プラスチックのことならプラ博世にお任せ!PEの巻

プラ博世
こんにちは!プラスチックナビゲーターのプラ博世です。

いろいろな製品のデザインを評価する「グッドデザイン賞」って聞いたことある?国内外の企業やデザイナーが毎年参加していて、これまでの受賞作は4万件以上あるみたいだけど、その中にはプラスチック製品もたくさんあるんだよ。

2017年のグッドデザイン賞には、オールプラスチックの傘が選ばれてた。デザインもさることながら、強い風でも壊れにくい、金属を一切使っていないから錆びない、リサイクルが可能っていうのも評価されたみたいだね。

受賞したオールプラスチックの傘の生地には、ポリエチレン(PE)が使われているんだって。そこで、今回はそのポリエチレン(PE)について紹介していこうと思う。

ポリエチレン(PE)ってどんなものなの?

ポリエチレン(PE)は世界で最も生産量が多いプラスチック素材。その構造は、エチレン を重合させた至ってシンプルなもの。炭素と水素だけの高分子化合物で、高分子鎖の枝分かれの仕方によって特性が変わるんだ。

ポリエチレン(PE)の原料は安くて加工しやすいことから、シンプルなものを大量に生産することに適している。一般的なポリエチレン(PE)の耐寒性はマイナス20℃くらいまでならOK。ただ、火や熱には弱いから簡単に燃えてしまう。防水性、絶縁性、耐薬品性、耐油性には優れている。接着性はよくない。

 

ポリエチレン(PE)が使われている製品

ポリエチレン(PE)を使った製品は、すぐにでも見つけられると思う。例えば、コンビニやスーパーの袋なんかがそう。他にも、農業ハウスや産業資材用のフィルムなどのシート状のもの、バケツや食品容器などの雑貨類、灯油のポリタンク…いろいろなプラスチック製品にポリエチレン(PE)は使われている。

アメリカでは環境を配慮してポリエチレン(PE)製の食品ラップが使われているみたいだけど、日本製の食品ラップのほとんどはポリ塩化ビニリデンで作られている。

ポリエチレン(PE)の発見から開発までの歩み

ポリエチレン(PE)を発見したのはドイツの科学者、ハンズ・ペヒマン。1898年にジアゾメタンという有毒ガスの実験をしていて、偶然にポリエチレン(PE)を発見したんだとか。

それから商業利用されるようになるまではかなり時間がかかった。1930年代になってからようやく合成方法の開発が始まり、1942年にアメリカで高圧法PEと言われる低密度のポリエチレンが生産されるようになった。そして、1950年代には重合触媒の研究がさらに進み、高密度のポリエチレンが開発された。

1953年にノーベル化学賞を受賞したドイツの科学者カール・ツィーグラーが開発したチーグラー・ナッタ触媒が、ポリエチレン(PE)の商業化に大きく貢献したと言われている。そして、1976年にカミンスキーが開発したメタロセン触媒によって、分子量などのコントロールが容易になったんだ。

ポリエチレン(PE)の種類と製法

ポリエチレン(PE)製法は、基本的にエチレンの繰り返し。その分子量や重合法を変えることで、用途に合わせていろいろな種類のものを作ることができるんだ。

ポリエチレン(PE)は一般的に、低密度ポリエチレン(LDPE)と高密度ポリエチレン(HDPE)と直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)の3種類に分類されている。

低密度ポリエチレン(LDPE)は、エチレンを1000気圧以上の高圧で酸化クロム系触媒で重合させたもの。耐熱温度は70℃~90℃、電気絶縁性や耐薬品性に優れていることから、フィルムやラップなどの包装材、食品容器などに適している。

そして、1~6気圧、もしくは30~40気圧で重合させると高密度ポリエチレン(HDPE)になるんだけど、電気絶縁性は低密度ポリエチレン(LDPE)より高い。

高密度ポリエチレン(HDPE)の耐熱温度は90℃~110℃。透明性は低く、白っぽい色をしている。フィルムや袋をはじめ、バケツなどの雑貨類、灯油タンク、それから上水道パイプやガスパイプなどにも使われているよ。

直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)は乳白色半透明。フィルム成形した場合にはほぼ透明になるけど、透明度・外観は低密度ポリエチレン(LDPE)より若干劣るんだ。とはいえ耐水・耐薬品性・耐熱性およびコストパフォーマンスに優れているため、市場への浸透が進んでいるよ。食品包装などの軽包装から、米袋など比較的重量があるものを入れる重袋まで幅広い分野で製品化。量的に最も多いのはフィルムで、LLDPE需要全体のおよそ50%を占めているんだ。

