熱可塑性プラスチック材料の作り方(3)「成形材料の作り方」:プラスチック材料の基礎知識(5)

この記事では…
前回に引き続き、熱可塑性プラスチック材料の作り方について解説。今回は成形材料の作り方を取り上げる。

(執筆:本間精一/本間技術士事務所)

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ポリマーをそのまま成形材料として使用するケースは少ない。成形性、製品に要求される外観、性能、機能などに合わせて添加剤、着色剤、充填材(強化材、充填剤)、アロイ材などの配合剤を混ぜて成形材料を作るのが一般的である。ポリマーは成形性を考慮して適切な粘度または分子量範囲のものを選択する。

ポリマー(以下「素材」という)に配合剤を適切な比率で混ぜて成形材料(ペレット)を作る工程をコンパウンディングという。ペレットという粒状にするので造粒ということもある。

コンパウンディングする目的は次の3つがある。

(1)素材に配合剤を均一に溶融混錬する。
(2)成形時に安定して可塑化できるようにペレット形状にする。
(3)成形作業での取り扱いを容易にする。

コンパウンディング工程例を図1に示す。

図1 コンパウンディング工程概念図

まずブレンダーを用いて素材と配合剤を所定の比率で予備混合する。次に混合した材料を押出機ホッパーに投入する。押出機は単軸押出機または2軸押出機が用いられる。押出機で溶融混練してダイから多数本の円形断面のひも状に押し出して冷却し、「ペレタイザー」と呼ばれる装置でカッティングしてペレットを作る。このようにペレットを作る方法を「コールドカット」という。作られたペレットの直径は約3mm、長さは約3~4mmの円柱形状の材料である(図2(a))

一方、ダイから押し出し直後に溶融状態で、回転刃でカッティングしたのち冷却してペレットにする方法もある。この方式をホットカットという。このペレットは直径が約3mm~4mm程度の球状の成形材料である(図2(b))。

図2 ペレット形状

コンパウンディングしたペレットをサンプリングして品質検査する。主な検査項目は次の通りである。

(1)流動性はMFR(注1)またはMVR(注2)を測定して検査スペックに適合しているか判定する。
(2)外観検査には射出成形で試験片を成形し、限度見本を基に色相、異物などが検査スペックに適合しているか判定する。
(3)強度は射出成形した試験片を用いて強度を測定し、予め決めた強度範囲内であるか判定する。強度の測定項目は成形材料の種類や顧客との取り決めによって異なる。

製造工程管理基準および検査スペックに適合することを確認した後に出荷する。

成形材料をペレットに加工しないで、成形現場で素材に配合剤を混合した後、成形機ホッパーに直接に投入して成形する方法もある。この場合にはペレットに加工する必要がないのでコスト低減につながるが、次のことに注意しなければならない。

(1)成形材料の段階では品質検査できない。
(2)配合剤の偏在によって品質ばらつきが生じる可能性がある。


筆者注
注1:Melt Mass Flow Rateの略である。材料を指定温度で溶融し、指定荷重でノズルから
押し出したときの10min当たりの質量で表す。
注2:Melt Volume Flow Rateの略である。材料を指定温度で溶融し、指定荷重でノズルか
ら押し出したときの10min当たりの体積で表す。

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PlaBase編集部
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