2026.10.05技術解説

中国スマホ企業シャオミのEVのドアを分解したら驚いた! その1:自動車技術インサイト

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この記事について

自動車、プラスチック、脱炭素のことならおまかせ! 
かつてトヨタやサムスンに在籍したコンサルタントである筆者が、自動車技術動向について幅広くお届けします。今回は、中国企業・シャオミのおどろきの技術を取り上げます。

(執筆:高原忠良/Tech―T)


中国では、EVに新規参入したスマートフォンメーカーが画期的なEVを開発・販売し、しかも1車種で年間数十万台を売り上げるというほどに、我々日本人の感覚とは異なる大きな変化のただ中にあります。こうした動きを先読みし、対応戦略を練っておかないと、徐々に自動車ビジネスから押し出されかねません。なぜなら、すでに中国製の自動車が世界市場の3割を占めており、中国勢の海外進出とともにその割合はさらに増加すると予想されるからです。中国企業の先行きから目を背けるということは、自動車ビジネスの半分近くのマーケットを見ないことに等しいのです。
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さて、そのように話題となっているEVに実際に試乗し、上海では販売店も訪問してきました。ここでは、樹脂関連の話題として、そのドアトリムのベンチマーク結果を紹介します。

いやー、驚きました! 中国における開発スピードの速さの理由がよく分かります。

⁠そういうわけで、今回は全2回でのご報告です。今回は、シャオミとそのEV「SU7」のご紹介です。次回は、実際にドアを分解した結果と、そこから読み取れるシャオミの開発スタンスを解説します。

シャオミ(Xiaomi)とは?


中国のスマートフォン大手のシャオミ(Xiaomi、小米集団)は、2010年に雷軍氏らが北京で設立した総合テクノロジー企業がベースの企業です。スマートフォン事業で急成長し、現在は世界シェア上位(アップル、サムスンに次ぐ第3位クラス)を占めています。スマート家電やIoT機器を含むエコシステムを幅広く展開してきた点が特徴で、2018年には香港証券取引所に上場しています。2021年にEV事業への参入を表明し、スマートフォン・スマート家電・自動車を一体で結ぶ戦略のもと、自動車事業を急速に立ち上げました。

シャオミのEVとは?

そのシャオミは、BEV事業への参入表明からわずか3年、2024年4月にスポーツセダンタイプのBEV「SU7」の量産・販売を開始しました。価格帯は約21.6万~30万元です。さらにその1年後となる2025年6月には、2車種目となるSUVタイプの「YU7」を発売しました。価格帯は約25万~33万元です。800Vプラットフォームやレーザーレーダー(LiDAR)を含む先進的な運転支援システムを備えるなど、スマートフォンメーカーらしいスマートコックピットや電子制御技術を前面に押し出している点が特徴です。このYU7も、今年2月までの8か月間で累計販売台数は20万台に達しています。2026年の販売台数は、この2車種のみで60万~65万台に達すると見込まれます。
こうしたシャオミ製EVは、上海近郊の地方都市でも競合車種と肩を並べるほど普及が進んでいます。

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【写真1】上海近郊の地方都市・蘇州での駐車車両。シャオミ「YU7」に加え、HIMA
AITO(問界)「M7」やNIO「ET5T」も並ぶ(2025年11月 撮影Tech-T)

シャオミのEV販売方法は?

上海の大型モール内にあるシャオミショップを訪問しました。スマートフォンやデジタル家電とともに、BEV2車種が「シャオミ製品」として一体的に販売されており、スマホとEVを並べて展示・販売している点が印象的でした。

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【写真2】シャオミショップ(2025年11月 上海) スマホ等とEVを一体で展示 撮影Tech-T

シャオミ SU7に乗ってみた! こりゃ凄いゾ‼


発売から3か月となる2024年7月、日本にて試乗する機会を得ました。外形デザインもさることながら、走りも魅惑的でした。当社Tech-Tチャンネルでは動画で解説していますのでぜひご覧ください。

