松本編集長が行く! 突撃取材(海外編)】Plast Eurasia Istanbul 2024(トルコ)――松本編集長ライブ配信 feat. 松井製作所

トルコで、2024年12月4~7日にかけて「Plast Eurasia Istanbul 2024 - International Plastics Industry Fair」(主催:Tuyap Fairs and Exhibitons Organization)が、Tuyap Istanbul Fair and Congress Centerで開催されました。展示会場の所在地はイスタンブールの繁華街から少し距離が離れた、少々静かな場所でした。
Plast Eurasia Istanbul 2024は、プラスチック機械、機械部品、金型、リサイクル技術、原材料、化学製品など、多岐にわたる製品や技術を展示する、国際プラスチック展示会。日本の「IPF Japan 国際プラスチックフェア」のような内容です。出展企業は1500社以上、来場者は7万人以上にのぼりました。
今回、松本編集長がPlast Eurasia Istanbul 2024を現地取材してきました。商社マンとして海外経験が豊富な松本編集長なのですが、なんとトルコ上陸は人生初。少々戸惑いながらも、さまざまな学びがあったようです。
前回、ドイツ現地のライブ配信が思ったよりもうまくいったということで、「ま、トルコでも行けるっしょ」と今回のライブ配信。で、まあ、とりあえず何とかなりましたよ。
今回の生配信は2024年12月6日、トルコ現地時間で朝11時、日本時間で夕方17時から実施しました。
アーカイブが2時間以上に及ぶため、読者の皆さまに見どころを簡単に紹介してまいります(動画のスタートから1分程度、映像の調整場面があります)。
今回も、ドイツ開催の国際プラスチック展示会「FAKUMA」でご一緒した、松井製作所のドイツ現地法人の責任者を務めていらっしゃる笹原 一樹さん(通称・ササさん)が、ライブに登場してくださいました。今回、松井製作所は日本製鋼所(JSW)ブースでの出展でした。またライブ前半では、金森産業から助っ人が登場しています。
アーカイブの見どころ紹介
0~13:45 松本編集長がPlast Eurasia Istanbul 2024についてざっと紹介

日本人いないし、なんかカメいるし
13分くらいまで、展示会の概要や規模感、会場内の雰囲気を、レイアウト図なども見つつ松本編集長が簡単に解説してくれています。あとは、「日本人をほとんど見かけない」「中国の企業がたくさん」と言っていますね。

会場の中を、謎のカメっぽいキャラクターがうろうろしていました。松本編集長いわく、海洋プラスチックの報道でカメが頻繁に出てきて、環境問題の象徴的存在になっているからなのかな、と。この子は、トルコの環境団体「PAGÇEV(パグチェヴ)」のマスコットキャラクターだそうです。なんとなく、某ミュータントに似ていなくもないです。
13:49~16:16くらい サンドゥ登場
ライブ前半では、松本編集長と金森産業の営業 佐々木サンドゥが展示ブースをめぐります。

金森産業の佐々木サンドゥです。よろしくお願いします。
サンドゥは、日本語や英語はもちろん、中国語、カザフ語といろんな言葉がしゃべれる頼もしいお人。アラビア文字も読めます。
初めてのトルコで、しかも話しかけても「日本から来たんですか、ふーん」といった感じの人たちに、ほんの少しだけトーンダウンしていた松本編集長の気持ちを優しく支えてくれました。
16:16~ サンドゥと会場めぐり開始
ササさんと合流するまで、サンドゥとやや駆け足気味で会場を巡ります。サンドゥが現地企業のビジネス事情について時々解説してくれています。ぜひ聞いてみてください。

トルコ現地のメーカーの件数は少なく、中国系の販売代理店の出展が目立ちました。

レストランではなく、商談スペースです(32:28ごろ)
トルコの公用語はトルコ語ですが、展示会場では英語が通じていました。公式Webサイトや展示パネルもラテン文字が多く、たまにアラビア文字も見られました。

