといけないんですか?」
鴨鹿「営業部内の勉強会でダメなメールの例、よく猫山さんの件名なしメール晒されてるよ」
猫山「ぎゃー、ほんとけ!?」
鴨鹿「猫山さんの富山弁かっわい~」
松本編集長「ご出身、富山なんですか? 初めて聞きました。やっぱり同期と一緒だと楽しそうでいいですね。仕事は楽しくやるのが一番ですよ!楽しくないと続かないです」
鴨鹿「そう思います! この間なんて、自分のミスで営業部全員で見直しすることになったんですけど、みんなで徹夜してたらテンション上がっちゃって。見直しは大変だったし皆に迷惑をかけて申し訳なかったんですけど、すごく楽しかったんです。一人では乗り越えられなくても、仲間がいればどんな難局も乗り越えられるような気がしまーすっ!!!」
猫山「先月、夜中に警備会社から連絡がきて総務部長がキレてたやつそれか……」
松本編集長「ははは。そういうエピソードもメルマガに使えるかもしれませんね。鴨鹿さんが良ければ、猫山さんと一緒にメルマガをやってみませんか?」
鴨鹿「はい! ぜひ!! 営業の仕事にもつながると思うので!」
猫山「いいの!? ありがとう!」
(……と言いつつ、本当は最初からそのつもりで鴨鹿さんを松本さんとのオンラインミーティングに呼んだんだけど…計画通り…)
鴨鹿「One For All! All For One!!」
猫山「だから声でかすぎ」
松本編集長「耳痛いのでちょっとミュートしますねー」
猫山「あ、ところで、仲間と言えば松本さん、この前いらっしゃったSHIHOさんって一体なんですか?」
松本編集長「え? なんか言ってます?」
猫山「あ、ミュート……」
こうして、猫山に鴨鹿という、いろいろと強めな仲間ができました。
*猫山ノート*
・メルマガは送る時間が大事。いろいろ試して、見てもらえる時間帯を見つけよう
・メルマガは件名がとても大切。つい開きたくなる件名を考えよう
・仲間がいると仕事がちょっと楽しくなる……かもしれない
・仕事は楽しくないと続かない!
(次回へ続く)
>>>>連載「松本編集長が伝授!デジタルマーケティングの極意」一覧
監修者

松本祐介(まつもと ゆうすけ) 1979年生まれ。中学、高校、大学院と通算して8年間オーストラリアに滞在後、日本に帰国。バイリンガル。無類のコーヒー好きだったことからUCC上島珈琲に就職。その後、飲料原料の海外取引をメインに行う丸紅食料にて商社営業を経験。結婚して家族が増えたことを機に富山にIターン。化学品専門商社の江守商事に転職。ここで初めて合成樹脂・プラスチックに出会う。富山、シンガポール、上海、オランダで海外経験・ネットワークを構築して帰国。その後、2015年に三井化学に転職。スーパーエンプラという極めてニッチな商材を扱う。2017年から、金森産業の事業開発室に所属。化学品業界でのデジタルマーケティング支援を目的としたビジネスモデル「PlaBase ad」の事業推進に従事。
ライタープロフィール

おりも みか 新卒入社した玩具製造メーカーにて品質・生産技術担当として日本国内・中国工場での新規ライン立ち上げを経験。玩具、アミューズメント機器、医療機器、健康雑貨など主にプラスチック製品の開発・製造に携わる。結婚を機に退職し、現在は育児の傍ら製造業ライターとして活動中。
Twitter ID:@jilljean0506
新卒入社した玩具製造メーカーにて品質・生産技術担当として日本国内・中国工場での新規ライン立ち上げを経験。玩具、アミューズメント機器、医療機器、健康雑貨など主にプラスチック製品の開発・製造に携わる。結婚を機に退職し、現在は育児の傍ら製造業ライターとして活動中。Twitter ID:@jilljean0506