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【写真3】シャオミ(Xiaomi 小米)「SU7」:以下のYouTube「Tech-Tチャンネル」で解説

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インテリアや運転席まわりの様子は写真4をご覧ください。

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【写真4】シャオミ(Xiaomi 小米)「SU7」 インテリア・運転席まわり


特に印象的だったのは、歩行者や自転車、横断歩道、縁石の白線などの周囲状況をリアルタイムでダッシュボードのモニターに表示する先進的な運転支援機能です。

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【写真5】歩行者・横断歩道・自転車・縁石(白線)など、周囲の状況をリアルタイムに、ダッシュボードのモニターに表示


今回のご報告はここまでとなります。

実際にドアを分解した結果と、そこから読み取った、シャオミの開発スタンス、ビジネスモデルは次回解説します。
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⁠謝意

名古屋大学の山本真義教授には、SU7の実車調査に便宜を図っていただくとともに、ベンチマーク用のドア2枚をご提供いただきました。

また、島津製作所様にはドアトリムの構造解析のためのX線透過撮影していただきました。名古屋での調査会には複数の企業様にご参加いただきました。お礼申し上げます。
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<筆者からのお知らせ>
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⁠■ オンデマンドセミナーのご紹介
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今回ご紹介したシャオミを含めて、中国における自動車産業の大変革について解説しています。他人事ではなく、日本企業への影響も甚大と推定しています。ご興味があればぜひご覧ください。
⁠⁠【オンデマンド】IT企業が塗り替える中国EVビジネス、トヨタの"対抗"戦略
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⁠⁠⁠■ 会場型セミナーのご紹介
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ぜひご参加ください。どちらのセミナーも事例紹介や課題の共有、大歓迎です。また、参加者間の名刺交換・ネットワーキングタイムがあります。人脈が増えます!
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⁠⁠1 複合材活用拡大のためのセミナー@名古屋
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「炭素・ガラス繊維強化樹脂の活用拡大の課題(リサイクルなど)と拡大の知恵を共有する場」です。ぜひご参加ください。事例紹介や課題の共有、大歓迎です。
⁠【Tech-Tセミナー/会場型】11月24日 NAGOYA 複合材 活用拡大サミット2026 by Tech-T|
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⁠2 車載プラの最新トレンドを知るセミナー@名古屋
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「車載プラスチックの「いま」と「これから」を、現物・デモ・事例で体感!」
⁠【Tech-Tセミナー/会場型】12月22日(火) NAGOYA 車載プラスチック・サミット 2026 by Tech-T

プロフィール

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⁠高原忠良
(たかはら・ただよし) 
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⁠2020 年にTech―T設立。
⁠「現地現物」の精神で部品分解調査や、中国・東南アジア現地取材をもとに、⾃動⾞産業の将来動向まで多領域で情報発信中。
⁠プラスチックや樹脂部品生産や材料の生産・開発に携わる自動車用途プラスチックの第一人者。 
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⁠⁠1980 年、山形大学理学部卒。2008 年、山形大学理工学研究科卒(工学博士)。 
⁠⁠1980~1989 年、新日本無線(現:日清紡マイクロデバイス)。
⁠1989~2012 年、トヨタ自動車。
⁠2012~2018 年、サムスンSDIなどグローバル企業で勤務。 ⁠
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⁠⁠2017-2025年、埼玉工業大学 客員教授など産学両分野で活躍。 
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⁠セミナー・メーカー支援・中国視察ツアー・日経クロステックへの寄稿など幅広く活躍中。ホームページでも各種調査情報を元に、記事や動画を多数掲載 
⁠https://www.tech-t.jp/ 

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PlaBase編集部
PlaBase[プラベース]

これまでカタログや材料メーカー各社のホームページ内に散在していた樹脂(プラスチック)成形材料の情報をPlaBaseに集約しました。 メーカー・樹脂名・物性値など多様な検索方法によって、お客様の目的に合った樹脂成形材料のデータを探し出すことができます。