人々の日常に寄り添うスマートシューズ「ORPHE」の開発(後編)

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この記事では…

スマホと連携して健康管理ができる、ORPHE(オルフェ)のスマートシューズ開発について、プロジェクトをリードする 宮田知起氏に話を聞いた(後編)

(執筆:PlaBase編集部)

ランニングシューズ「EASYRUN SHIBUYA」、アシックスと共同開発したビジネスシューズ「RUNWALK ORPHE」など健康管理が可能なスマートシューズの開発に取り組むスタートアップのORPHE(オルフェ)。前編では、同社のスマートシューズ開発の歩みについて紹介した。後編では、同社のシューズ開発について、もう少し掘り下げて話を聞いた。

ORPHEのスマートシューズ開発

「当社のようなスタートアップは特に、『何年も新製品を出さない』という状態はあり得ません」とORPHEのプロジェクトマネジャーである宮田知起氏は言う。完璧に設計を煮詰めようと1年、2年と時間をかけて製品を出していては、投資家もユーザーも離れて行ってしまう恐れがある。そのため、ORPHEは開発品をできるだけすぐに製品として市場に送り出し、市場から意見を聞きながら設計をブラッシュアップしていく流れで開発している。

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例えば、スマートシューズ「EASYRUN SHIBUYA」は、2019年の市場投入以降でセンサーの格納方法が徐々に変化している。「EASYRUN SHIBUYA」の発売初期、センサーデバイス「ORPHE CORE」 の格納部にはプラスチック製の受け皿が存在した。外資スポーツメーカーのスマートシューズの構造からヒントを得たものだ。

ORPHEのシューズは、靴底のORPHE CORE格納部に穴が開いている上、搭載したORPHE COREのLEDライトを透過させる仕様になっている。そのため、ソールの強度が懸念されていた。その補強手段としてプラスチックの受け皿を入れておこうとなったという。

当初からプラスチック製受け皿の構想はあったが、試行錯誤のもと最終的な仕様が決まったときには、中国の工場での開発フェーズ終盤だった。量産に間に合わせるために、金森産業の試作サービス「PlaQuick」の射出成形を活用している。「発注後最短5営業日」をうたうPlaQuickでなければ、到底間に合わなかったタイミングだという。ORPHEの場合は、試作ではなく最終製品に搭載する部品で採用している。

「私はシューズメーカーから転職してきたため、開発当時は電子部品で採用するプラスチックのことを把握していたわけではありません。われわれの考える用途から材料選定についてアドバイスがもらえたことは心強かったです」と宮田氏は言う。部品に適した材料だけではなく、調達のしやすい材料についても教えてもらえたとのことだ。

しかしプラスチックの受け皿は市場に出てからしばらくしたのち、搭載するのをやめている。「プラスチック製の受け皿だともちろん一定の強度は担保できるのですが、重量や走行時の感覚を考慮した際にランニング動作には適さなかったことが要因です。もちろんプラスチック製の受け皿ではない別の構造にする場合にも課題はあるのですが、次回はそこの課題改善に取り組むべきという結論に至りました。実際に製品化した上で頂戴したユーザー様からの生の声もとても大きかったです。」(宮田氏)。

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この件はうまくいかなかったものの、こうした「必要だと思ったことを、すぐに製品に反映できる」ことは、ORPHEのようなスタートアップにとってはありがたいことだと宮田氏は言う。

今度は「医療機器」に進化したORPHE

ORPHEは2022年12月から、医療機器分野に参入。「ORPHE ANALYTICS MEDICAL」と「ORPHE CORE MEDICAL」をリリースした。

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ORPHE ANALYTICS MEDICALは、センサーによる高精度な歩行分析が行えて、かつ手軽にセットアップ可能な医療機関向けソリューションだ。歩行障害をかかえた患者のリハビリなどで活用でき、歩行訓練の効果を定量的に評価可能になる。

ORPHE CORE MEDICALは、歩行分析計の機能に特化した、一般医療機器だ。また通常のORPHE COREのようにソールに埋め込む方法だけではなく、シューズの靴紐付近にひっかけて装着することもできる。リハビリの現場からは、「患者さまの好みのシューズにセンサーを装着できるよう専用シューズ以外でも計測ができるようにしたい」と要望を受けたことによるという。

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ORPHE CORE MEDICAL

また、医療現場のユーザーからは「サンダルに取り付けたい」という要望も多く、「もしかして、ORPHE専用のサンダルが登場するかもしれません」と宮田氏は今後のアイデアの1つについて述べた。

「医療機器の認証取得には時間はかかりましたが、これで1つのハードルを乗り越えられたと考えています」(宮田氏)。ただしこれから、医療機器だけに注力していくというわけではなく、今後、もっと増やしていきたいのは、消費者向けのサービスであるという。

「シューズについては現在のものでひとまず『完成』なのですが、今後は、これから市場から出てくるさまざまなニーズに合わせて、アプリで可視化するデータを工夫し、用途に合わせたスマートシューズのソリューションを提案していきたい」(宮田氏)。その際もPlaQuickをうまく活用していきたいとのことだ。(終わり)

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(左)宮田氏、(右)金森産業 東京支店 柿沼氏(営業担当)

■お知らせ

「日本 ものづくりワールド」(会期:2023年6月21~23日、会場:東京ビッグサイト)に金森産業「PlaQuick」が出展いたします(小間番号:8-41)。展示ブースで、PlaQuickがお手伝いしたORPHEの製品がご覧いただけます。ぜひお越しください。

株式会社ORPHE

「足元から世界を変える」をミッションに掲げ、創業以来スマートシューズの研究開発を行なっています。提供するスマートシューズプラットフォーム「ORPHE(オルフェ)」は靴内 のセンサから歩容解析を行い、履いているだけで歩行速度、着地角度、着地衝撃といった 様々な指標を記録することを可能とします。今後はこの技術を医療・ヘルスケア分野へ応用し、誰もが日常的に使う靴がインタフェースとなることで、あらゆる人の健康寿命を延ばし、楽しく歩き続けられるような社会を実現していきます。
⁠URL:
https://orphe.io

PlaQuickについて(金森産業)

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PlaBase編集部
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