2026.09.16PR

ダイセル×SOLIZE PARTNERSの協働によってLCPの3Dプリンティング技術開発が加速!量産も視野に市場開発を目指す:PR


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液晶ポリマー樹脂『LAPEROS® LCP』(以下、LCP)を展開する株式会社ダイセルと日本における3DプリンターのパイオニアでもあるSOLIZE PARTNERS株式会社(以下、SOLIZE PARTNERS)は共同で、LCPを用いた3Dプリント技術の開発を始めました。2026年4月から検証および製作支援サービスの提供を開始しています。

LCPとは、溶融状態で液晶性を示すポリマーです。耐熱性に優れるだけでなく、射出成形時の流動抵抗が小さく高流動性を持つため、薄肉かつ精密な成形に適します。さらに、成形収縮率や線膨張係数が小さいことから、高い寸法精度を実現するスーパーエンジニアリングプラスチックです。市場から高い寸法精度や高耐熱が求められるスマートフォンやPC、サーバーなどに使われる狭ピッチコネクター、ICソケット、センサー部品、カメラモジュール部品、回路基板関連部品など、電子部品分野で広く使用されています。また、自動車分野では、電装部品、センサー周辺部品、LED関連部品などにも活用されています。薬品耐性や耐熱性を生かし、流体制御部品や医療・分析機器向けの部品への展開も期待されています。航空宇宙分野での採用実績もあります。成形時に分子が流動方向に強く配向するため、流動方向では高い機械的強度を持つ「自己補強性」を持ちますが、方向によって物性が異なる異方性を持つ樹脂です。また、竹のような繊維質の高次構造をもつため、切削による加工には適しません。

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そこで、射出成形以外の工法として、ダイセルはNEMATX AG社と提携してMEX方式3DプリンターでLCP造形技術を開発し、今回3Dプリンティング技術と評価技術を持つSOLIZE PARTNERSとの協働によって、更なる技術力の向上と市場開拓を目指します。

――ダイセルとSOLIZE PARTNERSが共同でLCPの3Dプリンターによる造形サービスを行うこととなった経緯を教えてください

ダイセル:当社は樹脂だけでなく、常に技術ソリューションをセットでお客様に提供することを続けてきました。樹脂メーカーですので、樹脂や射出成形については自負を持っています。しかし、それ以外の加工領域においてはいろいろなパートナーさんと連携しながら裾野を広げていきたいと考えています。LCPが活躍できる市場を広げていくには新しい加工方法や技術が必要と考え、それを求めていくのにSOLIZE PARTNERSさんはぴったりなパートナーでしたので、ダイセル側から声をかけさせていただきました。

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株式会社ダイセル ハイパフォーマンスポリマーズSBU 開発統括部 田口吉昭氏

SOLIZE PARTNERS:ダイセルさんからお話を頂いたとき、LCPで3Dプリントができるというイメージが湧きませんでした。しかし実際に装置を目にして、そのスピードに驚きました。あの技術によってLCPでプリントできなかったものができるようになったり、新しいものができる。正直まだ市場ニーズは掴み切れていませんが、日本で3Dプリンターをやる上で我々がやらないという選択肢はないと思っています。

3Dプリントの技術進化に関して、造形方式に関してはすでに出揃ってきています。材料に関しても3Dプリントできるものは限られているので、なかなか増えません。そんな中でこれだけ尖った材料・技術というのは珍しいので、すぐやろうと。社内的にも2025年頭にDM事業推進部という新しい技術の調査とサービス化を目的とした部署が立ち上がったところでしたので、タイミング的にも良かったです。

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SOLIZE PARTNERS株式会社 デジタルマニュファクチャリングサービス事業部 吉瀬純平氏

ダイセル:LCPは、当社の樹脂ポートフォリオの中で「成長牽引」の中核材料と位置付けています。コネクター、サーバー部品、回路フィルムなど、デジタル・モバイル分野での需要が拡大しており、次世代用途の創出および新しいアプリケーション開発のドアオープナーとして期待しています。ですが、我々はどうしてもLCP 起点になってしまう。SOLIZE PARTNERSさんは3Dプリンター起点でいろんなお客様と関わっています。そこに対する課題に対して、LCPの3Dプリンティング技術が、新しい価値を生み出せると考えています。

