地方の中小メーカーの新米デジタルマーケティング担当の猫山が、自社のメールマーケティングに奮闘した軌跡、ちょっとしたTipsを(多分)余す所なくドラマ化した物である。今回は、よくやく運用が始まったメルマガ!でも問題が発生…!?
メルマガ初心者あるある聞きたい!デジタルマーケティングの極意(メール編 6)

この記事は…
(執筆:おりも みか/製造業ライター)
*編集部注:本記事はフィクションです。実在の人物団体などとは一切関係ありません。
■登場人物

猫山(ねこやま):総務部の社会人2年目。お酒が強い。カフェや居酒屋巡りが趣味で、おいしいものと猫のブログを書いており、デジタル担当になった。

社長(富良座:ぷらざ):そろそろ老後のことが頭をよぎる60代。新しいアイデアを試すのがだいすき。無茶ぶりしがち。お酒がすき。

総務部長(根津海:ねづみ):50代前半。Web黎明期からのネットサーファー。カメラが趣味。ご当地美少女キャラクターを常にチェックしている。

松本さん:PlaBase編集長。デジタルマーケティングについて教えてくれる。

鴨鹿(かもしか):営業部の社会人2年目。猫山と同期。東京都出身。趣味は登山とトレイルランニング、冬はスキー。休みの日は1年中山にいるアクティブ派。
■メルマガなんて楽勝、楽勝~♪
猫山は鼻歌を歌いながらオフィスでメルマガを作成しています。営業部の鴨鹿の協力もあり、なんとメルマガ発送はもう今回4通目。周囲の評判も上々という話で、猫山も上機嫌です。
猫山「よーし、こんなもんでいいかな! 第4回メルマガ送信予約完了、と!」
富良座「猫山くん、メルマガ頑張ってるね~」
猫山「はい! 社長! 鴨鹿さんの話では、取引先からも好評をもらっているみたいで……」
富良座「うん、僕のところにもね、『ぷらぷら~ざ新しいこと始めたな!』って声が届いてるよ。これからどんどんメルマガ活用してね」
猫山「がんばります!」
上機嫌な富良座社長が去ると、根津海総務部長が近づいてきました。何か嫌なこと言われる予感しかしない……。

根津海「……とは言っても、取引先に『メルマガどうでした?』って聞かれてダメ出しするような社会人なんていないと思うけどね~」
猫山「(ほらキター!)え! なんですか!? 私のメルマガがダメってことですか!!??」
根津海「そうじゃないけど、今メルマガ送ってるのはみんな関係の深い取引先でしょ。その人たちのリップサービスうのみにしちゃっていいのかな~ってことだよ」
猫山「(はは~ん……私の成功を妬んでるんだな)」
そう思いながらも、「いやまて、本当に大丈夫なのか」と少しずつ心配になってきました。
■鴨鹿だって送りたい
その翌朝、猫山の同僚で営業部の鴨鹿が、勢いよく執務室のドアをずばーんと開け放ちます。
鴨鹿「おはようございまっすっ!!!」
猫山「相変わらず声が大きい……」
鴨鹿「猫山さん、もしかして今メルマガ作ってる? 実はさ、俺もメルマガの本文書いてみたんだけど、ちょっと見てくれるかな!?」
猫山「ありがとう! えーっとどれどれ……」

