2023年「[関西]高機能素材Week」レポート(前編)

Image

この記事では…

2023年5月17~19日に、インテックス大阪で開催された「[関西]高機能素材Week」より、プラスチック関連でサステナブルな取り組みを行う3社について紹介する。

2023年5月17~19日に、「[関西]高機能素材Week」がインテックス大阪(大阪市)で開催された。会期は、新型コロナウイルス感染症(新型コロナ)が、季節性インフルエンザと同様の「5類」へと変わって間もなく。会場最寄り駅に乗り入れる電車(南港ポートタウン線)も非常に混雑しており、来場者もあくまで筆者の体感ではあるがコロナ以前の状況に十分近づいていたのではといったところだった。

Image

そのような非常に活況ともいえた同展示会であるが、当サイト「PlaBase」も、姉妹サイトの「Chematels」とともに、同展示会の「サステナブル マテリアル展」に出展し、両サイトで提供するデジタルマーケティングサービスについて大いにアピール。多くの来場者の方々が両サイトに関心を寄せてくれた。

本レポートでは、PlaBase編集長の松本が注目した企業5社の展示について紹介。前後編構成でお届けする。なお本記事のほかにも、展示内容(※本レポートで紹介の5社以外)について、恒例の動画レポート「松本編集長の突撃取材!」企画として紹介するので、そちらもぜひ楽しみにお待ちいただきたい。

再生ペットボトルから作った、成形できるファブリック――西川ローズ

Image

西川ローズの展示ブースの様子

不織布製品などの開発・製造を担う西川ローズは、寝具メーカーである西川のグループ企業である。同社は1959年、西川株式会社の合繊洋ふとん部門生産会社として「月印ローズ」という社名で設立。現社名にある「ローズ」は創業時の名前が由来である。現在は、寝具や介護用品などと合わせ、長年の寝具やカーペットの製造技術で培った不織布を用いたさまざまな製品開発に携わる。

今回展示していた、同社の不織布製造技術を用いた「ウェーブファイバークッション」は、ポリエステルファイバーをウェブ(わた)状にして積層させ、さらに波状に成形したクッション材だ。マットレスやソファーの表面を波状にしておくことで、通気性を確保しながら、人の体形に沿った形で変形し、座り心地や寝心地を快適にできるという。

さらに今回は「フレックスニット」の技術も展示した。フレックスニットは、ウェブや薄い生地素材を基布とし、それを上下から糸で縫い上げることで、熱を加えて成形可能な複合ファブリックに仕上げる。プラスチックと異なり、布らしい温かみのある質感の成形品を生成することが可能である。


Image

フレックスニットでの成形例

Image

フレックスニットの製造についての解説パネル

フレックスニットは自動車の天井材などで既に採用されているが、アイデア次第でさまざまなシーンでの活用が期待できるという。

今回の展示では、再生ペットボトルから作ったポリエステル繊維のウェブと糸で編み上げたフレックスニットを展示した。このファブリックを構成する素材には、バイオマス原料繊維も使用できるとのことだ。

黒くしてしまえば、リサイクルもしやすくてカッコいい! ――三宝化成工業

Image

三宝化成工業のブース

包装機や自動包装機などを手掛ける三宝化成工業は、同社の自社規格であるという「LOOPLA(ループラ)」を使用したドリンクカップなどを展示した。LOOPLAは容器包装に再生プラスチックを50%以上使用しているプラスチック製容器包装技術であり、エコマーク認定を受けている。印刷インキや接着剤でも、自主規制対象になる物質を添加しないようにしている。

Image

LOOPLA Blackによるカップのサンプル

LOOPLAのサンプルの中でひときわ目を引いたのが、黒色のドリンクカップのサンプルで、LOOPLA関連の技術「LOOPLA Black」を用いたものだ。使用済みのプラスチックを回収して再利用する際には、印刷の脱色や剥離の手段が課題となり、インキ色が残ってしまうことが多く、手間もかかる。LOOPLA Blackは、まさに「逆転の発想」であり、最初から黒色で使用する前提にしてしまおうという技術だ。黒色にすることは、意匠面でもメリットがあり、漆器のような外見を実現することができ、ビビッドなカラーやメタリックカラーが映える。

同社によれば、その外観からかLOOPLA Blackのサンプルが来場者の目をかなり引いて、設置していたパンフレットが一気になくなってしまったほどの人気であったという。そこがフックになり、LOOPLAやほかの技術にも興味を持ってもらえたとのことだ。

Image

「LIMEX」を利用したランチボックスの展示:LIMEXは、無機物(炭酸カルシウムなど)を50%以上含んだ無機フィラー分散系の複合素材

40年前からサステナだった――RP東プラ

Image

RP東プラの展示ブース

アクリル樹脂シートを主体とする成形加工から始まったプラスチック加工メーカーのRP東プラであるが、今日はシートに限らず多岐にわたる成形を行っている。SDGsへの取り組みも積極的であり「Technology & Ecology」をテーマに事業を展開する。

Image

A-PETシートの成形サンプル展示

同社のA-PETシート「NOACRYSTAL」は、かつてPVC(ポリ塩化ビニル)シートの代替品として誕生したという。市場から回収されたペットボトルの再生フレークを100%使用した「NOACRYSTAL-R」、コア層にペットボトル再生フレークを使用した2種3層構造の「NOACRYSTAL-MR」、バージン原料を使用したA-PETシート「NOACRYSTAL-V」の3種のグレードを備える。NOACRYSTAL-MRについては、40年前から提供しているという。現在は、ペットボトルから再生フレークを作るではなく、ペットフィルムからA-PETシートへ再生する取り組みも始めたという。

他、PPシートを構成する一部を植物性由来のポリエチレンを使用した「BIO系オレフィンシート(酸素バリア性、耐寒、耐熱タイプ)」、無機物を多用して石油由来成分を極力少なくしたオレフィン系シート「NOA・AMP(酸素バリア性、高剛性、耐衝撃タイプ」なども展示した。

Image

リフモボードの成形事例

さらに、市場で古着を回収し、100%繊維廃材のみでボード化した「リフモボード」による成形事例も展示した。リフモボードは繊維が絡むことで強度が増す上、非常に軽量であることが特色であるという。

次回の後編では、プラスチック関連のIT技術について紹介する。

編集部からのお知らせ

本記事で紹介したRP東プラが、サステナブル マテリアル展で配布したリーフレットがダウンロード可能です。併せてぜひご確認ください。 ※ご利用する際には、PlaBaseの会員登録が必要です。
⁠>>「【RP東プラ】サステナブル マテリアル展・配布リーフレット」ダウンロード

sample
PlaBase編集部
PlaBase[プラベース]

これまでカタログや材料メーカー各社のホームページ内に散在していた樹脂(プラスチック)成形材料の情報をPlaBaseに集約しました。 メーカー・樹脂名・物性値など多様な検索方法によって、お客様の目的に合った樹脂成形材料のデータを探し出すことができます。