プラスチックのことならプラ博世にお任せ! POMの巻

プラ博世
「こんにちは。プラスチックを愛してやまない研究員、プラ博世です。早速だけど、プラベくんは5大エンジニアリングプラスチックって聞いたことある?」

プラべくん
「うん。エンジニアリングプラスチックの中でもよく使われているポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)、ポリエステル(PBT、PET)、変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)、ポリアセタール(POM)を指して、5大エンジニアリングプラスチックと言うんだよね。」
プラ博世
「その通り。今日はその中からポリアセタール(POM)を紹介しようと思う。」
プラべくん
「OK!」

ポリアセタール(以下、POM)の歴史


POMは、1952年にアメリカのデュポン(DuPont)によって初めて合成された素材。1956年には特許を取得。1960年になってから、デルリン(Delrin)という名前で商標登録されて製造を開始したんだ。デルリン(Delrin)はホモポリマータイプの素材なんだけど、1961年にアメリカのCelaneseがコポリマータイプを開発、製造するようになった。1962年、ポリプラスチックスが、ジュラコンという商品名で販売するようになった。そして、1968年にそのポリプラスチックスが静岡県富士工場で製造を開始。今では世界最大級のブランドとして知られている。

POMってどんな素材なの?


POMは、オキシメチレン(oxymethylene、−CH2O−)構造を単位構造に持つ重合体。ホルムアルデヒドのみが重合したホモポリマーと、ホルムアルデヒドにエチレンオキシドが加わったコポリマーの2種類がある。どちらもPOMとして使われていて、機能的には同じだけど性能は若干違う。融点はホモポリマーが175℃、コポリマーが165℃で、ホモポリマーの方が高い。結晶性が高いので、強度や耐熱性などもコポリマーより優れている。融点が10℃低いコポリマーの方は、結晶性が低いので寸法安定性に優れている。

POMの特性を教えて!


POMはプラスチックの中で最も高い耐摩耗性を持っているといわれ、高い弾性があり弾性回復性にも優れている。高温下の使用でも耐え得る機械的強度、耐衝撃性、耐クリープ性、低吸水性、耐薬品性に優れているということも長所として挙げられる。また、電気絶縁性が高いなど優れた特性を持っていて、寸法安定性があることから精密部品にも最適な素材だといえる。ただ、結晶性が高いことから透明性は無く、耐候性、難燃性、耐酸性には劣っている。接着に使う適切な接着剤がないため、接合方法としては溶接が必要だ。

POMはどんなものに使われているの?


耐摩耗性、強度に優れているPOMは、ギアやベアリング、バネの材料など機械を動かすためのパーツ類に多く使われている。身近なものには、DVDレコーダー、Blu-rayディスクレコーダーなどのAV機器、洗濯機、冷蔵庫、シェーバーなどの家電製品などがあるね。それから、プリンターや複写機などのOA機器なんかにも使われている。他には、ファスナーやクリップ、リコーダーなどの楽器類、フューエルキャップ、燃料ポンプモジュール、シートベルト機構部品や車両内装品など自動車部品にも多用される。住宅設備関連では、サッシやブラインドの部品などに使われていて、とにかくPOMはさまざまな用途で活躍している素材なんだ。

POMは扱いが難しいの!?


POMは扱いが難しい素材だと言われたりするのは、熱可塑性樹脂なのに、結晶性が高く、結晶化するのも速いなどの特性を持っているから。成形方法としては、金型を使った射出成形や押出成形などが主流となっている。ただ、熱収縮率が大きいから、金型の密着性が良くない。そのため、シボ加工などの細かい加工を施すのが難しいことから、デザイン性より機能性を重視した製品に多く使われている。しかし、POMに適した加工法はないわけでもない。切削加工やフライス加工などの機械加工、そして、レーザーで刻印や文字入れをすることもできる。成形での扱いが難しいとはいうものの、切削加工やレーザー加工などを使えばデザインを重視した製品も造ることができるってことだね。

今回のまとめ


・POMは1952年にアメリカのデュポンによって初めて合成された。

・日本では1962年にポリプラスチックスがジュラコンという商品名で販売開始。1968年には静岡県富士工場で国内製造を始める。

・POMは、オキシメチレン(oxymethylene、−CH2O−)を単位構造に持つ重合体。

・POMにはホルムアルデヒドのみが重合したホモポリマーと、ホルムアルデヒドにエチレンオキシドが加わったコポリマーの2種類があるが、ホモポリマーの方が強度や耐熱性などに優れている。

・POMはプラスチックの中で最も高い耐摩耗性を持っている。

・POMは高い弾性があり弾性回復性に優れている。

・POMは機械的強度、耐衝撃性、耐クリープ性、低吸水性、耐薬品性、電気的特性に優れているが、透明性は無く、耐候性、難燃性、耐酸性には劣っている。

・POMは、ギアやベアリング、バネの材料など機械を動かすためのパーツ類に多く使われている。

・POMの成形方法は、金型を使った射出成形や押出成形などが主流。

・POMは金型の密着性が良くないことから、シボ加工などの細かい加工を施すのは難しいが、切削加工やフライス加工などの機械加工、レーザー加工はできる。

 

前回のプラ博世とプラべ君の記事はこちら

・プラスチックのことならプラ博世にお任せ!PESの巻

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PlaBase編集部
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