【第三角法】機械図面を読むための、基本の基【2】

第三角法って何? ――投影図について


この連載では、エンジニアの初心者さんはもちろん、エンジニアさん以外で技術の現場にかかわる方や学生さんも対象にして、機械図面(三面図)の読み取り方の最低限の基本について解説していきます。

今回は、図面に書かれた部品の大きさや寸法の読み取り方について解説します。

投影法には2つ、取りあえず第三角法


機械図面では立体形状に対して、三面図というさまざまな方向から見た図を描きます。この三面図の開き方(投影法)ですが、世の中には大きく2つあります。なお、3D CADでも投影法の選択が可能です。

なお、多くの工業部品は、二面か三面で表現ができます。機械設計者は、なるべく少ない投影図で部品を表現することに心血を注ぎます。寸法もなるべく一カ所にまとめるようにします。あちこち見るのは大変ですからね。

 

この形状で解説します。

 

第三角法


日本の工業部品の図面のほとんどが第三角法で書かれています。なお日本、米国、韓国の図面はこちらが多数派です。

【 第三角法 】

第三角法は、正面図、平面図、側面図が基本となります。正面図は、製品の特徴が一番あらわれていると考える面を選びます。

お手元にあるマウスや本、なんでもいいので手に取って眺めて「正面」を決め、向かい合ってみてください。さて、「正面」を向けたまま、前側に倒してください。人ならば、前にズデーンと転ぶイメージです。そのとき見える面が「平面」です。転んだ人ならば、脳天です。これは、正面図の上に配置します。

次にまた「正面」に戻します。さらに、「回れ右!」と 右を向かせてください。これが「右側面図」です(子どもの頃のお遊戯指導で注意された方もいると思いますが、向かい合っている人の右は、自分から見たら左です)。当然ながら、逆を向けば、「左側面図」になります。「下面」は、吉本新喜劇さながらにズコーッと後ろにコケるさまをイメージするといいでしょう。「背面」については、右側面図をさらに右を向かせる、あるいは左側面図をさらに左に向かせることで裏側を見せます。

第一角法


第一角法は、第三角法の図面と見かけは大きく変わりません。ざっくりいうと、三角法とは転がす方法は同じなのに配置が異なります。ただし、それ以外の考え方は同じです。欧州各国や中国の図面に多く見られる投影法です。歴史的には、第一角法の方が第三角法よりも先に登場しています。

今後、「あれ? なんか投影法が間違っている?」と思った場合は、第一角法で書かれている可能性を考えてみるとよいと思います。

第一角法において、まず「正面」は同じです。次に、第三角法と同じように右を向かせた「右側面図」を、正面図に対して向かって左に配置します。左側面図は、それと逆です。平面図は人でいう「脳天」でしたが、第一角法ではそれを正面図の下側に配置します。

第一角法は、人の身体よりはるかに大きなものを表現するのに便利な投影法だといわれます。日本においても建築や造船分野で使われます。例えば、船はまず横から見たデザインを確認したくなりませんか? 次に、「えっと、中のレイアウトは、どうなっているかしら」と思いますよね。そのとき、大きな図面を広げていたら、視線を下にうつすとおもいます。そこに、船内のレイアウトが書かれた平面図があるといいですよね。家などの建物も、同じふうに考えられますね。

ただし、船舶や住宅よりはるかにサイズが小さくて複雑な工業部品を表現する場合、第一角法では、第三角法と比べると、だいぶ分かりづらく感じるかもしれません。筆者自身、今でも馴染みませんし、仕事で日ごろやり取りをしている機械設計者さんたちもみんな「一角法は面倒くさい」と言っています。しかし、第一角法から入門した方は、逆のことを考えているかもしれません。

補助図


第三角法でも第一角法でも、上記の投影図の他、詳細形状の理解を助けるための断面図や拡大図を描く場合があります。

 

(次回に続く)

 

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PlaBase編集部
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