「関西 サステナブルマテリアル展」で見たバイオプラスチックのいろいろ(前編)

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2021年6月に開催した、材料・加工技術の総合展「第9回 関西 高機能素材Week」のうち、生分解性プラスチックやバイオマスプラスチックなどがテーマの「第1回 関西 サステナブルマテリアル展」の出展内容を紹介する。(前編)

(執筆:松永弥生/ライター)

 

2021年6月23~25日の3日間、材料・加工技術の総合展である「第9回 関西 高機能素材Week」が開催された(主催:リード エグジビション ジャパン)。出展218社、来場者数1万6286人だった。今回は、その中の「第1回 関西 サステナブルマテリアル展」の出展ブースをレポートする。

サステナブルマテリアル展で出展された「バイオプラスチック」とは

第1回 関西 サステナブルマテリアル展は、生分解性プラスチックやバイオマスプラスチックだけでなく、リサイクル材料やサーキュラーエコノミーとしての資源や材料が並ぶサステナブルマテリアルの総合展だ。

バイオプラスチック(※1)の開発は1980年代から行われてきたが、コストや特性に課題があり普及しなかった。しかし、この数年プラゴミに対する批判、特に海洋ゴミに占めるプラゴミの割合やマイクロプラスチック汚染に対する批判の声が世界中であがっている。他にも地球温暖化や生態系保全、資源枯渇といった産業による地球規模の環境問題への関心が高まっており、化石資源からバイオマス資源への移行が進んできている。

日本でも環境省が、持続可能なバイオプラスチックの導入を目指した「バイオプラスチック導入ロードマップ」を令和3年(2021年)1月に策定した。そうした業界背景もあり、第1回サステナブルマテリアル展の各ブースには、多くの来場者があった。

※1) バイオプラスチックは、微生物の働きで分解する「生分解性プラスチック」(グリーンプラ)と再生可能なバイオマスを原料とする「バイオマスプラスチック」の総称。

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日本発!お米のバイオマスプラスチック「RiceResin」

バイオマスレジンホールディングとコバオリが共同出展するブースでは、日本で開発されたRiceResin(ライスレジン)が展示されていた。名前の通り米が原材料のバイオマスプラスチックだ。最近、テレビ番組の取材を受けたこともあり注目を集めていた。

原材料の米は、食用に適さない古米や精米メーカーで発生する破砕米、くず米など、従来は飼料にも使用されずに破棄されていたものだ。プラスチックとしてアップサイクルし、環境に寄与するという。

ブースには、お米のプラスチックでできた積み木や、レジ袋、カトラリー、しゃもじやお猪口などが展示されていた。ライスレジンを30%含有したレジ袋は、2020年夏より全国の郵便局で販売されている。使用目的にもよるが、最大70%まで米の含有が可能だ。

プラスチックの原料と白米そのものを成形機に投入し、中で熱が加わり白米が餅のようになって樹脂と混ざるという。米を粉砕して粉末にするためのエネルギーや時間は不要とのことだ。

現在、福島県浪江町において耕作放棄地で「食べられない米」を作っているという。ライスレジンを製造する工場も併設し、米作りから原料生産まで一貫で行う予定だ。地域の活性化および新規雇用促進も目指す。

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お米のプラスチックでつくられたしゃもじ。しゃもじの下に敷かれているのが、ライスレジン。

“着られる“バイオプラスチック「PlaX Fiber」

Bioworksのブースには、「PlaX Fiber(プラックスファイバー)」を活用した衣料品が多数展示されていた。

トウモロコシやサトウキビを原料とする植物由来かつ生分解性素材のポリ乳酸樹脂(PLA)は、20~30年前からあり、2000~2005年まで一時的なブームになっていた。しかし、当時の技術では耐熱性や柔軟性などに課題があり用途が限られていた。

ポリ乳酸樹脂にBioworksが独自開発した植物由来の添加剤を加えて、課題をクリアしたのがPlaXだ。PlaXは、ポリ乳酸樹脂と比較すると、耐熱性が高く、柔軟性に優れ、割れにくい。抗菌性、弱酸性などの機能に加え、従来では難しかった染色性や耐久性を高めることに成功したという。

柔軟性が向上したため繊維にも応用が進み、PlaX Fiberも生まれた。単独での使用だけでなく、異素材と組み合わせて幅広い用途での活用が可能だ。例えば、コットンにPlaX Fiberを掛け合わせ、コットンならではの肌触りの良さ、風合いを生かしつつ、PlaXの機能を加えることが可能になるという。今後は、100%植物由来素材として、石油由来素材であるポリエステル、ナイロンの代替活用を目指しているとのことだ。

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「PlaX Fiber(プラックスファイバー)」を活用した衣料

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PLAとPLaXのスペック比較

廃棄物を資源として有効活用。卵殻配合バイオマス素材「ReseamST-E」

商社機能とメーカー機能を併せ持つプラスチックの総合企業「コバヤシ」は、成型メーカーとして納豆の容器をはじめさまざまな容器や流通資材を作っている。同社では、10数年前からバイオマス材料を扱ってきたという。

工業用トウモロコシのデンプンを使用した「ReseamST(レジームST)」は、従来の汎用プラスチック同様に、インジェクション成形やブロー成形に対応。シート成形品は、簡単に潰したり破いたりして、手で丸めて捨てられるため、ゴミの減容化に貢献できるとしている。

原料の配合から成形まで国内の自社工場で対応しているため、ユーザーが希望する物性やバイオマス度に合わせて配合コントロールできるのが強味だ。また、各成形メーカーには、射出成形品向けのペレットの提供もしている。

新製品の「ReseamST-E」は、卵殻を汎用樹脂に配合している。日本の鶏卵消費量は年間で約270万トン。破棄される卵殻は年間約27万トンになるという。産業廃棄物を資源として有効活用し、環境への貢献を果たす。

ReseamST-Eは炭酸カルシウムが主原料なので、Reseam-STより硬度が出るという。バイオマス材料は50%以上の配合が可能。成形後も吸湿しにくく、シート成形品で製作する嵌合容器にも対応可能だ。

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左:ReseamST 右:ReseamST-E

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ReseamSTは柔らかいため、手で潰して捨てられる

次回も引き続き、「第1回 関西 サステナブルマテリアル展」のレポートをお届けします。(次回へ続く)

プロフィール

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松永弥生(まつなが・やよい)
⁠⁠関西を中心に活躍するフリーライター。2000年からロボコン観戦を始め、三月兎のハンドル名でイベントレポートや動画で情報発信を開始。編集部からの依頼でライターデビュー。以来、ロボットや製造業関連ニュースをメディアに発信してきた。得意分野は、ロボットと製造業。モノづくりが大好き。文章講座やプレスリリース講座の講師としても活動中。


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PlaBase編集部
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