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【SABIC】ポリアミド樹脂(ナイロン)で困ったときに役に立つノリルGTX™樹脂――低吸水・新グレードの紹介:PR

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ノリルGTX™樹脂は、ポリアミド樹脂(ナイロン、以下PA樹脂)とPPE樹脂からなるアロイ材料として開発された。結晶性樹脂であるPA樹脂が持つ耐薬品性、非晶性樹脂であるPPEが備える低吸水性の他、成形時の反り低減、ガラス繊維や無機フィラーの添加なしでの耐熱性確保など、さまざまな機能やメリットを併せ持つエンジニアリングプラスチックであり、モビリティー、電気電子部品、水回り関係などで採用されている。
ノリルGTX™樹脂が採用される理由として、PA樹脂だけでは成形性向上や反り低減など満足できないことが背景としてある。今回は、これらPA樹脂の問題点と、それに対するノリルGTX™樹脂の利点、新しく開発された低吸水グレードを紹介していく。またモビリティー向けにノリルGTX™樹脂の新しい用途提案についても簡単に紹介する。

PA樹脂、成形時の反りが問題

PA樹脂は結晶性樹脂のため、成形時の反りが問題になることが多い。この改善には成形条件の見直しや金型デザイン修正などで、ある程度は改良・改善が可能だが、期待する寸法精度には収まらないことがある。このときに、ノリルGTX™樹脂が備える低反り性が役に立つ。前述したとおり、非晶性樹脂とのアロイであり、成形収縮率の流動方向と直角方向の差異が小さいことから、反りの低減が期待できる。

図1にノリルGTX™樹脂 GTX951W(PA66+PPE、フィラーなし)とPA66樹脂(フィラーなし)の成形収縮率データを示す。

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図1:ノリルGTX™樹脂 GTX951W(PA66+PPE、フィラーなし)とPA66樹脂(フィラーなし)の成形収縮率データ

収縮率データそれぞれは、A(ゲート近、直角方向)、B(流れ方向、右側面)、C(ゲート遠、直角方向)、D(流れ方向、左側面)の数値である。これら収縮率データを見ると、GTX951WはA〜Dほぼ2%になっており、流動方向、ゲートからの位置に関わらずデータが一定している、つまり、反りが小さくなるのが分かる。一方でPA66は直角方向、流れ方向(遠近の影響は小さい)を見ると、収縮率に2倍程度差があり反りが発生しやすことが分かる。

写真1が示すのは、フィラー入りグレードによる反り比較である。

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写真1:(左)PA樹脂、(右)ノリルGTX™樹脂における反りの比較

フィラー入りになっても、流れ方向および直角方向収縮率の差により反りが発生していることから、ノリルGTX™樹脂の優位性を確認できる。

PA樹脂の水による問題

PA樹脂は他のエンジニアリングプラスチックと比較して吸水率が高い。吸水による靭性や衝撃特性向上などのメリットも知られているが、吸水による寸法変化、強度低下が発生するため、吸水率が違う複数サンプルを用意する必要が生じ性能評価工程が増加する。

ノリルGTX™樹脂は一般的にはPA6もしくはPA66をベースにPPE樹脂をアロイしているが、PPE樹脂が持つ低吸水性能により、一般PA6、PA66と比較して低吸水となる。このため、性能評価工程の増加抑制に役に立つし、強度低下が少ないことから薄肉設計も可能となる。図2にその吸水率データを示す。PA66と比較して、ノリルGTX™樹脂は吸水率が低下していることが分かる。

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図2:PA66とノリルGTX™樹脂における吸水率比較

ノリルGTX™樹脂の新グレード「GTX9500」とは

ノリルGTX™樹脂は、モビリティー向けでは樹脂フェンダー、タイヤホイールキャップ、リレー・ジャンクションボックスなどに採用されている。昨今の成形品の薄肉大型化のトレンドに対し、アロイのPA樹脂の吸水、並びに反りへの影響が課題になってくる。なおノリルGTX™樹脂はPA66もしくはPA6をベースとするため、その吸水による問題はゼロにならず、更なる低吸水グレードが要望されていた。

そこで新しく開発されたのが低吸水グレード「ノリルGTX9500」である。ノリルGTX9500は、樹脂組成・配合を見直し、新しい技術により高い流動性を維持しながら低吸水を達成している。図3にノリルGTX9500と従来GTXグレード、PA6・66の吸水率のデータを示す。

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図3:ノリルGTX9500と従来GTXグレード、PA6・66の吸水率のデータ比較

ノリルGTX9500は、PA66及びPA6樹脂、また従来のノリルGTXグレード(ノリルGTX951WとノリルGTX6009)より低吸水性を示す。水浸漬による吸水データでは、それぞれの差が大きいのが分かる。

図4に吸水時と絶乾時における機械的性能の保持率を示す。吸水が大きければ、それに伴い物性低下も大きくなる。吸水が低いGTX9500は最も高い性能保持率を示しているのが分かる。

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図4:ノリルGTX9500と従来GTXグレード、PA6・66の吸水時と絶乾時における機械的性能の保持率

図5には、吸水時における寸法変化率を示す。ここからも、GTX9500が吸水の影響を最も受けにくい素材であることが分かる。ノリルGTX9500は、吸水に起因するPA樹脂の問題解決として役立つはずである。

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図5:ノリルGTX9500と従来GTXグレード、PA6・66の吸水時における寸法変化率の比較

最後に――顧客事例の紹介

SABICスペシャリティー事業部は、今回開発されたノリルGTX9500と超高剛性であるノリルGTX850も含めて、モビリティー向け用途開発を進めている。ノリルGTX™樹脂の最新ポートフォリオと、図6を示す。

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図6:ノリルGTX™樹脂の最新ポートフォリオ(上)と、顧客によるモビリティー向け用途の例(下)

上図は、採用が増加している用途、SABICが新規提案を行っている用途のまとめになる。もし事例にご興味がある、あるいは詳細情報が必要な時は、SABIC担当者もしくは下記で案内する連絡先に、ぜひコンタクトをしてみていただきたい。

SABICからのお知らせ

今回紹介したノリルGTX™樹脂について、SABICへのお問い合わせはこちらのフォーム、もしくは以下のQRコードからお願いします。疑問や不明な点などもありましたら、お気軽にご相談ください。

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PlaBaseウェブサイト内にSABICの製品紹介サイト開設

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PlaBase編集部
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