射出成形金型はどうやって動くの? 2プレート金型と3プレート金型
今回の記事は…
射出成形の基本について解説する本連載。今回は、射出成形機金型の構成や動作について解説する。
金型にはその構造から大きく、「2プレート金型」と「3プレート金型」2つに大別できる。2プレート金型とは「固定側型板」と「可動側型板」の2枚の主要なプレートで構成される。その基本構造と、各部品に関しては図1の通りである。
図1:2プレート金型について
2プレート金型の動きは次のようになる。
1. 金型を閉じて成形をスタート。
2. 射出成形機から樹脂が金型内に射出される。
3. 樹脂を冷却固化した後、型を開く。このとき製品は可動側に付く。
4. 突出機構により、製品を金型から引き離す。
5. 成形品を金型から取り出す。
6. 次の成形をするために型が閉じる。
7. 型が完全に閉じて初めの状態に戻る(1へ)。
2. 射出成形機から樹脂が金型内に射出される。
3. 樹脂を冷却固化した後、型を開く。このとき製品は可動側に付く。
4. 突出機構により、製品を金型から引き離す。
5. 成形品を金型から取り出す。
6. 次の成形をするために型が閉じる。
7. 型が完全に閉じて初めの状態に戻る(1へ)。
以上の動作を繰り返すことで、金型から製品を大量に成形・生産することが可能だ。
図2:2プレート金型の動き
2プレート金型に対して、ランナーストリッパープレートが加わった3枚の主要なプレートで構成された金型構造が3プレート金型である。主要な部品で2プレート金型のときにはない部品は図3のようになる。
図3:3プレート金型について
3プレート金型の動きで2プレート金型と大きく異なる点は、ランナーストリッパープレートが加わったことによって、PL部(パーティングライン:可動型板と固定型板の間)が開く前にランナーストリッパープレートが開くことである。
1. 樹脂が充填(じゅうてん)した状態
2. ランナーストリッパープレート部が開いた状態
ランナーストリッパープレート部分が開くことでランナーが取り出せる。開く量はプラーボルトによって規制される。また、このときにPL部分が開かないのはパーティングロックによるものである。
3. PL部が開いた状態
2. ランナーストリッパープレート部が開いた状態
ランナーストリッパープレート部分が開くことでランナーが取り出せる。開く量はプラーボルトによって規制される。また、このときにPL部分が開かないのはパーティングロックによるものである。
3. PL部が開いた状態
この後の動作は、2プレートと同様で、製品の突出しを行い、次の成型のために型が閉じる。
図4:3プレート金型の動作
3プレート金型は2プレート金型に比べて、以下のようなデメリットがある。
1. 金型の構造が複雑になる
2. 金型のサイズが大きくなる
3. 型費が高価になる
2. 金型のサイズが大きくなる
3. 型費が高価になる
また、メリットは以下である。
1. ランナーを自由に設定できる
2. 多品種の製品を取ることが容易になる
2. 多品種の製品を取ることが容易になる
どちらの型構造を採用するかは、その製品形状や金型に対する取り数、成形計画によって判断するのが良い。
(次回へ続く)