2024.11.27

自動車のeアクスル部品、繊維製品などで活躍するSPSの実力――出光興産のウェビナーより:PR

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SPS(Syndiotactic Polystyrene)を開発する⁠⁠出光興産が、2024年10月4日に、ウェビナー「EV部品や繊維に採用 SPS樹脂の最新動向を学ぶ」を開催しました。この度は多くの皆さまにご参加いただき、まことにありがとうございます。

このセミナーでは、同社のSPS樹脂に関する技術情報や、自動車向けの事例について解説しました。

今回、⁠⁠出光興産でエンジニアリングプラスチックやその成形技術の技術開発や自動車分野のマーケティングなどを担い、現在はデジタルマーケティングにかかわる森川正之氏が登壇しました。プライベートでも自動車のチューンアップやプラモデル製作をするなどものづくりを楽しむ森川氏が、同社のSPS樹脂「XAREC™」の紹介や、自動車分野での用途に関する具体的な事例を紹介しました。SPS樹脂の特性を最大限に引き出すための成形条件(温度制御やペレットの管理など)についても詳しく解説しました。

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出光興産 森川正之氏


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EV時代で活躍するSPSとは⁠


⁠1985年に出光興産が世界初の合成に成功したSPS(Syndiotactic Polystyrene)は、汎用プラスチックであるポリスチレンの特長を引き継ぎ、立体規則性(シンジオタクチック構造)を持たせた結晶性の高機能ポリスチレンです。

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プラスチック市場におけるSPSの位置づけ

SPSは、規則構造, 高耐熱性(融点270℃)、結晶性、高結晶化速度という「シンジオタクチック」特徴を有します。結晶性エンジニアリングプラスチックで最も長期耐熱性の高い樹脂です。さらに軽量であり、耐熱性、耐加水分解性、誘電特性、耐薬品性とさまざまな特性に優れているという、非常に高性能な素材です。

SPSは自動車・家電・日用品など様々な分野で採用されています。出光興産のSPS「XAREC™」には、それぞれの用途に適したグレードを備えています。強化剤やガラス繊維を加えたグレードもあり、耐熱性や機械的特性を向上させることができます。

中でも非常に引き合いが多いと言う自動車業界では、SPSの耐熱性、寸法安定性、耐加水分解性、誘電特性という特性を生かしてさまざまなコネクタやECU、バスバー、ミリ波レーダーのカバーなど自動車電装部品を中心に採用が広がっているそうです。

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SPSの自動車部品での用途について

今回は、電動車(EV)が市場にある限り、その需要が途絶えることがないeアクスルの部品でのSPSの活用例や成形条件などを取り上げました。その部品の中でも、電池から供給される直流を交流に変えてモーターへ電流を制御しながら供給するスイッチング電源であるインバーターの樹脂部品(フレーム)の課題について詳しく解説しました。

eアクスルは、従来、モーター、インバーター、減速機と3つのユニットに分かれていたところ、それを1つのユニットに一体化させる動きがトレンドになっています。それに伴いeアクスルの中に電源関連の機能を集約して制御するようになったことから、インバーター自身が大型化しています。またインバーター部品に課せられる厳しいヒートサイクル試験に堪え得るだけの強度や特性を確保しなければなりません。かつ細やかな部品の成形が可能な樹脂流動性と、反りの少ない成形ができること、絶縁性の高さも重要です。

そのような多様で厳しい要件に堪え得る「XAREC™」の新素材が「S146」です。従来の一般的なグレードでは、ヒートサイクル試験において-30~130℃で50~100サイクルの間でクラックが入ってしまっていたところ、出光興産が開発した特殊なコンパウンド技術でその問題を解決したということです。さらに、森川氏は、V0難燃材の「S840X」も上市を目指して開発中であることを明かしました。

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ヒートサイクル試験の試験片のイメージ、応用例


⁠SPSは繊維でも活躍!