これは何と読むのでしょうか……。サンドゥが読み上げて翻訳してくれています!(40:05ごろ)
PlaBaseでもおなじみのメーカーの名前が、販売代理店の展示の中だけでちらほら確認できました。しかし日本のメーカーや、日本でよく見られる大手企業自身が主体での出展はあんまり見られません。一方で、日本ではあまりお見掛けしない欧米企業なども見られました。
エンバリオのブースで話を聞くことができました(42:30ごろから)。

エンバリオの展示

46:27ごろから、少しだけ説明員さんにインタビューしています。英語で話しています。
今回の展示では(当然ではありますが)日本はエリア対象外とのことでしたが、展示のハイライトや現地でのビジネスについてお伺いしています。トルコ現地企業向けに、自動車関連の展示をメインにしているとのこと。トルコ現地では自動車関連の引き合いが中心のようです。エンバリオはトルコ現地で直接商材を展開しています。
トルコでは、大手商材は代理店経由で販売される機会が多いようです。それはこの会場の雰囲気にもよく表れていました。
会場全体的には、高機能材料やバイオ材料関連の展示の他、メカニカルリサイクルなどのテーマが目につきました。マスターバッチの展示も。自動車の展示テーマについては、「EVが」「自動運転が」みたいな最新トレンドを推した雰囲気はなく、ヘッドランプなど従来からの自動車部品や医療器具の実物を淡々と展示する様子が目立っていました。

1:04:00ごろ ホール7に、ものすごい大きな装置。最初、「成形機?」と言っていますが、押出粉砕機によるプラスチックリサイクルシステムです。トルコ現地の機械メーカーUstunis Makina。

1:09:36ごろ JSWへ
ようやくJSWのブースに着きました。かなりの賑わいを見せていました。国産ブロー成形機メーカーのタハラも一緒に出展しています。
さて、ここでいよいよ。あのお方が登場です。

いらっしゃった!
1:09:55~1:38:45 ササさん登場! JSWと松井製作所の展示

JSWの鶴田さんが左、右が「ササさん」こと笹原さんです。
ここで満を持して、松井製作所・ササさん登場です。しばらく名刺交換&雑談タイムが続きます。「日本勢が少なくてさびしい。中国と台湾のメーカーだらけ」と松本編集長がぼやいております。
ロシア、中東、ナイジェリアなどのアフリカ、ブルガリアなどヨーロッパの一部など、そうしたさまざまな国と交流のあるトルコを、中国と台湾の企業が重要な市場と見ているからだとササさんが解説しています。(1:12:40ごろ)

1:15:48 ~1:25:14 プラスチックの粉砕から射出成形までのデモ
JSWはリサイクルシステムのデモをブース内で行っていました。再生PC/ABSの製品を粉砕してリペレタイズし、それを使って部品を射出成形して、さらにそれを粉砕して……という作業を行っていました。「カタログを配るだけじゃなくて、ストーリーとコンセプトを伝えたいと考えた」とササさんは言います。
このシステムで作る成形品は、リサイクル材で打ったようには到底見えないクオリティ。しかも、15回再生しても品質が落ちないのだそう。どうしてこのようなことが実現できるのか、また機械の中でどういう工夫をしているのか、動画の中でササさんが解説しています。この技術は、トルコの自動車部品関連メーカーや家電メーカーをターゲットにしているとのことです。
このデモの中で、いたるところで温調技術や粉砕機、金属除去機など松井製作所の技術が活躍しています。松井製作所のWebページで使用されている技術の情報がご覧いただけます(英語です)。
「日本(の製造業)では、ゼロエミッションの取り組みの一環として、工場内でいかにリサイクルするかをすごく考えている。一方、欧州はリサイクル材は外から買う文化」とササさんが説明していました(1:24:56くらい)。
1:38:50~2:34:12 トルコ現地の販売店の二代目を直撃!
さて、JSWブースを出て、会場を歩き回ります。松井製作所のパートナー企業で、トルコの機械商社 TSPを紹介してくださいました(1:39:04 )。TSPはJSWの成形機も売っていますが、自社開発の成形機もあります。

