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おもちゃ開発に立ちはだかる、ST基準とは?:おもちゃの設計とプラスチック(2)

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今回の記事は…

「安全なおもちゃ」について定める、ST基準について解説します。

(執筆:おりも みか/製造業ライター)

>>前回の記事

読者の皆さまは、「STマーク」を見たことがありますか? 日本国内で販売されている多くのおもちゃには、STマークがついています。STとは「Safety Toy」の略で、「安全なおもちゃ」のことです。STマークは「安全面について注意深く作られたおもちゃ」(日本玩具協会Webサイトより抜粋)の証なのです。この記事では、このST基準について説明いたします。

大手メーカーではSTマークはほぼ必須!

おもちゃの安全は、メーカーとして最優先事項です。STマークは、第三者機関によるST基準適合検査に合格しなければ付けられません。そのためメーカーでは確実に合格するために開発段階から綿密な検証を実施しています。

ST基準の内容とは?

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ST基準は子ども向け(15歳未満)おもちゃの安全基準です。おもちゃのパッケージには対象年齢が書かれていますが、ST基準では3歳未満と3歳以上で基準が異なり、3歳未満(乳幼児向け)はより厳しい基準となっています。

内容としては「機械的安全性」「可燃安全性」「化学的安全性」の3つの項目に分かれています。

機械的安全性とは、おもちゃの形状や強度に関する項目です。メーカーとしてはこの物理的特性が最も内容が多く、かつ難しい項目となっています。こちらは、「子どもが触れたり、遊んだりしたときに危険がないか」ということです。例えば「穴に指を突っ込む」「ひもを首に巻いてみる」「袋をかぶってみたい」など、いたずら好きな子どもがついやってしまいそうなことを想定し、該当箇所を事前に洗い出して対策しなければなりません。

更に落としたり引っ張ったりしたことで破損した際、「子どもが誤って部品を飲み込み、窒息してしまう恐れがないか」「尖った先端によって身体を傷つけてしまわないか」ということにも注意します。

ポイントとしてはあくまで安全性の基準なので、例えば、落としたことによっておもちゃが壊れてしまうこと自体ではなく、破損したことで子どもが飲み込めるほどの小さな部品や鋭利な先端などの危険が発生しないかが重視されます。たとえ変形して遊ぶことができなくなっても、危険な部位が発生しなければ検査はパスできるのです。

可燃安全性とは、燃えやすい材料が使われていないかを検査します。この項目が適用されるのは、お面や「なりきりドレス」など、子どもが「身に付ける」おもちゃや、テントや家など子どもが「中に入る」おもちゃなど限定的です。

化学的安全性」とは、おもちゃの材料に有害な物質が含まれていないかを検査します。具体的には、鉛などの重金属が含まれていないか、塩化ビニル樹脂の場合はフタル酸が含まれていないかです。これはプラスチック材料だけでなく、着色料や加飾も検査対象です。つまり全ての成型色や塗装色、表面加工について検査が必要になります。

ST基準は常にブラッシュアップが行われている

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おもちゃ業界では常に、「新しい種類」「新しい材料」「新しい遊び方」のおもちゃが発売されます。例えば、新素材を採用したもの、スマートフォンのアプリを利用したものなど、発売当時では基準が追い付いていないためにSTマーク取得を見送ることもあります。

また悲しいことに、おもちゃによる事故も発生しています。こういった情報を日本のみならず世界中から集め、ST基準の改訂が行われています。メーカーでは定期的に事故事例や新製品情報のフィードバックを行う勉強会が行われ、おもちゃで「より安全に遊べる」よう、常に情報を共有しています。

ST基準はおもちゃを開発する上では、必要最低限のラインです。おもちゃメーカーは商品に付加価値を付けるため、より厳しい独自の品質基準を設定しています。売れるおもちゃには面白い遊び、美しい外観、そして子どもが扱っても壊れない丈夫さが必要なのです。

次回は、これらの品質基準を踏まえて、おもちゃ開発にとってどのような材料が求められているのかをお教えしましょう。(次回に続く)

プロフィール


⁠おりも みか  新卒入社した玩具製造メーカーにて品質・生産技術担当として日本国内・中国工場での新規ライン立ち上げを経験。玩具、アミューズメント機器、医療機器、健康雑貨など主にプラスチック製品の開発・製造に携わる。結婚を機に退職し、現在は育児の傍ら製造業ライターとして活動中。

Twitter ID;@jilljean0506


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PlaBase編集部
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