プラスチックのことならプラ博士(仮称)にお任せ!PMMA

プラ博世
こんにちは!プラスチックナビゲーターのプラ博士(仮称)です。最近は本当にプラスチック製品が増えてきたよね。1964年から2014年の50年をみると、1,500万トンから3億1,100万トンと20倍以上へ。生産量が増えた一方で、世界中の海洋に毎年少なくとも800万トンものプラスチックゴミが流出しているんだって!

その対策として、プラスチックゴミを3Dプリンターを使ってリサイクルするロジェクト「Print Your City!」がオランダでスタートしたとか。ベンチなどの公共物に生まれ変わっているらしい。このような取り組みは、プラスチック製品の開発とともに、これからますます考えていかなければならないことだよね。

さて、今回はアクリル樹脂(PMMA)について紹介するよ。

アクリル樹脂(PMMA)はプラスチックの女王

アクリル樹脂(PMMA)は耐候性に優れているだけではなく、透明性も抜群。この透明性の高さからプラスチックの女王って言われているんだ。

アクリル樹脂(PMMA)の透明性はガラス以上。光の透過率はガラスが92%、アクリル樹脂(PMMA)は93%。その上、耐衝撃性はガラスの10倍~16倍もあって、もし割れたとしても、ガラスみたいに飛散しないというのもいいところだね。そして、雨風や紫外線に強い素材だから、長期間外で使っていても劣化しない。-40℃~60℃までの温度まで耐えられるという利点もある。

アクリル樹脂(PMMA)が使われ始めたのはいつ?

アクリル樹脂(PMMA)が使われるようになったのは、なんと80年くらい前のこと。当初はガラスのように透明なことから、有機ガラス、風防ガラスなんて呼ばれ方をしていた。擦ると独特のにおいを放つから匂いガラスとも呼ばれた。その特性と曲面加工で空気抵抗を軽減できるってことで、戦闘機のキャノピーなど、本当にいろいろな製品に使われるようになったんだ。

水族館の水槽はアクリル樹脂(PMMA)でできている!

アクリル樹脂(PMMA)の特性を最も生かしているといえば、水族館の巨大水槽。最近では水族館の水槽はアクリル樹脂(PMMA)が当たり前になってきているけど、例えば沖縄美ら海水族館にある、あの巨大水槽を見たことはある?

高さ8.2m、幅22.5m、厚さ60cmもある水槽で、柱がないのに7500トンという水圧にも耐えることができるんだって。アクリル樹脂(PMMA)7枚で60cmの厚みになっていて、それでも透明性は保ったまま。魚が泳ぐ姿がすごくきれいに見えるよね。水圧に耐えることができるということで、深海捜索船の窓などにも使われているよ。

アクリル樹脂(PMMA)を使った製品はこんなにある!

アクリル樹脂(PMMA)を使った製品は、自動車のテールランプやメータカバーやカーポート、サンルームなどいろいろ。他にも絵の具や塗料、接着剤にまで使われているんだよ。例えば、顔料とアクリル樹脂(PMMA)のエマルションを練り合わせて作られているアクリル絵の具。水彩絵の具のように変色やひび割れの心配がなく、キャンバスや板、コンクリートにも描くことができるという優れもの。

それから、みんながよく使っているかもしれないポスト・イットの接着部分は、アクリル樹脂(PMMA)のエマルションが使われているんだよ。ペタって貼っておいても剥がれない。それなのに、剥がすときは簡単に剥がれるという不思議なポスト・イット。商品開発の道のりはかなり難しかったみたいだけど、アクリル樹脂(PMMA)のエマルションだからこそできたという秘密があるみたいだよ。

ここで、もう一つのアクリルの話をしておこう。アクリル樹脂とアクリル繊維、どちらもアクリルと呼んでいるけど、実は別もの。樹脂はポリメタクリル酸メチル(透明)から作られ、繊維はポリアクリロニトリル(不透明)から作られているんだ。アクリル繊維は軽くて暖かく、発色もいいことからいろいろな衣料品に使われている。最近よく聞くヒートテックは、アクリル繊維の保温性がその効果を発揮しているんだよ。アクリルという言葉は文脈によって異なるものを指すから注意しよう。

アクリル樹脂(PMMA)はこのようにして作られる

アクリル樹脂(PMMA)は、アクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルの重合体。メタクリル酸エステルの重合開始材を入れて加熱して作られている。はじめはドロッとした粘性のある液体になって、それを混合し続けると固形化したアクリル樹脂になる。固形化したものは、ペレット状か板状のものが主流かな。

アクリル樹脂(PMMA)の特性をさらに強化するために

アクリル樹脂(PMMA)特性である耐衝撃性、耐候性をさらに強化するため、今も研究開発がさかんに行われている。そして、特定の成分を追加することによって、その用途も拡大してきているんだ。例えば、先に紹介した水族館の巨大水槽。耐久性に優れている反面、表面に傷がつきやすいという欠点があった。そこで、シリコーンなどの化合物を塗ることによって傷はつきにくくなった。

それから、自動車のドアミラーなどに使われているのはソフトアクリルと呼ばれるもの。これはアクリル樹脂(PMMA)の分子にゴム成分(IR)を加えて作られている。ゴム成分(IR)を加えることで、耐衝撃性がさらに強化されているんだ。プラスチック製の漆器を作るときなどは、このソフトアクリルを粉砕してABS樹脂の増量剤として使われていることもあるよ。

アクリル樹脂(PMMA)はいろいろな素材と掛け合わせることで、これからも用途に応じて様々な進化を果たしていくに違いない!

今回のまとめ

・アクリル樹脂(PMMA)は耐久性、透明性に優れている。

・アクリル樹脂(PMMA)の光の透過率は93%。耐衝撃性はガラスの10倍~16倍。温度は-40℃~60℃まで耐えられる。

・アクリル樹脂(PMMA)は戦闘機のキャノピーなどにも使われている。

・アクリル樹脂(PMMA)は水族館の水槽に使われている。

・絵の具、塗料、接着剤はアクリル樹脂(PMMA)のエマルションが使われている。アクリル繊維はヒートテックなどの衣料品として。

・アクリル樹脂(PMMA)は、アクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルの重合体。

・ゴム成分(IR)など他の素材と掛け合わせることでアクリル樹脂(PMMA)の特性がさらに強化される。

 

※プラ博士(仮称)について

現在PlaBaseのキャラクターを暫定的に「プラ博士(仮称)」としていますが、今後みなさまからのネーミングを公募する予定です。あらためてご案内しますので、奮ってご応募ください。

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PlaBase編集部
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