2018.010.25連載

【4】まず素材、プラスチックの素晴らしさと気難しさを探検してみよう

「塗装」にとって大敵な特性があることに気が付くプラスチックはその比重の軽さ、形状を附与(成形)することが比較的容易で大量生産を行いやすい。さらに、素材の単価が比較的安いゾーンに位置付けられます。
このため、工業製品の筐体や機構部品、あるいはクルマの外装部品や内装部品等に多々活用されています。日用品にも勿論、医薬品や医薬外品の容器類にもたくさん使われています。そんな成形の利便性に加えて、表面に様々な処理を施しやすいことも、商品のアピール力・販売力の向上に直結するため、プラスチックの活用が衰えることは無いでしょう。
そこで、汎用的に塗装を施されるプラスチックの種類を紹介しましょう。これらをプラスチックの分子構造から2種類に分類をして、耐熱温度(塗装条件の目安として)と塗装にどの程度向いているかも説明してみます。それらの特性や性状を説明する記事は別の筆者がまとめていますので、そちらのほうをご参照いただきたいと思います。この論説では、塗装に関して重要な説明だけを敢えて選択抽出して説明をしてみます。
(1)熱可塑性樹脂・・・熱を加えて溶融する温度に上げて成形し、冷やしたものを再度加熱しても、再び溶融し、このような挙動を繰り返すことができる樹脂。塗装に向く代表的な樹脂は次の7種類。
①ABS樹脂・・・非晶性樹脂で最も塗装がしやすい。耐熱温度は概ね80°Cである。
②スチレン樹脂・・・非晶性樹脂で、安価な値段が魅力の樹脂である。耐熱温度は概ね60°Cである。
③ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)・・・非晶性樹脂でプラスチックの中でも特に透明性が優れ、剛性も高い。耐熱温度は概ね80°Cである。
④ポリカーボネート樹脂(PC)・・・非晶性樹脂でプラスチックの中でも
PMMAの次に透明性に優れ、剛性も高い。耐熱温度は概ね120°Cである。
⑤ポリフェニレンオキサイド樹脂(PPO)
・ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)・・・非晶性樹脂で、耐熱温度は概ね120~150°Cと、プラスチックの中では高温に耐える特性がある。
⑥軟質ポリプロピレン樹脂(軟質PP)・・・結晶性のオレフィン系樹脂で、耐熱温度は概ね90°Cである。
⑦ナイロン樹脂・・・典型的な結晶性樹脂で比較的高価な素材である。耐熱温度も150°Cに耐える高性能な値を有するグレードがある。
(2)熱硬化性樹脂・・・成形を完了すると分子構造が3次元の網目構造を形成するため、熱を加えても軟化溶融しない樹脂。塗装に向く代表的な樹脂は次の2種類。
①DCPD-Rim樹脂・・・ジシクロペンタジエン反応射出成形樹脂オレフィン系樹脂で、耐熱温度は概ね90°Cである
②FRP、SMC・・・主にエステル系モノマーと反応開始剤を予め、あるいは現場で手早く混ぜて型内に流し込んで重合反応をさせて「成形」することにより得られる樹脂。耐熱温度は概ね120~150°Cを目安としたい。
以上が、最低限知っておいて欲しい塗装に使えるプラスチック・樹脂です。
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PlaBase編集部
PlaBase[プラベース]

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