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出光興産 山岸伸子氏

登壇者は出光興産で、SPS繊維のマーケティングや日用品分野の営業を担当する山岸伸子氏にバトンタッチし、テーマは「SPS繊維の用途開発」へ――SPSは射出成形品を中心に使用されてきましたが、繊維でも活用できます。出光興産では約10年前からSPS繊維の開発をしてきました。現在、スポーツウェアやインナーなどアパレル用途から活用が広まっています。汗をかいてもすぐかわくのでべたつかず、汗冷えしづらい衣類が作れるとのことです。現在、ダウンジャケットなどに使われる中綿についても開発中です。

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SPS繊維の用途

工業製品関連の営業に力を入れており、医療器具やサニタリー、建材などの用途を模索しているとのこと。自動車内装品では車載フィルターの活用が考えられるのではということです。

SPS繊維の特長は「撥水」「軽量」「保温」「耐熱」。SPS繊維を使った布製品、熱伝導率が低いため保温効果が高く、かつ撥水性のある製品が製作できます。また撥水材を添加することなく、素材の力で撥水性が保てることも利点です。耐熱性も高いので、繰り返し高温をかける転写プリントにも向いています。さらにポリエステルと同様に、分散染料を用いた染色も行えます。

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SPS繊維と従来素材との比較

SPSが代替するPETやPPと比較した際の利点についても紹介しています。PETと比べた場合では75%軽量であり、保温性や撥水剤フリーであることが利点となります。PPとの対比では、耐熱性に優れ、加工性が良好であること、酸化発熱の心配がないといったことをあげています。一方、繊維としての強度がPETやPPと比較すると高くなく、織物への対応は現状では難しく、編物の用途に限定されると述べています。ただし、ポリエステルとの交編での生地製造が前提となっていることから、実仕様には問題ないとのこと。

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SPS中綿と従来素材との比較

SPS中綿についても、ダウン(羽毛)に近い保温性や軽量性を備えながら、低コストで疎水性があることがメリットです。もちろん動物愛護の観点からもメリットがあります。PET綿と比較した場合では、保温性に優れ、繊維と同様に75%軽量であること、そして撥水性があることが利点です。中綿については開発中であるものの、興味ある方の問い合わせを待っているということです。出光興産として新たな用途展開を模索中であることから、協業先を積極的に募集しています。

出光興産SPS特設サイトで本ウェビナーの資料をゲット

出光興産では、デジタルマーケティングの活用に力を入れています。その活動の一環である、出光興産SPS特設サイトでも、SPS樹脂の特性や成形・加工時の取り扱い、用途や採用事例、ウェビナー開催のお知らせなどの情報をお届けしています。特設サイトの新情報が届くメールマガジンと併せて、ぜひご活用ください。


⁠今回紹介したSPSの射出条件に関する説明や、新素材「S146」についても、出光興産SPS特設サイトで資料ダウンロードが可能です。

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次回のSPSウェビナーのテーマは「家電業界・キッチン用品」

今回のウェビナーで森川氏は、「SPSは大手牛丼チェーンの箸でも使われている」と紹介していました。SPSは、大手日用品店で見かけるような食器や調理器具でもよく使用されており、高機能素材ながら、私たちが日常的に見かける素材でもあります。

そういうわけで次回は、12月に開催するSPSのウェビナーは、「家電やキッチウェア、食器、日用生活品」がテーマになります。SPS樹脂を活用したソリューションや、ほかの樹脂との性能比較など解説します。

カラーバリエーションも豊富なSPS樹脂食器において、単色だけでなく2色のマーブル色調の食器開発に関する事例紹介もありますので、ぜひご参加ください。

【ウェビナー概要】

「家電業界・キッチン用品のニーズに応えるSPS樹脂の特性と実用例を学ぶー出光興産主催」

  • 日 時:2024年12月13日(金) 13:30~15:00
  • 会 場:オンライン開催(ZOOM)
  • 参加費:無料

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PlaBase編集部
PlaBase[プラベース]

これまでカタログや材料メーカー各社のホームページ内に散在していた樹脂(プラスチック)成形材料の情報をPlaBaseに集約しました。 メーカー・樹脂名・物性値など多様な検索方法によって、お客様の目的に合った樹脂成形材料のデータを探し出すことができます。