ひけ、気泡はどのように発生するか

ひけ、気泡の発生原理


ひけは成形品表面に発生する窪みです(写真1)。

【写真1  厚肉部裏面に発生したひけ】

 

気泡は成形品内部に発生する空洞です(写真2)。

【写真2  厚肉部内部に発生した気泡】

 

ひけは外観や寸法不良になります。気泡は外観不良(透明成形品)や応力集中による割れ不良になることがあります。

加熱して体積膨張した溶融樹脂を冷却すると体積収縮します。その場合、冷却速度によって体積収縮は異なります。

溶融状態からゆっくり冷却すると体積収縮は大きいですが、速く冷却すると体積収縮は小さくなる性質があります。1つの成形品中で体積収縮が大きい箇所と小さい箇所があるとひけまたは気泡が発生する原因になります。

図1に、体積収縮するときに、ひけまたは気泡が発生する原理を示します。

【図1  ひけ及び気泡発生の概念図】

キャビティ面と接する表面層は冷却速度が速いので体積収縮は小さいですが、内部(コア層)は冷却速度が遅いので体積収縮は大きいです。そのため、表面層を内部に引っ張り込もうとします。

その場合、表面層が軟らかいときは内部から引っ張り込まれるため、ひけになります。表面層が固化しているときは内部に引っ張り込めないので、気泡になります。気泡の発生直後は真空泡ですが、時間が経つと空気が透過するため、通常の気泡になります。

【図2  ランナ側への樹脂逆流によるひけ】

(ゲートシール時間>保圧時間)

また、ひけは他の原因によって発生することもあります。図2に示すようにゲートシール時間(ゲートが固化する時間)より保圧時間が短いときには、ランナー側に溶融樹脂が逆流するのでひけが発生します。

対策


1)ひけ
①厚肉部の肉盗みをします。
局部的な厚肉箇所があると、ひけが発生しやすいので、可能な限り肉盗みをして均一肉厚に設計します。
②厚肉部に保圧がよく伝わるように設計します。
ランナー径やゲート断面積を大きくしてキャビティ内に保圧がよく伝わるようにします。また、厚肉部の近くにゲートを設けます。
③成形条件では、保圧を高く、金型温度を高く、成形温度は低く設定します。
金型温度に関しては、金型温度を低くすると、表面層が速く固化して内部に気泡になることで、見かけ上はひけが発生しないことがあります。
④樹脂逆流によるひけは、ゲートシール時間より保圧時間を少し長く設定します。

2)気泡
基本的にはひけの防止対策と同じです。
ただし、気泡は、材料の予備乾燥不足や樹脂の熱分解によるガスによって発生することもあります。

その場合、気泡は成形品の内部に細かい気泡(バブル)になって分散しています。一方、気泡(ボイド)は厚肉部の内部に大きな気泡になる傾向があります。

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PlaBase編集部
PlaBase[プラベース]

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