聞き手の行動を促すプレゼンの作り方:プレゼン力

今回の記事は…
VUCAの時代を生き抜く技術者の必須スキル、「企画力」と「プレゼン力」を学ぶ連載。第4回目は前回に引き続き、プレゼンの基礎となるストーリー作りについて紹介します。

(執筆:渋谷 雄大/MOVED 代表取締役社長)

こんなことありませんか?

・プレゼンで言いたいことがたくさんあるのにまとまらない
・聞き手がプレゼン後に行動を起こしてくれない

第3回の記事では、プレゼンは「聞き手の行動や考え方に何らかの変化を与えるための舞台」、そして「聞き手への贈り物」とお伝えしました。今回はプレゼンのコンセプトやターゲットの考え方についてお伝えいたします。

第3回に引き続き、「伝わるプレゼンの法則100」の著者、渋谷雄大(株式会社MOVED代表取締役、サイボウズ株式会社エバンジェリスト)が講師を務めます。

「誰に」「なんと言ってもらいたい?」シンプルな言葉でコンセプトを整理


突然ですが、あなたの作ったプレゼンは、「誰に」「なんと言ってもらいたい」ですか?

実は、多くの人がコンセプトを明確にせず、プレゼンを作り始めてしまっています。まずはこのシンプルなフレームワークを使って、あなたのプレゼンのコンセプトを整理しましょう。

コンセプト検討においても、第3回でお伝えした「聞き手目線」が重要になります。「自分は何が言いたいのか?」ではなく、「誰に」「なんと言ってもらいたいか」を考えることがポイントです。

例えば、自社商品に興味を持つ人に「商品やサービスを試してみたい!」と言ってほしい場合、プレゼンの内容は「自社商品によって改善できる課題」「自社商品によって描かれる未来像」「お試し方法の詳細」を盛り込むのが良いでしょう。

聞き手のことを考え尽くして聞き手を妄想する


コンセプトとなる「誰に」「なんと言ってもらいたいか」が決まったら、次は「誰に」に当てはまる聞き手、つまりターゲットがどんな人なのかを考え抜き、調べ尽くしましょう。プレゼンが独りよがりになりがちな方は、意識的に聞き手のことを考えるクセを身につけていただきたいです。コンセプト同様に、自分目線で決めつけず、聞き手のことをじっくりと考えてみましょう。

・聞き手はどんな人だろう
・日頃どんな行動や仕事をしているのだろう
・聞き手の悩みや課題はなんだろう

先ほどの「自社商品に興味を持つ人」を例に考えてみましょう。この記事では自社商品が「マーケティングに役立つWebシステム」であると仮定します。

・聞き手はどんな人だろう?→40代前半会社員、役職はマーケティング部の部長

・日頃どんな行動や仕事をしているのだろう?→新しいマーケティングのトレンドを常に意識している、数字にこだわっている

・聞き手の悩みや課題はなんだろう?→これまでのメールによるアプローチの反応が悪くなり、別のアプローチ手段を探している

ポイントは聞き手の課題だけでなく、普段の行動も合わせて考えることです。普段の行動や興味、関心が分かれば、プレゼンの中で聞き手が知りたい情報と合わせて自社商品での解決策を提示できるので、より耳に入りやすい情報となります。聞き手を深く考え抜くプロセスがプレゼンのストーリーづくりの大切な下地となりますので、試してみてください。

「ターゲットを絞りすぎると、実際の聞き手と合わなくなってしまうのでは?」という質問をよく伺います。ターゲットを絞らず、誰にでも届くような話にしてしまった場合、話す内容は浅く、当たり障りのないものになってしまいます。聞き手は「私のため」ではなく、どこかの誰かのために話しているように聞こえてしまうのです。「一番伝えたい人に行動してもらう」気持ちで考えましょう。ターゲットを細かく絞ることが、聞き手の気持ちを深く考える第一歩となります。

あなたのプレゼン、情報紹介だけになっていませんか?


プレゼンの最終目的が「知ってもらう」「理解してもらう」になってしまっていたら要注意です。理解してもらうことはプレゼンでは当然のこと。聞き手はあなたのプレゼンを聞いても、「分かりました。それで?」と置き去りにされたような気持ちになってしまいます。

第3回記事でお伝えした「相手のココロを動かす3つのポイント」を思い出してください。

1.話を聞くとワクワクする
2.行動を起こしたくなる
3.誰かに伝えたくなる

この3つに立ち返った時、あなたのプレゼンは情報紹介だけが盛り込まれた内容になっていないでしょうか? 多くのプレゼンは、商品やサービスの機能の違い、数値、データ、サービス優位性など、情報紹介に終始している傾向があります。

「情報」だけでなく「魅力的な未来像」をセットにして、聞き手が行動できるように誘導しましょう。例えば、家具製品が旧製品よりも10%の軽量化を実現した場合、「子どもでも持ち運べるほどの大きさに軽量化したことで、ダイニングのレイアウトを気分次第で変えやすくなりました」と聞き手が具体的に想像できる未来像と合わせて伝えてみてください。
魅力的かつ具体的な未来が伝わってはじめて、聞き手のココロを動かすことができるのです。

次回はストーリーを検討するためのフレームワークをお伝えします。

プロフィール

MOVED 代表取締役社長
/エバンジェリスト 
渋谷雄大(しぶや・ゆうだい)

サイボウズ株式会社のエバンジェリストとして年間150回以上の講演・セミナーを担当。2018年9月に株式会社MOVEDを創業。自身のリアルな経験を活かした伝わるプレゼンの指導を強みとしている。著書「伝わるプレゼンの法則100」

 

執筆者からお知らせ

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PlaBase編集部
PlaBase[プラベース]

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