猫山「おお……なんか……すごいボリュームだね。工場見学に、チャレンジしている成形技術のサンプル紹介、新しい成形材料の対応……、え、まだある……」
鴨鹿「4回目記念! 今回は書きたいことがたくさんあってさっ! せっかくだから、3年ぐらい更新止まってた会社ブログも更新したんだよ!!」
猫山「ありがとうございます。……だけど、文字がカラフルだね」
鴨鹿「強調したいところは色文字、太字、文字のサイズを変えたりして工夫してみたんだ! 予備校のノート術を生かしたんだよ!」
猫山「写真も多めだね……」
鴨鹿「文字ばっかりじゃ疲れちゃうだろ? だから写真も多めに入れたよ!」
猫山「(これっていいのかな…悪いのかな…ちょっと松本さんに聞いてみよう…)」
鴨鹿の言い分もよく分かる一方、何かまずいのではないか……。これでいいのかといよいよ本気で心配になった猫山。早速、松本さんにメールを出し、Webミーティングで相談に乗ってもらうことにしました。
■メルマガ初心者がやっちゃうあるある
松本「メルマガ、順調に続いているみたいですね。さっき第4回が届きましたよ。なんというか、にぎやかな感じの内容でしたね」
鴨鹿「はい!!! いろんな人から声をかけてもらって、やる気が漲ってます!!!!」
松本「耳がビリビリするんだけどっ! ところで猫山さん、これテキストメールの確認しましたか?」
猫山「テキストメール…?………あ!!」
松本「やっぱり、更新忘れちゃいました?」
鴨鹿「へ? なんですか?」
松本「皆さんもHTML形式でメルマガを作っていると思うのですが、テキストメールの受信設定をしている人にはテキストメールで送れるように、併せてテキストメールも生成されているのはご存じでしたよね? でも作成の際にテキストメールの方にも更新をかけておかないと、前回作ったままの同じメールが届いてしまうんです(※)。今回のメルマガ、テキストの方では第3回ものが届いてました」
※使用方法や設定はご利用になるメルマガツールの仕様によります。
猫山「はがやしい~!」
松本「これ、メルマガ初心者あるあるなんですよ。慣れてきたころにやっちゃいがち、です」
猫山「ちゃんとせんなんな~」
鴨鹿「で! 松本さん! 俺が書いたメルマガ、見てもらえませんか!? ね?」
松本「鴨鹿さんも書くことになったんですね。いいですよ。えっと……これは……」
鴨鹿「どうですか!!??」
松本「そうですね……鴨鹿さん、これを読んだ方に、どうしてもらいたいですか?」
鴨鹿「どういうことですか?」
松本「鴨鹿さんが伝えたいことがたくさんある、ということはとってもよく分かるんです。でも、何を一番伝えたいのかがぼけちゃってるんです。伝えたいことも大事ですが、読んでくれる相手のことを考えているかどうかも大事です。」
鴨鹿「盲点でした……! めんぼくないです」
松本「今回のテキストメールの件も同じです。これがテキストメールで送られてきたら、相手は結構読みにくいんじゃないかと思います。……あとね、とりあえず、長いですわ」
猫山「ですよねぇ……」
鴨鹿「なるほど……」
■もしかしてメルマガ読まれてない…?
翌日、猫山は足取り重く出社しました。テキストメールの内容がダブってしまった件についてもすぐに謝罪メールを送りましたが、失敗が頭を占拠して離れません。
猫山「あーどうしよう……。昨日送ったメルマガ、テキストメール受信したところから苦情くるのかなぁ……」
鴨鹿「おはようございます! はい、これ経費精算お願いします!」
猫山「鴨鹿さん……昨日あのあと外回りして、メルマガの苦情言われたりしませんでした?」
鴨鹿「苦情? 来てないよ?」
猫山「ほんとですか? よかった~」
根津海「それってさ~。単に気が付いていないだけだったりして。メルマガなんて読んでないだけなんじゃないの?」
突然、根津海が話に加わってきました。
猫山「え? でも、評判がいいって……鴨鹿さんもお客さんからそう聞いたって」
根津海「口では『メルマガ見ましたよ~』なんて言ってても、本当に見てるかどうかなんて分かんないじゃん」
猫山「そんなことないですよ! あ!! HTMLだからメールの開封率とか見れたはず!たしか!」
根津海「今まで確認したことなかったのかよ。で?開封率はどれくらいなわけ?」
猫山「フン!そんなの100%に決まってるじゃないですか!えっと…え……、15%……?」
鴨鹿「100%はさすがにないと思ってたけど……、そんなに低いの……?」
猫山「メルマガ…もしかして全然読まれてない…?」
軌道に乗ったと思っていたメルマガ、実は全然読まれていなかった?どうする! 猫山!!
*猫山ノート*
・HTMLでメルマガを作っても、テキストメールを更新するのを忘れずに!
・内容や読みやすさなど、相手の立場に立って考えよう
(次回へ続く)
>>>>連載「松本編集長が伝授!デジタルマーケティングの極意」一覧
監修者
松本祐介(まつもと ゆうすけ) 1979年生まれ。中学、高校、大学院と通算して8年間オーストラリアに滞在後、日本に帰国。バイリンガル。無類のコーヒー好きだったことからUCC上島珈琲に就職。その後、飲料原料の海外取引をメインに行う丸紅食料にて商社営業を経験。結婚して家族が増えたことを機に富山にIターン。化学品専門商社の江守商事に転職。ここで初めて合成樹脂・プラスチックに出会う。富山、シンガポール、上海、オランダで海外経験・ネットワークを構築して帰国。その後、2015年に三井化学に転職。スーパーエンプラという極めてニッチな商材を扱う。2017年から、金森産業の事業開発室に所属。化学品業界でのデジタルマーケティング支援を目的としたビジネスモデル「PlaBase ad」の事業推進に従事。
ライタープロフィール
おりも みか 新卒入社した玩具製造メーカーにて品質・生産技術担当として日本国内・中国工場での新規ライン立ち上げを経験。玩具、アミューズメント機器、医療機器、健康雑貨など主にプラスチック製品の開発・製造に携わる。結婚を機に退職し、現在は育児の傍ら製造業ライターとして活動中。
Twitter ID:@jilljean0506
新卒入社した玩具製造メーカーにて品質・生産技術担当として日本国内・中国工場での新規ライン立ち上げを経験。玩具、アミューズメント機器、医療機器、健康雑貨など主にプラスチック製品の開発・製造に携わる。結婚を機に退職し、現在は育児の傍ら製造業ライターとして活動中。Twitter ID:@jilljean0506

