配合剤にはどんなものがあるか

 重合工程で製造されたポリマーを、そのまま成形材料として使用することは少ないです。成形性や製品の使用条件を考慮して、コンパウンディング工程でポリマー(素材)にいろいろな配合剤を練り込んで成形材料(ペレット)を作ります。別表に示すように、配合剤には添加剤、着色剤、充填材などがあります。これらの中から、主な配合剤について説明します。

1.添加剤について

①酸化防止剤をなぜ添加するか 

成形時に、シリンダ内で熱と酸素の影響で熱分解して、変色や分子量低下を起こすことがあります。成形温度が高いほど、またシリンダ内の滞在時間が長いほど熱分解を起こしやすくなります。このような熱分解を防止するために酸化防止剤を添加します。酸化防止剤には熱分解を防止する一次酸化防止剤と熱分解物がさらに分解を促進することを防止する二次酸化防止剤があり、これらを併用することが多いです。また、製品を高温で長時間使用する場合にも熱分解(熱劣化)を防止するために酸化防止剤を添加します。

 

②紫外線吸収剤をなぜ添加するか

 プラスチック製品を太陽光の当たる所に放置すると、変色したり、割れやすくなります。また、蛍光灯や水銀灯の光源から発する紫外線によっても同様な現象が起こります。これはプラスチックが紫外線を吸収して紫外線エネルギーによって分解することによるものです。紫外線吸収剤は紫外線を吸収することでプラスチックが紫外線分解することを防止するものです。

 

③帯電防止剤をなぜ添加するか

 プラスチックは電気を通さないので表面に静電気が溜まり易い性質があります。そのため、埃の付着、電気ショック、放電による引火などを起こす原因になります。このような不具合を防止するため帯電防止剤を添加します。帯電防止剤は湿気を吸着しやすい性質がありますので、帯電防止剤を添加すると大気中の湿気を吸着することで製品表面の静電気をリークすることができます。

 

④難燃剤をなぜ添加するか

 ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンスルフィド、ふっ素樹脂、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトンなどのように難燃性のプラスチックもありますが、プラスチックは一般的に燃えやすいものが多いです。電子・電気製品、建材、車両、航空機などの部品では難燃性が求められますので、難燃剤を添加して難燃化します。難燃剤には次のタイプがあります。
a)燃やすと不燃性ガスが発生して酸素を希釈するタイプ
b)燃やしたときに発生する分解物が燃焼部を遮蔽して酸素を遮断するタイプc)燃やすと水分を発生して燃焼部の温度を下げるタイプ
 プラスチックの燃焼特性によって、これらのタイプの難燃剤を使い分けしています。

2.着色剤について

①着色剤の使い分けをどうするか

 プラスチックの着色には染料、無機顔料、有機顔料などの着色剤が使用されます。染料は透明着色に、無機顔料は光を遮蔽するときに、有機顔料は艶やかな色出しするときに用います。


②どのように着色するか

 染料、無機顔料、有機顔料などの着色剤を組み合わせて、指定色見本と同じ色に仕上がるように着色剤の配合処方(レシピ)を決めます。これらのレシピに基づいて着色材料を製造します。

3.充填材について

①充填材にはどんなものがあるか

 充填材には繊維強化材と充填剤があります。繊維強化材にはガラス繊維や炭素繊維があります。充填剤は細かい粒子状の物質で、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、ガラスビーズなどがあります。

 

②充填材の使い分けをどうするか

 強度や弾性率を向上させるには繊維強化材を用います。充填剤を充填しても強度や弾性率は向上しませんが、温度による寸法変化、吸水寸法変化、そりなどに関する寸法安定性は良くなります。繊維強化材と充填剤を混ぜて充填する場合もあります。

 

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PlaBase編集部
PlaBase[プラベース]

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