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マテリアルズインフォマティクス導入に不可欠な材料データベース:マテリアルズインフォマティクス入門(4)

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この記事では…

マテリアルズインフォマティクス(MI)に必要不可欠なデータベースの重要性と、一般で使用可能なデータベースを紹介します。

(執筆:一之瀬 隼/ 製造業ライター)

前回は、マテリアルズインフォマティクス(MI)の導入を進めるにあたって、支援サービスを提供している企業を紹介しました。今回は、マテリアルズインフォマティクスに必要なデータベースの重要性と、誰でも利用可能な公共のデータベースを3つ紹介します。

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マテリアルズインフォマティクスにおけるデータベースの課題

マテリアルズインフォマティクスで用いられる機械学習アルゴリズムでは、さまざまな材料データを元に問題を解いていきます。今まで発見されていない新たな知見や材料を得るためには、機械学習アルゴリズムに豊富なデータを読み込ませることが必要です。

材料に関するデータであればなんでもよいわけではありません。機械学習アルゴリズムが読み込める形式の豊富なデータを集める必要があります。アルゴリズムに読み込ませるデータを準備するのは、簡単ではありません。

社内で行われた材料に関する実験などで、必要なデータを十分に確保できていたとしても、機械学習に読み込ませることを前提に整理していなければ、そのまま利用することはできません。マテリアルズインフォマティクスに用いるアルゴリズムに合わせた形式に全てのデータを変換する必要があります。

また、実験やシミュレーションによりデータを集めようと思っても、その準備や環境整備に時間がかかり、すぐにデータベースを完成させることは困難です。

そこで、広く公開されている公共の材料データベースが有効な選択肢になります。

公共の材料データベースとは?

公共の材料データベースとは、公の機関や大学などが整備、公開しているデータベースで、誰でもアクセスが可能です。

公共の材料データベースは自社でデータを蓄積する必要がないため、効率がよく、非常に便利です。しかし、掲載されている材料データの信頼性については注意が必要です。

例えば、エラーデータが含まれていたり、実験や計算条件が材料ごとに異なっていたりする可能性があるため、使用するデータが用途に合っているのか、使用する前に確認する必要があります。

また、誰でもアクセス可能な情報のため、競合他社との差別化を図りたい場合、データベースの部分では差が付きません。公共のデータベースは、これらの課題があることを理解した上で利用することが重要です。

ここでは、代表的な公共のデータベースを3つ紹介します。

MatNavi:国立研究開発法人物質・材料研究機構

MatNaviは、物質・材料研究機構が整備を進めているデータベース群です。材料に関するデータベースとしては、高分子、無機材料、超電導材料、金属材料、傾斜機能材料などがあり、それ以外にもさまざまなデータベースを利用できます。

例として、「PoLyInfo」という名称の高分子データベースでは、高分子材料設計に必要なデータを学術文献から収集し、体系的に整理されています。物性項目としては、熱、電機、機械など約100種類を対象としています。

まずは、日本製のデータベースであるMatNaviを確認してみるといいでしょう。

Polymer Genome

高分子材料用のデータベースで、アメリカのジョージア工科大学を中心に整備が進められています。800以上の有機ポリマーについて、1万件以上の物性値が収録されており、訓練済みの機械学習モデルを利用して材料の物性を予測することが可能です。

NOMAD Repository

Novel Materials Discoveryが運用しているデータベースです。今回紹介した他のデータベースは、開発者や開発者が運用しているシステムがデータを蓄積しますが、本データベースはユーザーが持つデータを蓄積しています。

20種類以上の計算プログラムに対するインタフェースを用意しており、これらのプログラムを利用するユーザーのデータを集約します。

まずは公共のデータベースを活用してMIに取り組む

マテリアルズインフォマティクスを導入するためには、材料データベースが必要不可欠です。ただし、自社で必要なデータベースを構築するためには、膨大な情報とそれを適切な形に整理するための時間が必要です。

そこで、まずは広く公開されている公共のデータベースの中から、用途に合った情報を取得し、取り組んでみてはいかがでしょうか。自社のデータベースを構築する際に必要な情報や情報を整理する形式についても、知見が得られるでしょう。

次回は、マテリアルズインフォマティクスで用いられる機械学習の基礎的な知識について、紹介します。

プロフィール


一之瀬 隼(いちのせ・しゅん) 自動車部品メーカーの現役エンジニアとして、先行開発から量産展開まで幅広い業務を経験。産まれたばかりの子供の成長を楽しみながら、エンジニアとライターの活動両立に苦戦中! 趣味は旅行(海外も国内も)と美味しいものを食べることと、学ぶこと。

>>執筆者ブログ「悠U自適


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PlaBase編集部
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