――LCPの3Dプリンティング技術について教えてください

ダイセル:スイス連邦工科大学チューリッヒ校からスピンオフしたスイスのNEMATX AG社が、いち早く LCPと3Dプリンターの組み合わせに着目して研究し、技術を開発してきました。LCPを非常に薄肉でかつ高速で造形することが可能です。高速というのは時間短縮だけでなく、高速で動かすことで配向度合いが変わってくるということが分かっています。さらに通常の3Dプリンターでは0.2mm~0.4mmほどの薄肉制御ができれば良いというレベルですが、この装置はXYZ制御の精度が非常に高く、15μm~20μm程度の層でコントロールが可能です。これによってLCP自体を引き延ばしながら造形することができるので、いわばスキン層を積み重ねるような造形物が出来上がります。高配向を達成することで、高弾性、高強度となる可能性があるという非常に面白い技術になります。

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株式会社ダイセル ハイパフォーマンスポリマーズSBU 開発統括部 見置高士氏


これまでの3Dプリンターは、射出成形前の検証サンプルや試作として注目されることが非常に多かったですが、射出成形品を上回る高弾性・高強度を実現できる可能性があるため、これまで射出成形ではできなかった部品の製造が可能となります。異方性を意図的に制御することで、特定方向に極めて高い強度を持つ部品を作り出したり、プリントパターンを縦横とすることによる造形で、異方性の小さいフィルム形状を実現できる可能性もあります。開発段階から3Dプリントを考慮した設計をすることで、よりその技術のポテンシャルを生かすことができますので、3Dプリント技術をお持ちのSOLIZE PARTNERSさんとパートナーを組めたことは、当社としても非常に心強く思っています。

SOLIZE PARTNERS最初に装置に触れた時、装置の見た目に反してかなり重量があると感じました。あれだけのスピードで、正確に造形するために必要な重さだと捉えています。我々も装置メーカーの技術者と共に数多くの装置を検証し、知見を蓄積して装置導入を進めてきた実績があります。ですが樹脂メーカーさんとは初めての取組みですので、ハードウェア以外の点も含めて、一緒に技術を積み上げていけたらと思います。

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SOLIZE PARTNERS株式会社 デジタルマニュファクチャリングサービス事業部 野口祥吾氏

LCPと言う材料は、「こんな材料初めて」というのが正直な感想です。3Dプリンターで最終製品を生産するにあたって、これまでは異方性はない方が良いという認識でした。LCPはノズルの走査方向、動かし方によって、配向性が変化し、物性も変わっていく。実際にサンプルを作成していますが、配向性によっては同じ形状をアルミで作った場合と比較して、LCP3Dプリントによる造形品の方がアルミ切削品よりも剛性が高いものができる場合があります。どんな使い道があるのか、ニーズを探っていきたいですね。

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――SOLIZE PARTNERSとの製作支援サービスとはどのようなものですか?

ダイセル:これまではサンプルとして1個程度造形してお渡しすることはしていたのですが、複数個必要となるとキャパシティ的に難しかったので、SOLIZE PARTNERSさんにお願いしています。

SOLIZE PARTNERS:現状ではお問合せいただいたものは両社で情報をシェアしながら進めています。新しくものを作る際のパラメータなどはコア技術でもあるので、トラブルや悩み事などについて、密にコミュニケーションを取りながら進めているところです。量産となれば、人(man)、機械(machine)、材料(material)、方法(method)の4Mが揃っていても繰り返し同じクオリティが確保できるのか、できないならばなぜなのかという原因をあぶり出すのも我々の役目だと思っています。よりユーザーに近い位置から技術発展に貢献できればと思います。

ダイセル:MEX工法の欠点は、サポート材がないと中空形状や大きなオーバーハング形状などが作れないことです。今まではサポート材も同材料のLCPだったため、ニッパーなどでサポート材を除去する必要があり、工具が届く形状でなければサポート材を除去できないという課題がありました。またLCPを使用する部品は小さい部品が多く、このサポート材が除去できないことが理由で、ユーザーからの問い合わせに対応できないことが多く発生してしまいました。そこで溶剤に溶けるサポート材を開発し、中空形状やオーバーハング形状も作れるようにしました。

