電気自動車のTMS部品 で発揮する、PPSの進化形「Xytron G4080HR」の実力:PR

自動車業界では電気自動車(EV)の進化に伴い、サーマルマネジメントシステム(以下、「TMS」)用のイノベーティブな材料ソリューションへのニーズが高まっています。TMSを用いてコンポーネントの動作温度を一定の範囲内に維持することで、最適なエネルギー効率や耐用年数の長期化を実現します。

エンジニアがTMSコンポーネント用のプラスチック材料を選択する際には、さまざまな側面からの検討が必要になります。熱への暴露時間や材料の温度だけでなく、冷却液(水グリコール混合液)による耐加水分解性も考慮する必要があります。電気自動車におけるTMS用途の材料は、決められた温度帯の中で、冷却液への長時間暴露に耐える必要があります。また電気自動車のTMSの運転時間は、内燃機関(ICE)自動車の場合と比較すると非常に長くなる上に、バッテリーの温度変化を常に狭い範囲内に収めるように管理しなければなりません。このような管理は、充電中や極寒での駐車中など、自動車を運転していない場合にも必要です。

冷却液暴露時間の増加とプラスチック材料の選定における課題


電気自動車を寒冷な気候下で運転する時、TMSは車両が停止している間もバッテリーを暖めておく必要があります。従って、ICE自動車と比べて、水グリコール冷却液への暴露時間が大幅に増加することになります。冷却液暴露に耐えるためのTMS稼働時間は、ICE自動車の場合、TMSは1000~3000時間のであるのに対し、完全な電気自動車の場合では6000~10000時間にも及びます。

このような冷却液による影響は、多くの材料の特性を劇的に悪化させる原因となります。電気自動車で、ポリアミド66(PA66)、長鎖ポリアミド(LCPA)、およびポリフタラミド(PPA)といった多くの産業用プラスチック材料を採用する場合において、長期エージング後も材料特性を維持するために冷却液の暴露時間を短くせざるを得ませんでした。

ポリフェニレンサルファイド(以下、「PPS」)樹脂は、長期の冷却液暴露によるエージング後でも材料特性をかなり良好に維持できるため、EVのTMS用途に適しています。PPSは本質的にポリアミドとは異なる構造を持っており、その安定的な分子構造はチオエーテル結合に基づき、ベンゼン環により硫酸にも耐えられます。つまり、PPSは耐薬品性に優れ、かつ長期の耐加水分解性を持つ、より強固な材料であるということです。DSM「Xytron」ファミリーのPPSグレードは、特に、耐加水分解性、耐薬品性、ピーク温度性能に優れています。

PPSにおける材料性能について


図1は、さまざまな温度および暴露時間での材料の性能を示しています。

 

図1:各プラスチック材料の性能と暴露温度、暴露時間

図1:各プラスチック材料の性能と暴露温度、暴露時間

図1の紫色の線は、暴露温度の上昇に伴い、対応可能な材料が変化することを示しており、黄色い線は、暴露時間が長期にわたることにつれて、対応可能な材料が変化することを示しています。そのことから、PPSが高温・長期耐熱性に優れた材料であることが分かります。

PPSはここまで進化した――Xytron G4080HR


強化PPSグレードについては、冷却液に暴露される時のガラス繊維と樹脂間の接合界面が、耐加水分解性能に大きく左右されます。DSM「Xytron G4080HR」は独自技術を用いて、ガラス繊維とPPS樹脂間の強力な接合を生み出し、耐加水分解性を向上させることが可能です。図2は、原子間力顕微鏡を用いて、Xytron G4080HRと一般のPPSグレードそれぞれの界面を観察して比較した結果です。

図2:冷却液の暴露時間ごとで、Xytron G4080HRと一般のPPSグレードの界面を比較

図2:冷却液の暴露時間ごとで、Xytron G4080HRと一般のPPSグレードの界面を比較

3000時間、135°Cの水グリコール冷却液によるエージング後、一般のPPSグレードの場合では比較対象が層間剥離を示したのに対し、Xytron G4080HRは、層間剥離(はくり)が見られず、非常に強い接合を維持していることが分かります。

Xytronのイノベーティブな技術により、エージング後の引張強度および破断伸度(EAB)において優れた保持力を示します(図3)。特にウェルドにおける強度保持においては顕著です(図4)。

図3 :エージング後の引張強度および破断伸度(EAB)の変化

図3 :エージング後の引張強度および破断伸度(EAB)の変化

図4:ウェルドラインにおける、エージング後の引張強度および破断伸度(EAB)の変化

図4:ウェルドラインにおける、エージング後の引張強度および破断伸度(EAB)の変化

電気自動車のTMSコンポーネントを設計する際にDSMのXytron G4080HRを用いれば、エージング後でも低下しづらいウェルド強度と、長期におよぶ耐加水分解性を活かして、より自由度が高いデザインや、高い性能の実現が可能となるでしょう。

DSM XytronTM (PPSについて)


DSM は、2015年に、中国においてPPSをベースとする高機能樹脂コンパウンド事業と市場開発事業を手掛ける合弁会社を設立しました。同合弁会社が製造するPPSコンパウンド製品は、「Xytron™ PPS」ブランドとして、自動車業界や電子・電機業界を中心に、DSMのマーケティング・セールス部門が中国を含めてグローバルに販売活動を行っています。

なお、今回の記事にてご紹介した「Xytron G4080HR」のデータはPlaBaseにも収録しております。

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※当記事に掲載されている「Xytron™」は、Koninklijke DSM N.V.およびその関連会社の登録商標です。

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PlaBase編集部
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