「第3回 名古屋オートモーティブワールド2020」オンライン展示会レポ(前編)

この記事では…
2020年10月に開催された「第3回 名古屋オートモーティブワールド 2020」に出展していた企業の製品の数々を、プラスチックの技術動向・産業動向に明るい安田 武夫氏が紹介(前編)。
(執筆:執筆:安田 武夫/安田ポリマーリサーチ研究所)

2020年10月21~23日3日間、 ポートメッセなごやで「第3回 名古屋オートモーティブワールド 2020」が開催された。当時も、新型コロナウイルス感染拡大問題への注意が必要な状況での開催であったため、直接会場へ出向かずに、オンライン展示会に参加。出展内容が優れていた会社に筆者が連絡を取り、記事掲載の了解が得られた内容だけ紹介するようにした。

ユニチカ


ユニチカは、各種PA(ポリアミド:PA6各種グレード、PA10Tなど)、PAR(ポリアリレート:無塗装ピアノブラック対応グレード、高周波基板用グレードなど)を展示した。

T-200

写真1 レンズ部品(PARリフロー対応グレード「T-200」)

「T-200」は、独自材料のPARの高耐熱化を図り、世界最高(同社)レベルの耐熱性(最高265℃のガラス転移温度)と透明性を両立したグレードである。光通信や赤外センサーなどで用いられる近赤外波長域の透過率が90%以上(厚みは1mm)と非常に高く、かつ一般的な射出成形が可能なことから、リフローはんだが要求されるような、さまざまな光デバイスへの応用が可能である。

図1は、同社製品説明資料からの抜粋である。

図1 Uポリマー「Tシリーズ」 製品案内からの抜粋(出典:ユニチカ)

また、ユニチカはPAにおける「導電タイプ」および「絶縁タイプ」を提供する(写真2)。

PA放熱グレード

写真2 PA放熱グレード

高熱伝導率と成形加工性を両立した幅広い耐熱性の製品群を構築する。導電タイプの特長は、以下である。

・「世界最高」(同社)の熱伝導率50W/(m・K)を実現
・放熱性と電磁波シールド性の両立
・優れた成形加工性

 

絶縁タイプの特長は、以下である。

・絶縁系にも優れた放熱性能を実現
・最大15W/(m・K)の熱伝導率の付与可能

 

図2は、同社製品説明資料からの抜粋である。

図2 ナイロン 放熱グレード 製品案内からの抜粋(出典:ユニチカ)

ホッティポリマー


ホッティポリマーは、チューブなどの押出成形品、3Dプリンタおよび関連資材などを展示した(写真3)。

写真3 3Dプリンタ用HPフィラメント スーパーフレキシブルタイプ(出典:ホッティポリマー)

今回は、汎用のFDM(熱溶解積層)方式3Dプリンタで使用できる軟質フィラメント「HPフィラメント」を紹介。HPフィラメントはポリ乳酸とエラストマーの独自配合により作成された軟質フィラメントである。軟質でありながらフィラメント化の時点では、硬質フィラメントに近く剛性が高く、芯(しん)があり、縦方向には伸びないため、FDM方式の3Dプリンタのフィラメントとして最適である。

FDM方式3Dプリンタで、このフィラメントを用いれば、柔軟性と精度の高い成型物の安定した造形が可能である。使用に際しては特定のメーカーや機種に縛られず、現在市場で出回っている一般的なFDM方式3Dプリンタで使用できる。

図3は、同社製品説明資料からの抜粋である。

図3 HPフィラメント製品案内からの抜粋(出典:ホッティポリマー)

戸田工業


戸田工業は、フェライトなどのコンパウンド、EV(電気自動車)などに用いるフレキシブルMn-Znフェライトプレートなどを展示した(写真4)。

写真4 射出成型用ボンド磁石材料(フェライト/希土類)(出典:戸田工業)

同社は、射出成形向けの樹脂(PA12、PA6、PPS、SEBSなど)と磁性粉末(フェライト/希土類)を複合化した材料を紹介していた。等方性と異方性の磁石材料を取りそろえ、多種多様な用途に使用可能である。

主な特徴は以下である。

・優れた加工性、
・複雑な着磁にも対応
・一体成形によるコストダウン

 

用途については以下としている。

・自動車用モーター、各種センサー部品
・家電用モーター・センサー部品など

 

図4は、同社製品説明資料からの抜粋である。

図4 射出成型用ボンド磁石材料製品案内からの抜粋:特徴や製品の特性など(出典:戸田工業)

次回も引き続き、第3回 名古屋オートモーティブワールド 2020の出展企業の製品について、いくつか紹介する。(次回へ続く)

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PlaBase編集部
PlaBase[プラベース]

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