「第3回 関西次世代3Dプリンタ展」レポート(前編)

の記事では…
2021年10月にインテックス大阪で開催された「第24回 関西ものづくりワールド」、「第3回 関西次世代3Dプリンタ展」をレポートします(前編)。
(執筆:松永弥生/ライター)

2021年10月6~8日に、インテックス大阪(大阪市)で、「第24回 関西ものづくりワールド」が開催された。今回、関西ものづくりワールド3日間の総来場者数は、1万6909人(公式サイト)。前回、2020年の開催では1万7256人(高機能素材Weekは除く)であった。コロナ禍以前では3万~4万人前後であったため、かつてほどの来場者にはまだ届かずといったところだ。

今回は、本展示会より、「第3回 関西次世代3Dプリンタ展」で見た最先端の3Dプリンタを紹介する。

第3回関西次世代3Dプリンタ展

独立式デュアルヘッドを採用した「Creator3」


APPLE TREEのブースでは、flashforge製の「Creator3」をメインに展示していた。「Creator3」は、独立式デュアルヘッドを採用。動画のデモンストレーションのように1度に2つのモデルをプリントできるほか、一方を水溶性PVAフィラメントを射出しサポート材に使用すれば、造形後にサポートが外しやすくなる。造形後の作業が軽減し、繊細な造形であってもキレイに仕上げられるという。

ステンレス製のノズルは、300℃の射出温度に対応しているため、PLAやABSの他、PC、PAなどの機械的強度や耐熱性を向上させたエンジニアリングプラスチックにも対応。強度が必要な治具や機能確認用モデルの造形も可能だ。

これまで、flashforgeの3Dプリンタでは独立式デュアルヘッドを採用モデルや、300℃の射出温度に対応したモデルはあったが、2つを兼ね備えている3Dプリンタは初登場となるという。

Creator3では、金属シャフトの径が太くなり、剛性が強化されブレが軽減されたため精度が高くなった。プラットフォームは、120℃までの耐熱生があるマグネット式で軟性があり、本体から取り外しできるため、造形物が取り外しやすくなっている。最大造形サイズは、W300×D250×H200mm。


独立式デュアルヘッドを採用した「Creator3」


会場で出力したボルトをナットにはめるデモンストレーション

教育機関で活躍する「Creality Sermoon D1」


Shenzhen Creality 3D Technologyのブースには、教育用3D プリンタが各種並んでいた。「Creality Sermoon D1」は、組み立て不要で届けられ、他の機種と比べて扱いやすいという。デュアルZ軸、T字型二重螺旋ロッド、Vホイールシンクロナイゼーションアセンブリ、XYシンクロナイゼーションベアリングを搭載し、より高い精度と安定性を実現。印刷精度は、±0.1mmで、最大印刷サイズは280×260×310mm。

センサーにより、フィラメントの不足や停電があっても、リアルタイムの保護と命令の自動保存をするため、印刷を再開することができる。出力調整は日本語対応のタッチパネルで直感的な操作が可能。ユーザーに親切な対応になり、学校や公共機関などへの導入が多いという。

Creality Sermoon D1。最大造形サイズは280×260×310mm

オープンフィラメントプログラムで多くの素材に対応「Raise3D Pro2」


日本3Dプリンターが展示した「Raise3D Pro2」には、可動式デュアルヘッドを搭載。ノズルが昇降するため、2種類のフィラメントを使用する際の失敗率が減った。最大造形サイズは、シングルヘッド造形時で305×305×300mm。ヘッドを押し出すギアが2つに増えてパワーアップし、フィラメントのつまりが軽減したという。以前はガラス製だったプレートを熱膨張しない素材に変更して、プリント精度が上がり、より優れた造形性を実現したそうだ。

また、同社では、オープンフィラメントプログラムを展開。メーカー純正のフィラメントは10種類程度だが、国内ユーザーからは「もうちょっと柔らかい素材がほしい」などさまざまなニーズが寄せられる。

そこで自社で多数のフィラメントをテストし、Raise3D Pro2で使える素材を「オープンフィラメントプログラム」として公開している。適応フィラメントは、現在、30種類以上ある。日本3Dプリンターのサイトで特性別にリスト化され、造形パラメーターを提供している。情報提供されたフィラメントについても、保証対象としているという。

国内出荷台数1500台超「Raise3D Pro2」。最大造形サイズは、305×305×300mm

オープンフィラメントプログラムでパラメーターが公開されている素材で出力したモデル

(後編へ続く)

プロフィール
松永弥生(まつなが・やよい)
関西を中心に活躍するフリーライター。2000年からロボコン観戦を始め、三月兎のハンドル名でイベントレポートや動画で情報発信を開始。編集部からの依頼でライターデビュー。以来、ロボットや製造業関連ニュースをメディアに発信してきた。得意分野は、ロボットと製造業。モノづくりが大好き。文章講座やプレスリリース講座の講師としても活動中。
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PlaBase編集部
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