TSPのブース

TSPのイェリーズさん(左)です
TSPの2代目であるイェリーズさん。お父さんが創業者。現在、彼女に会社経営のことが移管され、お忙しい日々を送っているようです。2006年に創業。JSWとの契約を結んだきっかけは、お父さんが展示会で見たJSWの射出成形機のスペックに感銘を受けたことであるそう。その後、なんかいろいろ紆余曲折あって、直販の契約にいたったといいます。TSPはJSWの販売店として、「2022~2023年」「2023~2024年」と2年連続で年間セールスNo.1に輝きました。同社は自動車関連メーカーや家電メーカーとの引き合いが多いそうで、そこが好調なセールスにつながったようです。
「JSWの機械、山ほど売ったで! ってことね!!」(松本編集長)

JSWの年間セールストップの盾(2022~2023年)。あともう1つありました。
(1:46:15)会場を歩きながら、「世界のビジネスでのトルコのポジショニングは、とても良い。西と東、いずれの国とも上手にお付き合いしている」と、ササさんが解説してくださっています。トルコでは、製造業については内需はもちろん、輸出向けの需要が高いそう。輸出においては、JSWや松井製作所などの高品質な日本のものづくり技術の需要が高いと見込んでいるとのこと。
以後、会場内の企業をやや駆け足ぎみで見ています。
下の画像では、とても小さく「Shibaura Machine」という文字が見えます。同社の実機展示があったようですが、この時はもうなくなっていました(1:50:39)。

1:51:07 中国の射出成形機メーカーのBorch Machineryの展示のそばを通りがかりました。研究開発拠点である本社が広州にあります。展示パネルは、ヨーロッパっぽさがありました。HASTEKはトルコ現地の機械商社です。

台湾の機械メーカーであるSHINI PLASTICS TECHNOLOGIESは、松井製作所にとってはライバル企業。展示の見せ方が家電量販店のようだと言っていました。「ウチはイケアみたいな感じ」(ササさん)

TOYO(東洋エンジニアリング)のロゴが見えました(1:52:48)。トルコでも活躍しておられるようです。

あと、会場でもらえる成形品サンプルを大きな袋にめっちゃ詰めて持って帰っている人がちらほらいました。そんなに持って帰ってどうするの(1:53:13ごろ)。少なくとも日本の展示会ではお見掛けしない光景でございます。

松井製作所のパートナー企業 Frigelがいました(1:56:03)。前述のFAKUMAでのライブ配信で話を聞いています。

オーストリアの機械メーカーのWitmannのブース(1:56:41)。もともとは取り出し機メーカーであった同社は、2008年にアメリカの成形機メーカーのBattenfeld を買収しています。温調器もあり、ラインアップが幅広いメーカー。なんとなくかわいらしい? ロボットのデモの様子が出てきます。

これ以外にもたくさんの企業を紹介していますが、ここでは紹介し切れません。ぜひ動画で見てくださいね。
トルコの市場の中に、日本のものづくり企業はチャンスはあるのか?

最後は、来場者が無料でコーヒーが飲める「Plast Cafe」で一息(2:24:35)

2:26:21ごろから、今回の取材のまとめとして、ササさんがトルコのものづくりやプラスチック市場などについて述べています。
この展示会は、自動車部品や家電などを作るトルコの地場企業や、東ヨーロッパなどの輸出向けの需要に対して、とにかく素直にまじめに応えているといったところです。
日本でお見掛けしないような珍しい材料や革新的な技術の情報が豊富にあるわけでもなく、日本では既によく知られた技術が展示されているといった感じです。ササさんも「FAKUMAと比べたら、先進的な技術が展示されているわけではない」と。
Plast Eurasia Istanbul 2024では、「日本の存在感が薄い」と松本編集長が言っていました。化学系商社の金森産業の目線では、今回について言えば、新しい商材やパートナーの発掘の機会にはつながりづらい旅になりました。その一方で、日本の技術や製品に触れたトルコの人たちが、日本ならではの品質へのこだわりや技術力を評価していそうなこともうかがえました。
ササさんは「トルコは地の利を生かして、世界の情勢に合わせてうまくビジネスをしている。トルコのものづくり産業が成長する材料があるし、産業機械の輸出も盛ん」とおっしゃっています。
トルコの市場にビジネスチャンスがあると捉えるか否か。読者の皆さんはどうお考えでしょうか。
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