また、ポリエチレン(PE)は、この3種類の他にもEVA樹脂、超高分子量ポリエチレンと呼ばれるものもある。

EVA樹脂は、エチレンと酢酸ビニルを共重合させたゴム状の素材。一般的なポリエチレン(PE)より透明性、柔軟性、対衝撃性、耐候性が高く、接着性にも優れていて着色や塗装もしやすいという利点があることから、農業用フィルムやシート、パイプ、三輪車のタイヤ、サンダルなど、いろいろな分野でEVA樹脂が使われている。

超高分子量ポリエチレンの方は、スーパーエンジニアリングプラスチックに分類されているくらいのかなり高性能の素材。つまり、機械的特性が強化されているってこと。

超高分子量ポリエチレンの分子量は、なんと100万~700万!一般的なポリエチレン(PE)の分子量が2万~30万だから、その名の通り超高分子量なんだ。だから、一般的なポリエチレン(PE)よりも強度や耐候性、耐熱性などは、はるかに優れている。

超高分子量ポリエチレンはポリカーボネートより強い?!

超高分子量ポリエチレンがどれくらいすごいかっていうと、ポリカーボネートを上回るくらいの耐衝撃性を持っていると言われている。

防水性、耐薬品性はもちろんのこと、耐摩耗性もバツグンらしい。それなのに、軽さは一般のポリエチレン(PE)と変わらない。

耐摩耗性の高さを生かして、超高分子量ポリエチレンは歯車のギアや船舶のロープなどに使われている。また医療の現場では、義肢や人工骨などにも。いろいろな分野で、超高分子量ポリエチレンは活躍しているんだね。

用途に合わせたポリエチレン(PE)の加工法

ポリエチレン(PE)を使った製品はいろいろあるけど、用途によって加工法も違っている。ポリエチレン(PE)は一般的に、射出成形、ブロー成形、押出成形、真空成形などに対応している。

射出成形は、プラスチック製品の代表的な加工法だから、みんなもよく知っていると思う。ポリエチレン(PE)を使ったバケツや容器などの雑貨も、この射出成形で大量生産されている。そして、灯油のポリタンクなどはブロー成形。ポリタンクだけではなく、実は車のガソリンタンクも高密度ポリエチレンを使って、多層ブロー成形という方法で作られているんだ。

スーパーやコンビニのポリ袋は、インフレーション成形で作られている。この成形法はブロー成形の一種で、押出機で薄く抽出したポリエチレン(PE)に空気の圧力を吹き込んで膨張させ、風船のようにローラーで巻き取るというもの。これによって、薄くて丈夫なポリ袋ができるんだよ。

今回のまとめ

・ポリエチレン(PE)は一般的に、低密度ポリエチレン(LDPE)と高密度ポリエチレン(HDPE)の2種類に分類される。

・ポリエチレン(PE)の原料は安くて加工しやすいことから大量生産に向いている。

・一般的なポリエチレン(PE)の耐寒性はマイナス20℃くらい。火や熱には弱いから簡単に燃えてしまう。防水性、絶縁性、耐薬品性、耐油性には優れている。接着性はよくない。

・ポリエチレン(PE)を使った製品は、コンビニやスーパーの袋、農業や土木用フィルムなどのシート状製品、バケツや食品容器などの雑貨類、灯油のポリタンクなどがある。

・ポリエチレン(PE)の重合触媒の研究開発が進んだことで、いろいろな種類を作ることができるようになった。

・ポリエチレン(PE)にはEVA樹脂、超高分子量ポリエチレンと呼ばれるものもある。

・EVA樹脂は、エチレンと酢酸ビニルを共重合させたゴム状の素材。透明性、柔軟性、対衝撃性、耐候性、接着性は一般のポリエチレン(PE)より優れていて、着色や塗装もしやすいという利点がある。

・超高分子量ポリエチレンはスーパーエンジニアリングプラスチックに分類されている高性能の素材。ポリカーボネート以上に強靱な特性がある。

・ポリエチレン(PE)は射出成形、ブロー成形、押出成形、真空成形などの加工法に対応。用途に合った加工法で生産される。



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PlaBase編集部
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