SOLIZE PARTNERS:溶剤に溶けないLCPという樹脂だからこそできる方法ですね。

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――今後の方向性や、期待する分野を教えてください

ダイセル:射出成形の置き換えや試作用途ではなく、素材の強さと加工方法の良さという両面からアピールして、新たな市場開発から行っていきたいと考えています。LCPは宇宙で実績のある樹脂であることも強くアピールしていきたいと思っています。今後、宇宙・航空、防衛といった分野にも技術提案のチャンネルを広げていきたいですね。

SOLIZE PARTNERS:3Dプリンティング市場を見ると、海外ではすでに最終製品用途が半分以上を占めるという状況になっています。その中でも特に、宇宙・防衛用途の拡大は目覚ましいものがあります。例えば、フレーム状のものであれば、比強度が金属以上のものを出すことができるので、軽量・高強度という強みを生かせるドローンや、宇宙などに挑戦していきたいですね。

ダイセル:3Dプリンターは金型レスで、一品一様の部品を作れることが強みです。たとえば半導体関連の製造装置や検査装置など、精密性と信頼性が求められる分野では、金属代替の可能性もあると考えています。

また、LCPは骨に近い表面硬度を持つという特性もあります。認証などの課題があるため、すぐに実用化できる話ではありませんが、究極のパーソナライズという観点では、インプラントをはじめとする医療用途にも将来的な可能性を感じています。

SOLIZE PARTNERS:展示会などでは、LCPを知っているかどうかでお客様の反応は大きく変わります。既にご存じの方からは強い関心を得られており、反応はすごく良いと実感しています。必要に応じて当社の大和工場に来ていただいてデモを行うことも可能ですので、まずはこの技術を知っていただきたいですね。

ダイセル:射出成形の試作や既存品の代替ではなく、先行どころか基礎開発のレベルから一緒に作り上げていきたいと思っています。設計思想の段階から3DプリンターやLCPをどう生かすのかというアイデアが必要だと感じています。

SOLIZE PARTNERS:ダイセルさんにも登壇していただき、一緒にウェビナーをやっていく予定です。ぜひお楽しみに。

●⁠お知らせ
⁠ダイセルとSOLIZE PARTNERSが、ウェビナーイベント「⁠Webinar Week 2026」で登壇!

ダイセルとSOLIZE PARTNERSが、ものづくり自動化・DX/ものづくりAI/次世代3Dプリンティング/物流DX Webinar Week 2026」(主催:株式会社松井製作所 Webinar Week事業部)内でセミナーを開催します。⁠⁠
⁠本セミナーでは、熱可塑性樹脂3Dプリンティングの進化により実現したLCP(液晶ポリマー)造形技術をテーマに、射出成形では実現が難しい高機能・高付加価値なものづくりの可能性と、その活用価値について語ります。

視聴の申込みについてなど、詳しくは、以下のリンクからご覧ください。
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⁠⁠⁠⁠【ダイセル社と共同登壇】LCPを3Dプリントする時代へ ~射出成形では実現不可能な高機能LCP部品開発~

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全く新しい樹脂製品を作る可能性を秘めた、LCPの3Dプリンティング技術。今ある課題に対し、全く新しいアプローチから解決していくことができるかもしれません。

新しい技術がゆえに、まだまだその実力は未知数。樹脂の常識を超えた先にある斬新なアイデアを待っています。

LAPEROS®は、株式会社ダイセルが日本その他の国で保有している登録商標です。


⁠⁠関連リンク
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⁠ダイセル

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PlaBase編集部
PlaBase[プラベース]

これまでカタログや材料メーカー各社のホームページ内に散在していた樹脂(プラスチック)成形材料の情報をPlaBaseに集約しました。 メーカー・樹脂名・物性値など多様な検索方法によって、お客様の目的に合った樹脂成形材料のデータを探し出すことができます。