2023年「[関西]高機能素材Week」レポート(後編)

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2023年5月17~19日に、「[関西]高機能素材Week」がインテックス大阪(大阪市)で開催された。本レポートでは、PlaBase編集長の松本が注目した企業5社の展示について紹介。前後編構成でお届けする。

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金森産業のブース

前編では、プラスチック関連でサステナブルな取り組みを行う3社について紹介した。後編では、プラスチック製品にかかわるIT技術を展示した2社について紹介する。

クラウドで、製造業でなじみあるカンバンとガントチャートを簡単切り替え――Sotas

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Sotasのブース

化学業界特化の環境配慮型SaaS システムを提供するSotasは、2022年3月に創業したスタートアップだ。同社は2022年11月より、化学業界向けの受発注、生産、在庫管理システム「Sotas工程管理」を提供開始。2023年5月には同システムに、化学品の原材料や添加剤などのCO2排出量の自動算出機能を追加した。

同社が特に注力するターゲットが、中小の化学素材メーカーだ。初期導入費用を中小企業の予算感に合わせて現実的なところに抑えることが可能で、導入は、だいたい1週間もあれば現場で利用開始できるという。また、導入するにあたりSotasの仕様に無理に合わせこむのではなく、元の運用法を生かした方がいいところはそのままにするなど、現場の事情に合わせて細やかに対応しているとのことだ。

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Sotasのカンバンの画面

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Sotasのガントチャートの画面

Sotasは、現場の人主体で導入推進ができるように、操作の簡便さや視覚的な分かりやすさを重視したUIになっている。今回の展示では、ガントチャートとカンバン表示を自在に切り替えができる機能を初披露している。ガントチャートになじみがなく、カンバンの方がしっくりくる生産現場で働く人たちにとっては「かゆいところに手が届く」機能だ。ほかにも、規制物質のソートを簡単に行うなど、便利で使いやすいさまざまな機能が実装されている。

実際の導入ユーザーは、現場に持ち込んだタブレット端末からSotas工程管理を利用していることが多いそう。また実際のユーザーからは導入後は、生産性が倍以上に高まったという声もあるという。中小企業では生産計画の実務を経営者自身が行うケースも多く、そういう作業から経営者を開放できる効果も大きいとのこと。

ターゲット企業の現場では、帳票ベースの生産管理が主流であるが、それでは到底実現できない、クラウド上のシステムならではといったところだ。シンプルなUI であると、ソフトウェア開発側の苦労がなかなか見えづらいところであるが、「SaaS システムの開発を熟知していないとなかなか実現が難しい技術を使っている」と代表取締役
吉元裕樹氏は言う。吉元氏は、過去にはDIC、日産自動車、そして副社長を務めたACALL
と、異業種を渡り歩いてキャリアを積んできており、それが現在のSotas の経営や導入コンサル、開発に存分に生かされている。

「素材に混ぜて使う」タグで、違法コピー商品の流通をストップ――PwCコンサルティング

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PwCコンサルティングのブース

グローバルなコンサルティング企業であるPwCコンサルティングは、素材メーカーではない同社ではないものの、フィルムやインクに混ぜるタグ「TruTag」とタグを追跡するためのシステム(スマートフォンアプリ)と組み合わせることによる「デジタル・トレーサビリティー・サービス」を展示していた。

TruTagの技術を開発したのは、米国のTruTag Technologies社。「タグ」といっても、購入前の商品についているものなど一般的なイメージとは大きく異なる。

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これも「タグ」であるが、それ自身の文字やデザイン、形状は関係がなく……

タグとなるのは、食用の二酸化ケイ素(シリコン)が原料である「食べられる」、数十ミクロンほどの微粒子だ。粒子の表面に、直径がナノメートル単位の穴を無数に形成しているのだという。その微小な穴にカメラで光を当てた際の反射光のパターンと情報を紐づけておくことで検知するという。

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スマートフォンアプリのカメラをかざすと、真贋判定が可能だ。

その微粒子が塗料やインクにそれが混じってしまえば、肉眼では非常に確認しづらくなる。ほんのりキラキラして見える程度。微細なタグを混ぜた塗料やインクで製品に印刷して使うのだ。そもそも、それがタグだと知らなければ、塗料やインクの粒子にしか思えないだろう。

実際には、食肉や薬品、化粧品の輸出時の製品管理などで利用されているという。もちろん、プラスチック製品にも有効だ。TruTagで製品の情報を管理しておけば、輸出国で流通している製品の真贋がアプリを使って簡単に行えるようになる。ただし、こちらは海外の事例であり、日本で本格展開するのはこれから。今回のサービスも日本での本格展開を機に日本語化された。

オフラインとオンラインのいいとこどりで、業界を盛り上げよう!

公式サイトによれば、今回の[関西]高機能素材Week の3日間の来場者合計は、2万3217人で、前回比の135%であった。また2019年開催時と比較すると8割ほどで、完全復活とはいいがたいが、だいぶ人手が戻ってきているといったところだ。

執筆者自身も、展示物を手に取って見て、フェイストゥフェイスで話をすることによる情報の深みは、オンラインは到底かなわないものだと痛感させられた。しかし、オンラインイベントは移動のことを気にせず、多忙な業務の合間で多くの情報を効率よく収集できるという利点もあり、コロナ禍でその良さを実感できたことも確かだ。今後も、オフラインとオンラインのいいとこどりで情報収集がしてけたらいいのではと思う。

金森産業のブースにも多くの人が来てくださり、PlaBase とChematels のデジタルマーケティングに関する多くの相談を受けた。関心を寄せていただいた企業さま、担当者さまとともに、オンオフの両面から、化学・製造業界をホットに盛り上げていけたら幸いだ。

【松本編集長から】今回の取材を終えて

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今回はメディアパートナーとしてPlaBaseおよびChematelsはサスマ展に出展することになり、従来からの取材活動を継続しながら、当社として展開する製造業企業様向けデジタルマーケティング支援 についてもブースで紹介を行なった。

今回の関西での高機能素材WeekではSDGsに関連する環境をテーマにした出展内容が一層増え、従来は少なかった業界(商社やソフト開発、コンサルティング)が材料開発や関連商材を提案している様子が印象的だった。また展示会に積極的に出展をしている企業(旭化成など)の紹介内容を会場毎に追っていく見方も新しい気づきがあった。一方で残念だったのは海外からの出展企業が少なかったこと。高機能素材Weekは、次回場所を移して東京での開催が10月となるが、海外企業勢の含めての盛り上がりに期待したいところだ。

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PlaBase編集部
PlaBase[プラベース]

これまでカタログや材料メーカー各社のホームページ内に散在していた樹脂(プラスチック)成形材料の情報をPlaBaseに集約しました。 メーカー・樹脂名・物性値など多様な検索方法によって、お客様の目的に合った樹脂成形材料のデータを探し出すことができます。