ウェルドラインはどのように発生するか

(1)発生原理


ウェルドラインは溶融樹脂が合流するところに発生する筋状の不良現象です。写真は2カ所のゲートから流入した樹脂が合流するところにウェルドラインが発生した例です。

【写真 ウェルドラインの外観】

ウェルドラインには、図1に示す3つのタイプがあります。

【図1 ウェルドラインのタイプ】

対抗流は両側から流れてきた樹脂が合流して流動停止するタイプで、強度低下は大きいです。並走流は樹脂が合流したのちに並走して流れるタイプで、外観不良にはなりますが、強度低下は比較的小さいです。

偏流は肉厚の厚い部分を先に流れたのちに薄肉部に流れ込み最後に合流したところに発生するタイプで、強度低下は大きいです。
ウェルド部で溶融樹脂が合流する様子を図2に示します。

【図2 ウェルド部の合流状態】

ウェルド部では、次のような特徴があります。
①流動先端では噴水が湧き出すように流れるので分子は厚み方向に並び(配向)ます。
②流動先端では樹脂が冷えながら合流するので、成形品表面にはV字状の窪みが発生します。
③合流する先端の空間にはガスが封じこめられやすいので、ウェルド部近傍の表面にはガス分が付着しやすいです。

ウェルドラインが発生すると、次の不具合が生じます。
①筋状の溝が発生するので、外観が良くない。
②ウェルド部の強度は低い。
③ウェルド部近傍の表面にはガス分が付着しやすいので、塗膜やめっき膜が剥離しやすい。

(2)対策


①ゲート位置を適切に選定します。

【図3 ゲート位置とウェルド強度】

図3(a)の位置にゲートを設けるとウェルド強度は低くなります。図3(b)の位置にゲートを設けるとウェルド強度は比較的高くなります。
②ウェルド部にダミーキャビティを設けます。

【図4 ダミーキャビティ設置によるウェルド強度向上例】

図4のようにダミーキャビティ(捨てキャビティ)を設けるとウェルド強度は向上します。
③ウェルドラインが発生しないゲート方式を採用します。

【図5 ゲート方式とウェルドライン発生の有無】

図5(a)の形状の成形品に、サイドゲートを2カ所に設けるとウェルドラインが発生します。図5(b)のように、ディスクゲート方式にするとウェルドラインは発生しなくなります。
④ウェルド部にガスベントを設けます。
ウェルド部にはガスベントを設けると、ウェルド強度が向上するとともに、塗膜やメッキ膜の密着性も向上します。

sample
PlaBase編集部
PlaBase[プラベース]

これまでカタログや材料メーカー各社のホームページ内に散在していた樹脂(プラスチック)成形材料の情報をPlaBaseに集約しました。 メーカー・樹脂名・物性値など多様な検索方法によって、お客様の目的に合った樹脂成形材料のデータを探し出すことができます。