プラスチックのことならプラ博世にお任せ!pps樹脂の巻

プラ博世
プラ博世「こんにちは。プラスチックを愛してやまない研究員、プラ博世です。硬いものから柔らかいものまで、いろいろな製品を作り出すことができるプラスチック。まだまだ、いろいろな素材があるね。」
プラべくん
プラベくん「うんうん。例えば車一台に使われているプラスチック素材…エンプラも、一つや二つじゃないもんね。」
プラ博世
プラ博世「エンプラの中でも、特に優れているものはスーパーエンプラって呼ばれているけど、今需要が拡大しているものに、ポリフェニレンスルフィド(PPS)という素材があるね。」
プラべくん
プラベくん「じゃあ、今日はそのPPSについて紹介してみようか?」
プラ博世
プラ博世「そうだね。早速いってみよう!」

ポリフェニレンスルフィド(PPS)ってどんなものなの?


PPSは、フェニル基(ベンゼン環)とイオウ(S)が交互に結合してできている。直鎖構造なんだけど、製法にはフィリップス・ペトローリアム法、Macallum法、ダウ・ケミカル法がある。

フィリップス・ペトローリアム法は、アメリカのフィリップス・ペトローリアムが開発し特許を取得。工業化されたことで一般的に用いられるようになった。製法としては、p-ジクロロベンゼンと硫化ナトリウム(硫化ソーダ)を極性溶媒中にて、200~290℃の高温高圧下で重縮合反応させるというもの。

 

 

ポリフェニレンスルフィド(PPS)の種類


PPSには架橋型と直鎖型と呼ばれるものがある。

架橋型はポリマーを製造する工程の中で、酸素存在下で熱処理をする。熱処理をする時にポリマー分子の間に酸素を有することで分子量を必要な水準に高めることができ、高温の中でも剛性を保つことができる素材ができあがる。

直鎖型の方は熱処理しないので、ポリマー分子の中には架橋構造は含まれていない。だから、架橋型に比べ剛性は低い。ただ、靭性や伸びは架橋型より高いという特長を持っていて、ポリマーの純度が高いため耐吸湿性、寸法安定性、電気絶縁性は高い。

 

 

ポリフェニレンスルフィド(PPS)の特性とは?


一般的なPPSの特性として挙げられるのは、強度や剛性が高いということ。耐摩擦性にも優れているけど、靭性は劣っている。PPSは耐熱性、高温特性、耐薬品性などにも優れていて、耐熱性に関しては、高温の中でも機械的物性の低下はなく長時間使うことが可能。

それから、酸素指数が47もあって、炎に当たった時に表面が炭化して内部を保護する変化が起きるため、高い難燃性を有している。耐薬品性は、200℃以下でPPSを溶かす油脂や溶液はないとされている。このため、いろいろな接着剤との接着性には劣っている。

成形収縮率が低いので精密な成形もできるが、成形時には樹脂や金型の温度設定などの、成形条件を注意深く設定する必要がある。アメリカでは、食品機器厨房用品などの使用を許可しているが、これは食品安全性も高いということだ。

 

 

ポリフェニレンスルフィド(PPS)はいつから使われるようになったの?


PPSは、1888年にその存在は確認されていたんだけど、研究が進められたのは20世紀半ばくらいになってから。アメリカのフィリップス・ペトローリアムによって量産されるようになったのは1973年。

フィリップス・ペトローリアムが取得した特許が1984年に失効し、たくさんの企業が参入するようになると一気に開発が進み、日本でも普及するようになったんだ。

 

 

ポリフェニレンスルフィド(PPS)って何に使われているの?


PPSが多く使われているのは車の部品。10年前に車に使われていたPPSは市場の30%くらい。現在は50~60%と需要が拡大している。車の部品は、200℃での耐熱を10万~15万時間求められる。

PPSは長時間の耐熱性があり、耐薬品性も高いことから、これまでの金属部品やフェノール樹脂、ナイロン系素材の代わりとして使われ始めているんだ。ガソリン車のPPS使用量は、1台当り400~500グラム程度。ハイブリッド車(HV)ではPPSがモーターインシュレーター用の材料として使われている他、電動ウォーターポンプの筐体部分、インシュレーターやコンバーターなどのエンジン周りの部品として使われている。

HVに使われているPPSは、ガソリン車の3~4倍。今後も需要は拡大すると見られている。

車以外では、コネクタ、各種スイッチ、IC部品など電気・電子部品や、OA機器、コンピュータの部品、歯車などの機械部品にもPPSは使われている。

金属などの代替えとして使われ始めているのは車の部品だけではないんだよ。給湯器はみんなの家にもあると思うけど、耐熱水性、耐圧、靭性、低吸水性などの様々な特性を持つPPSは、これまで使われていた真鍮などの金属材料や変性PPEの代替えとして使われるようになってきている。

それから、PPS繊維もあるんだよ。PPS繊維は、耐熱性や難燃性、耐薬品性に優れているだけではなく耐加水分解性もあることから、石炭火力発電所で排出ガスによる環境破壊を防ぐためのバグフィルターに使われている。

 

 

今回のまとめ


・PPSは、フェニル基(ベンゼン環)とイオウ(S)が交互に結合してできている直鎖構造。

・製法にはフィリップス・ペトローリアム法、Macallum法、ダウ・ケミカル法がある。

・PPSは強度や剛性が高い。耐摩擦性、耐熱性、高温特性、耐薬品性、食品安全性にも優れているが、靭性、接着性には劣る。

・PPSは成形収縮率が低いので精密な成形ができる。ただし、成形時には樹脂や金型の温度設定など、成形条件を注意深く設定する必要がある。

・PPSの研究が進められたのは20世紀半ばくらいになってから。フィリップス・ペトローリアムが取得した特許が1984年に失効したことから、多くの企業が参入。一気に開発が進んだ。

・PPSはこれまでの金属部品やフェノール樹脂、ナイロン系素材だった車の部品の代替えとして使われ始めている。10年前の車に使われていたPPSは市場の30%、現在は50~60%と需要が拡大している。

・PPSは、コネクタ、各種スイッチ、IC部品など電気・電子部品、OA機器、コンピュータの部品、歯車などの機械部品にも使われている。

・PPSは、給湯器の金属材料や変性PPEの代替えとしても使われるようになってきている。

・PPS繊維は、石炭火力発電所で排出ガスによる環境破壊を防ぐためのバグフィルターに使われている。

 


 

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PlaBase編集部
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