欧州・日本・台湾メーカーの技術対応――CHINAPLAS 2026レポート②

中国・上海の国家会展中心(NECC)虹橋で「CHINAPLAS 2026」が2026年4月21~24日に開催されました。
前回(①)は、CHINAPLAS 2026の全体像と、中国最大手・Kingfaが示した「産能・人材出海」への戦略転換を取り上げました。
②では、サイエンスコ、BASF、SILIKE、Everlight Chemicalの技術を紹介します。
サイエンスコ(Syensqo)――常熟拠点を増産しつつ、NFS技術を世界初投入

ベルギーに本社を構えるサイエンスコは、2023年にソルベイからスピンオフして誕生した特殊化学品メーカーです。
4大セクター戦略とECHOシリーズ 自動車・コネクティビティ・ライフ・サステナビリティの4セクターを横断する戦略を打ち出しました。中国でのNEV浸透率の高さを受け、モーターやバッテリーの熱管理・絶縁材料を主戦場とし、耐温240°Cの「PEEK」や電動コンプレッサー筐体向けの「Amodel Supreme PPA」を展開しています。 サステナビリティ戦略の中核となるのが、環境配慮型高性能材料「ECHO(エコー)」シリーズです。機械的特性や加工性を従来材料と同等に維持しつつ、既存製品から直接置き換え(ドロップイン)が可能な設計となっており、Scope 3排出量の引き下げに貢献します。
世界初投入のフッ素ゴムNFS技術 展示会では、製造工程全体でフッ素系界面活性剤を一切使用しないフッ素ゴム技術「Tecnoflon FKM NFS」の最新展開を披露しました。2026年までに全FKMグレードを界面活性剤不使用で製造する目標を掲げており、グローバルPFAS規制対応における同社の重要な打ち手となっています。
BASF――「#OurPlasticsJourney」で実装フェーズへ

欧州大手のBASFは「#OurPlasticsJourney」のもと、eモビリティやロボティクスなどにおける「パフォーマンス主導のイノベーションと共創」を強化する姿勢を示しました。Welion New Energy TechnologyやClarksなどのパートナー実名と数値を挙げ、「実装フェーズ」感を前面に打ち出しました。
また、「CHINAPLAS Innovation of the Year
2025」では、WAL Low Carbon Technologyと共創した商用車エアタンクが受賞しました。Ultramidポリアミドを用いることで、アルミ比10〜20%、スチール比50%以上の軽量化を実現しています。
SILIKE(成都思立可)――PFAS-Free時代の代替添加剤プロバイダー
シリコーン系添加剤を専業とする中国のSILIKEは、EU PPWR対応とグローバルPFAS規制対応の二軸で展示を構成しました。 PFAS-Free軸では、PTFEフリー耐摩耗マスターバッチなどを展開し、基材の機械的特性に影響を与えずに摩耗率を30%低減できるとしています。PPWR軸では、EUでのPCR/PIR含有率義務化に伴うリサイクル樹脂の表面欠陥に対応するため、非移行性超スリップ・アンチブロッキングマスターバッチを投入しました。
Everlight Chemical(永光化学)――「All-Spectrum」で塗装レス・寿命延長を両立
台湾の高分子添加剤メーカーEverlight Chemicalは、「ポリマー向けAll-Spectrumソリューション」と銘打ち、ワンストップのポートフォリオを展開しました。 代表的な展示が高光沢無塗装マスターバッチで、ワンステップ射出成形により二次塗装プロセスのVOC問題を解消できるため、自動車や家電部品に最適とされています。また、赤外線熱を効率的に遮断するIRバリアマスターバッチなども紹介し、VOC低減、熱マネジメント、寿命延長の3軸で電動化やサーキュラーエコノミーに応える姿勢を強調しました。

(③へ続く)

これまでカタログや材料メーカー各社のホームページ内に散在していた樹脂(プラスチック)成形材料の情報をPlaBaseに集約しました。 メーカー・樹脂名・物性値など多様な検索方法によって、お客様の目的に合った樹脂成形材料のデータを探し出すことができます。
