2019.10.16連載

【8】プラスチックの塗装で遭遇する「トラブル」と、その解決方法を考えてみよう【最終】

※魅力的な役目を持つ塗膜がもしトラブルを引き起こしたら、素材も含めて信頼が失墜する

美しくて魅力的な塗料・塗膜は、それに相応しい条件・方法で扱っていれば期待通りの付加価値を発揮してくれます。しかし、適正な条件・方法を守って作業工程を進めていても、時として気が付かないうちに「異常な塗膜となってしまう塗装工程」を進めてしまうことがあります。また、事前のトライを周到に実施して検証確認を得て正式に工程変更届の処理をしたのに、気が付かないうちに異常な塗膜となった製本を世の中に送り出してしまうこともあります。

それほど塗装・塗膜の世界は複雑な要素が折り重なってできあがるものです。たとえ上述のように、事情があって、あるいは顧客の指示要請で工程変更を進めることになっても、自社の設備・ラインも独自で様々な運転条件下で操業を進めているのです。このような自社の設備・ラインに独特で様々な条件の調査・把握に最も有効な方法は、始業直前・直後、午前中(できれば最低2回)、午後(できれば最低2回)の雰囲気温度とその場所の湿度を観察してその記録を残すことを勧めたいと思います。測定ポイントも素材(被塗物)が各工程毎に変化を受ける個所が望ましいです。塗装設備の制御システムで計測・記録されるデータのポイント・内容だけでは不十分と思って欲しいです。

特に安価且つ、耐久性が決して優れていない塗料では、このようなトラブルが市場で発生したり、顧客の抜き取り検査で露呈することがあります。このような時には、まず顧客に(あるいは顧客から)、および企業の経営判断ができる立場の方に事情と深刻度を説明の上、

・生産を停めるか、出荷を止めるか?

・どのような体制で原因調査と対策方法を見つけ出すか?(社内・社外の専門家を巻き込んで)

・問題が解決されたことをどのようにして証明するかを明確にする

・生産を再開し、納入・市場に再投入する条件の明確化

・生産/出荷が再開された後の抜き取り試験の方法とOK/NGの判断基準の明確化

・顧客/市場への対応窓口

担当者の設置等々を明確に決めて、速やかに解決・復旧に取り組まなければなりません。

 

 

無限の夢や期待が拡がる塗装の将来性を語り合ってみよう


※夢はいつか必ず実現できる

このシリーズは、この論説の筆者が個々具体的に提案することを望んでいなくて、むしろ塗装に関わっている全ての皆様が、皆様の職場や仲間の集いの場で夢を語り合い、未来永劫夢を語り続けて欲しいために設けたものです。そうは言っても、せめてヒントになりそうなことは紹介しても良いかと思っています。それらは、

①晒される温度によって、塗膜の色や表面外観の様子が変わる

②晒される風速によって、塗膜の色や表面外観の様子が変わる

③周辺の明るさによって、塗膜の色や表面外観の様子が変わる

④塗膜自体が明るく自己発光をする(蛍光のレベルを遥かに超える)

⑤人が手を触れると、暫くはその跡が好印象で残り、その後消えて元に戻る

⑥塗膜を丁寧に磨いてくれる人や道具・装置類にお礼の表現ができる

⑦塗膜が優しい声を出す

等々はいかがでしょうか。

以上でこの論説を終了致します。
読者の皆様に少しでもお役に立てば本望です。

 


この記事のPart7はこちら
【7】組み立てられる塗装工程とその条件。また出来上がった塗膜の耐性とその年限は?
この記事のPart1はこちら
【1】プラスチックをなぜ塗装をするのか? 何を期待して塗装をするのか?
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PlaBase編集部
PlaBase[プラベース]

これまでカタログや材料メーカー各社のホームページ内に散在していた樹脂(プラスチック)成形材料の情報をPlaBaseに集約しました。 メーカー・樹脂名・物性値など多様な検索方法によって、お客様の目的に合った樹脂成形材料のデータを探し出すことができます。