プラスチックのことならプラ博士(仮称)にお任せ!ナイロン(ポリアミド)

プラ博世
こんにちは。プラスチックを愛してやまない研究員、プラ博世です。今回もよろしく。さて、プラベくん、最近は合成繊維を使った衣類がどんどん増えているよね。
プラべくん
生産性が高くて、値段も安いからかもね。そういえば、これまでもアクリル繊維や、フリースに使われているポリエチレンテレフタレート(PET)などを紹介したことがあったよね
プラ博世
そうだったね。その他にもポリエステルやポリウレタン、ナイロンなど、衣類に使われている素材はいろいろあるよ。
プラべくん
ナイロンは80年くらい前に開発されたんでしょ?女性のストッキングに使われ始めた…
プラ博世
さすがプラベくん、よく知っているね。正式にはポリアミドっていうんだ。
プラべくん
じゃあ、今日はそのナイロンについて、いってみようよ
プラ博世
OK。

 

ナイロン(ポリアミド)ってどんな素材?

 

ポリアミド(PA)はアミド結合によってモノマーが連なっている線状の高分子のこと。脂肪族、芳香族、脂環式ポリアミドに分類されていて、石油ら生成されるε-カプロラクタムというアミド分子を重合して造られている。

ポリアミドがなぜナイロンって呼ばれるようになったかというと、1939年にアメリカのデュポン社が初めてポリアミドを使った「ナイロン6,6」という合成繊維を発売。女性のストッキングに使われ始めた。

「蜘蛛の糸より細く、絹よりも美しく、鋼鉄より強い」って言われた「ナイロン6,6」の名前があまりにも広く知れ渡ったことから、今ではナイロンがポリアミドの総称みたいになっている。

この「ナイロン6,6」の数字が表しているのは、ナイロンを造る時に使われる原料の炭素原子の数。他にも「ナイロン6」「ナイロン11」「ナイロン12」などがある。それぞれに優れた特性があり、それをさらに強化したアラミドというポリアミドも存在する。

ナイロンには優れた機械的特性があり、加工がしやすいことから、今では合成繊維としてだけではなく様々な分野で使われるようになっている。

 

ナイロン(ポリアミド)の種類はいろいろ

 

合成繊維として一般的に使われているポリアミドは、脂肪族と言われるもの。現在商品化されているものは、デュポン社が初めて発売した「ナイロン6,6」と「ナイロン6」が主に使われている。

「ナイロン6,6」と「ナイロン6」は、アミド基の配列順序が違うだけ。「ナイロン6」はドイツのBASFが最初に工業化したものだけど、こっちの方が染色性に優れている。

他にも、ナイロンの種類はたくさんある。例えば「ナイロン11」「ナイロン12」は、「ナイロン6,6」や「ナイロン6」よりさら耐久性、耐寒性、耐衝撃性に優れていて、自動車産業の分野などで使われている。

ナイロンは、いろいろな種類のアミドを重合することで違う種類のものを造ることができるんだけど、ナイロン以上に強靭なアラミドという種類もある。

アラミドはナイロンの強度や耐熱性をさらに高めた素材。全芳香族ポリアミドとも言われていて、パラ系アラミドとメタ系アラミドの2種類に分類されている。

 

ナイロン(ポリアミド)のここがすごい!

 

ナイロンは、一般的に強靭で引っ張り強度、耐衝撃性、耐熱性に優れている。融点は、「ナイロン6」が225℃、「ナイロン6,6」だと265℃。かなりの高温や低温でも使うことができる。「ナイロン11」「ナイロン12」はこれよりも融点が低く、吸水性も低い。

ナイロンの耐摩擦性は綿の10倍くらい。表面が固いから摩耗しにくいんだ。また、耐油性や耐薬品性にも優れていて、酸に対する強度は綿の100倍もある。

アラミドの特性としては、引っ張り強度が鋼鉄の5倍もある。ハサミで切ることができないほどの強度と、摩擦性にも優れている。アラミドの融点は320℃で、耐熱性がさらに強化される。

 

拡大するナイロン(ポリアミド)の用途

 

糸になっていないナイロンプラスチックと呼ばれるものは、エンジニアリングプラスチックの代表格なんだよ。最も多く使われているのは自動車産業。例えば、車のエンジンカバーやマニホールド、シートベルト、アクセルのペダルなどに使われている。

車以外では、電子機器のパーツ、釣り糸やギターの弦、歯ブラシ、食品用フィルムなど、あらゆる分野で活躍している素材なんだ。

「ナイロン11」と「ナイロン12」は「ナイロン6,6」「ナイロン6」に比べ耐寒衝撃性に優れていて形状変化しにくいことから、自動車用や航空宇宙産業で使われている。

パラ系アラミドは、光ファイバーケーブルや、防弾チョッキ、ヘルメットなど軍事用に。建築分野でも、発癌性が問題となったアスベストやスチールワイヤーの代替えとして使われている。

また、メタ系アラミドは、耐熱性、防炎性を高めた特殊素材。消防服や宇宙服などの素材になっている。

 

ナイロンとポリエチレンの組み合わせ

 

食品用の真空パックはみんなの家にもあると思うけど、これってナイロンとポリエチレンのラミネートフィルムなんだ。袋の外側はナイロン、内側がポリエチレンという組み合わせでできている。

ナイロンはポリエチレンより酸素透過性が低いので、中味の酸化防止に役立つ。ポリエチレンの方はナイロンと比べて防湿に優れている。融点は80~100℃と低いことから熱加工性が良く、ヒートシールに適している。

つまり、ナイロンとポリエチレンのラミネートフィルムは、お互いの長所を生かしながら短所も補い合っているという優れもの。食品用だけではなく、防湿・酸化防止が必要とされる電子部品の包装用としても使われていたりする。

プラスチック素材って、本当に奥が深いんだね…。

 

今回のまとめ

 

・ナイロンは、ポリアミドの総称。デュポン社がポリアミドを使った「ナイロン6,6」という合成繊維を発売し、その名前があまりにも広く知れ渡ったことから、ナイロンと呼ばれるようになった。

・ナイロンは、アミド分子など様々な種類のアミドを重合することで違う種類のものを造ることができる。「ナイロン6,6」「ナイロン6」「ナイロン11」「ナイロン12」の他、パラ系アラミド、メタ系アラミドなどがある。

・「ナイロン6,6」「ナイロン6」は合成繊維として知られているが、最も多く使われているのは自動車産業。他にも電子機器のパーツ、釣り糸やギターの弦、歯ブラシ、食品用フィルムなど、あらゆる分野で活躍中。

・「ナイロン11」「ナイロン12」は耐寒衝撃性に優れていて形状変化しにくいことから、自動車用、航空宇宙産業で使われている。

・パラ系アラミドは、光ファイバーケーブルや軍事用、建築分野でも使われている。

・耐熱性、防炎性の高いメタ系アラミドは、消防服や宇宙服に使われている。

・食品用の真空パックは、袋の外側はナイロン、内側がポリエチレンから構成されるラミネートフィルム。この組み合わせで、防湿・酸化防止効果が高められている

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PlaBase編集部
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