仕事は1人で抱え込まず、先輩や上長にすぐ相談する:クレーム対応のキホン(2)

今回の記事は…
品質管理におけるクレーム対応について解説する連載。今回は、クレーム発生時の具体的な事例を示しながら、問題点や改善方法を考えていきます。

(執筆:さきやま ゆうこう/製造業ライター)

前回の記事ではクレーム発生時の対応方法について説明しました。これでクレーム発生時の対応について大枠では理解が深まったと思いますがまだ、よく分からないという方もいるかもしれません。そこで今回はクレーム発生時の具体的な事例を示して、問題点と対応方法について述べていきます。この記事を読めば、クレーム対応についてさらに理解を深められると思います。

具体的事例

あるメーカーで入社3年目になるAさんは品質保証部門で働いています。最近になって先輩から引き継ぎを行い数社のメーカーを担当することになりました。基本的な作業は分かるようになっていましたが、分からないことは都度先輩に確認しながら仕事を進めていました。

ある日のこと、朝から会議続きで、その上F社から依頼されていた本日締め切りの資料も完成させなければならず、Aさんはいつもよりあわてながら業務をしていました。

午後に打ち合わせが一区切りして席に戻ったところ、メーカーG社から、「不具合が出たので、今日の17時までに回答がほしい」とメールが。この件の回答資料を急きょ用意しなければならなくなりました。しかしAさんだけでは判断できず、先輩Bさんへの確認が必要でした。急ぎの案件だということは理解していたものの、その時、Bさんが打ち合わせで離籍していたため、G社の対応についてはBさんが席に戻るまで保留して、F社の資料作成から進めることにしました。

F社の資料は、「すぐできる」と思っていたものの、予想以上に時間がかかってしまい、17時を超えてようやく完成しました。つい資料作成に夢中になってしまい、AさんはG社の対応のことをすっかり忘れて帰宅してしまいました。

次の日の朝、Aさんが出社すると、G社から「17時までにお願いしたのになぜ、回答が来ないのか?」と怒りの電話とメールが入っていました。すぐに上長へ報告してメーカーG用の資料を作成しましたが、「対応が悪いので今後の新製品の採用は控えるように社内へ周知します」と言われてしまいました。

問題点と改善方法

今回の事例では、「メーカーG社からの依頼に対して期限内までに回答できなかった」ということが問題になります。Aさんの対応を振り返りながら、どのように対応すればよかったのかを考えていきましょう。

問題点

今回の事例の問題点としては以下の2つになります。

・急な仕事が入ったことで当日に提出する資料がF社とG社の2件になり、適切な優先順位が付けられないまま作業を進め、結果としてG社が提示してきた期限が守れなかった
・仕事の相談をできる人が先輩Bさんしかいなかった

次に、これらの問題についてどのように改善をすれば良いか考えていきます。

改善方法

今回の事例では急ぎの案件だったにもかかわらず、期限内に報告ができなかったことが問題となります。
急ぎの案件が入った場合は、自分だけで判断するのではなく、先輩もしくは役職者に相談して優先順位を決める必要があります。今回は先輩が忙しくて話ができませんでしたが、その上の役職者に情報を入れておけば状況は変わったかもしれません。

G社は「今日の17時」と時間まで指定してきていました。そのためG社は最優先で対応し、F社の件は別の人に対応してもらう、もしくはお客さまへ連絡して納期の延長を依頼してみる、といったことも手段として考えられます。お客さまの依頼状況によって臨機応変に対応することが大切になるわけです。

仕事は1人でため込まず、問題が起きたら先輩や役職者へ速やかに相談して、適切な指示を受けて業務を遂行しましょう。(次回へ続く)


プロフィール

さきやま ゆうこう

車載向け電子部品の品質保証業務に10年以上従事。現品調査報告書作成や製造現場の工程改善などを経験する。製造現場で発生している事柄、問題点を分かりやすく書くことを心掛けている。
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PlaBase編集部
PlaBase[プラベース]

これまでカタログや材料メーカー各社のホームページ内に散在していた樹脂(プラスチック)成形材料の情報をPlaBaseに集約しました。 メーカー・樹脂名・物性値など多様な検索方法によって、お客様の目的に合った樹脂成形材料のデータを探し出すことができます。