プラスチックのことならプラ博世にお任せ!【TPEの巻】

プラ博世
こんにちは。プラスチックを愛してやまない研究員、プラ博世です。最近、ボールペン、シャープペンシル、電動工具の握り手部分に柔かい素材が多くなってきているね。

プラべくん
あ、そうだよねー。見た目はゴムみたいだけど、あれもプラスチックなんでしょ?
プラ博世
そう、エラストマー( TPE)という素材が使われているんだ。
プラべくん
じゃあ、今回はそのエラストマー(TPE)についていろいろ知りたいな。
プラ博世
わかった、じゃあ早速紹介していこう!

エラストマー(以下、TPE)って、どんなもの?


まず、TPEという名称について説明しよう。TPEは本来、弾性を持つ高分子材料の総称、狭義では熱可塑性エラストマー(Thermoplastic Elastomers)のことを指していて、ウレタンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴムなどの熱硬化性樹脂系エラストマーと区別している。TPEは常温の時はゴムの性質、高温ではプラスチックの性質を持つ素材。ただ、分子構造はゴムやプラスチックとは違って架橋構造がない。

PlaBaseで掲載しているTPEの一覧はここから確認できるよ。

TPEの構造は、ソフトセグメントとハードセグメントの2つのポリマーで成り立っている。ソフトセグメントは弾性のあるゴム成分で、柔らかい性質を与える役割も担っている。ハードセグメントは高温で流動するが、常温では変形させないという役割がある。

TPEにはどんな特性があるの?


TPEはゴムの代替え材料として使われることも多いが、ゴムと違うのは劣化しにくい点。リサイクルが可能だということもゴムとの違いである。また、ゴムの成形には加硫工程が必要だが、TPEはそういう工程を踏まなくても弾性を持たせることができるのでコスト削減にもなる。ペレット状になっているTPEに熱を加えると柔らかくなって流動性を持つので、射出成形で簡単に成形できる。TPEには、スチレン系、ウレタン系、オレフィン系、PVC系など、いくつかの種類があり、その特性も違いがあるので、紹介していこう。

・スチレン系  軽くてより柔らかいものができる。耐低温性がある。

・ウレタン系  耐摩耗性、耐油性、低温特性に優れている。

・オレフィン系 軽くて劣化しにくい。耐熱性、耐低温性に優れている。

・PVC  傷がつきにくく耐摩耗性がある。疲労強度がよい。

・ポリエステル系 耐熱性、耐油性、耐薬品性、耐候性がよい。

 

TPEはゴムとプラスチックの中間にある素材なので、強度が高いとは言えないが、どの分野で使うかによって種類を選べるということ。

TPEはどんなものに使われているの?


TPEは身近なもので言えば、ボールペンのグリップなど文房具や、歯ブラシなどの衛生関連用品、おもちゃ、スポーツ用品などに使われている。他には、電動工具、ケーブルの被膜、配線のコネクタ、点滴のドリップチャンバーや密閉装置、医療用ホースなど、医療の分野でも使われている。

いろいろな分野で使われているTPEだが、最近は特に自動車業界での需要が拡大していて、開発にも力を入れているようだ。

自動車業界でのTPE


自動車の分野で使われているTPEの種類は様々。使用部位やコストなども考えて使い分けられている。

例えば、自動車の内装。高級感を出すために革を使うこともあるが、実際に革を使うとコストが高くなってしまう。そこで、革と同じような質感を持つスチレン系TPEを代用することで、コストを下げることが可能になった。また、物性を保ちながら、顧客が求める質感に変えることもできる。

また、アメリカのデュポン社が開発したポリエステル系TPE「ハイトレル」は、弾性があり耐熱性、耐薬品性に優れているので、エンジンルームに近い部位の部品などに使われている。また、着色性にも優れているので、外装部品としても使われている。今後は、電気自動車など次世代自動車にも使うことも検討されているそうだ。

三井化学もオレフィン系TPE「ミラストマー」を開発。ゴムのような柔軟性を持つことから、自動車の内装表皮、エアバックカバー、耐油ブーツ、シール材など、いろいろな部位に使われている。ミラストマーは軽量なので、燃費の向上も期待される。

TPEは自動車産業にとってたくさんの利点があるとも言われている為、これからもますます開発は進んでいくだろう。

今回のまとめ


・TPEは常温の時はゴムの性質、高温ではプラスチックの性質を持つ素材。構造は、ソフトセグメントとハードセグメントの二つのポリマーで成り立っている。

・ペレット状になっているTPEに熱を加えると柔らかくなって流動性を持つので、射出成形で簡単に成形できる。

・TPEはゴムの代替えとして使われるが、ゴムよりも劣化しにくい。リサイクルが可能。

・TPEには、スチレン系、ウレタン系、オレフィン系、PVC系などの種類があり、特性も若干違いがある。

・TPEは調理用品や台所用品、歯ブラシなどの衛生関連用品、おもちゃ、スポーツ用品など、様々なものに使われている。医療分野では、点滴のドリップチャンバーや密閉装置、医療用ホースなど。

・自動車は、内装、外装、部品など様々な部位でTPEが使われていて、使用部位やコストなどを考えてTPEの種類を使い分けている。自動車産業にとって利点が多いTPEの開発は、これからも進むに違いない。

 

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PlaBase編集部
PlaBase[プラベース]

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