「日本 ものづくり ワールド 2023」で見た、プラスチック製品づくりとDX(後編)❘【特集】射出成形とDX

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2023年7月度のPlaBase特集は、「射出成形とDX」

7月上旬~8月上旬にかけて、射出成形に関係するデジタル技術やDXをテーマとした記事をいくつかお届けしていきます。(期間中には、本テーマ外の記事の配信もございます)
⁠今後、「こういうテーマで特集をしてほしい!」というご要望もお待ちしております。ぜひ編集部までご連絡ください。

この記事では…

2023年6月、東京ビッグサイトで開催された「日本ものづくりワールド2023」の取材レポートを、前後編でお届け。プラスチック製品の設計・製造のDXに関連した展示を中心に紹介します。

(執筆:おりも みか、小林 由美/PlaBase編集部)

2023年6月21~23日、東京ビッグサイトで「第35回 日本ものづくりワールド」が開催された。今回のレポートは前編・後編構成で、プラスチック製品の設計・製造のDXに関連した展示を中心に紹介する。(前編はこちらから)

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環境にも配慮できるレーザー樹脂溶着装置――(愛知の会社だけど)広島 

 

パナソニック インダストリーのブース内で展示していた広島は、名古屋市で生産設備・実験装置の設計、製造を行っているメーカーである。同社は、パナソニックと共同開発したガルバノスキャニング式レーザー搭載の樹脂溶着装置「GalWeld」を披露。搭載レーザーはパナソニック製。今回展示していた「typeS」は、試作・開発向けである。typeS で行った溶着条件は、量産向けの「typeM」(今回は展示なし)に引き継いで量産できるようになっている。 

 

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⁠⁠GalWeld typeS

レーザー溶着は、熱可塑性樹脂をレーザーで溶かし、加圧することで接着する方法である。従来の超音波接着の懸念点である接着箇所以外への熱ダメージや騒音といった問題をクリアしている。熱可塑性樹脂であれば、出力の設定次第で樹脂の種類を問わずに使用できるという。自動車などで使用される耐熱温度の高いエンジニアリングプラスチックであっても、条件を調整しての対応が可能だ。 

 

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⁠GalWeld typeSの内部

ワークサイズは最大 400mm 四方。最も小さいレーザー径は 0.1mm、1/1000mm 単位で細かく設定ができ、微細な部品の製作も行える。 

 

ネジや接着剤、有機溶剤を使用せず、かつ強い強度で接着を行うことができるため、環境配慮面やリサイクル性も高く評価されているとのこと。環境関連の規制がますます厳しくなっている自動車関係のほか、高機能家電、医療機器など有機溶剤の異材リスクを懸念する工場でも採用実績がある。 

ちなみに、少し気になる(愛知なのに)「広島」という企業名。同社によれば、「創業者が広島県の出身だから」ということが由来であるそうだ。 

プラスチック金型のランナー内部の現象まで樹脂流動解析できる――セイロジャパン

セイロジャパンは、樹脂流動CAEソフトウェアの最新版「Moldex3D 2023」を展示した。Moldex3Dは金型のキャビ形状全てについて3Dメッシュで流動解析が行えることが特色だ。採用している手法は、流体解析ソフトウェアで目立つ有限体積法。

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Moldex3D 2023によるシミュレーション例

Moldex3D 2023は、空気圧縮性と空気温度計算を含むベント解析をアップグレード。充填中の金型キャビティ内の空気の温度と圧力の変化を正確にシミュレーションし、ベント設計を配慮しながら、ショートショットや焼けなどの不具合を抑制可能だ。また、バッフルや冷却回路のメッシュも自動構築できる。

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Moldex3D 2023の機能について

最新のMoldex3Dの進化で分かりやすくてインパクトが大きいところとしては、ランナー内部の温度変化まで考慮したシミュレーション可能になって、解析精度がより高まったことがある。製品部だけではなくランナー部分まで見てしまうとデータが非常に大規模になる。今日のソフトウェアの処理能力やハードウェア性能の向上故になしえるわざだ。

実際の金型内部の現象としては、「距離が近いほど、樹脂が早く行きわたる」ということでは必ずしもなく、製品部分の品質についてランナー部の樹脂流動の影響は意外と大きいのだそう。そのうえ成形サイクルの中では樹脂温が上下するので、さらに条件は複雑になる。

そうした、複雑な現象まで取り扱えるようになったことで、設計時点での問題洗い出しが可能になり、量産試作のトライ数削減や開発期間削減といった効果も期待できる。

プラスチック部品の製品設計から部品加工まで一気通貫できる――コダマコーポレーション

コダマコーポレーションは、同社が販売する設計システム「TobSolid」(開発元は、フランスTOPSOLID社)製品群のうち、プラスチック金型設計支援システム「TopSolid'Mold」、3DソリッドCAD/CAM「TopSolid'Cam」、3次元設計支援システム「TopSolid'Design」、3次元ワイヤーカットCAD/CAMシステム「TopSolid'Wire」の最新版を展示した。毎年12月がメジャーアップグレードのタイミングで、記事公開時点での最新版は「TopSolid 7(7.16J) 」。

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コダマコーポレーションのブース

TobSolidは、3D製品設計、2D製図、金型設計、部品加工まで一気通貫で対応できることが特色だ。部品の構造に応じてボルト穴のサイズや位置を判断して配置するなど、自動設計機能も充実しており、複雑な動作を伴う金型の設計がしやすく配慮されている。

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TobSolidに関する説明

TopSolid'Mold 7では、自動車系の大物部品などの大規模な金型のモデリングや、2次元図面への投影、ファイルの読み込みなどのレスポンス面を改善している。大物部品でパーティングラインの確保に必要な最大外形も瞬時に抽出できるとのことだ。干渉チェックについては、金型部品同士、穴同士などさまざまな状況に対応し、型開き時を考慮した干渉シミュレーションも可能だ。

一気通貫の自動設計システムで、ものづくり現場で課題となっている人手不足への対処で、複雑になってきたプラスチック製品への柔軟な対応が実現できるとしている。

【編集部より】金森産業のプラスチック製品試作・成形サービス「PlaQuick」も出陣!

今回の日本ものづくりワールドでは、『短納期』『安価』『量産と同じ材料』が自慢の金森産業「PlaQuick」が、サステナブルに対応したプラスチック材料での試作品や、お客様事例を披露しながら、サービスについて皆さまにご紹介しました。

「バイオマテリアルなどサステナブルな素材を使用した試作品には多くの来場者の方々が関心を持ってくださいました。また今回は幸いにして、具体的な引き合いにつながりそうな出合いにも恵まれました」(金森産業 柿沼:PlaQuick担当)

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バイオマテリアル事例の展示

今回はなんと、金森産業のお客さまであり、サステナブルなマテリアルを提供していらっしゃるアロン化成 清水さまとユニチカ 牧野さま(社名で五十音順)が、ブースにお立ちくださり、来場者の方々への素材に関する説明に応じてくださいました。⁠「素材部分(お客さま)とものづくり(PlaQuick)の両面から、具体的に直接説明を差し上げられたことが、今回のような有意義な結果につながったのかと思います。清水さま、牧野さま、この度はまことにありがとうございました」(柿沼)

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今回は、PlaBase担当・石寺もブース接客の応援に行ってまいりました。
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⁠「PlaQuickのブースでは多くの人が足を止めてくださり、ブースの展示品をご覧になっていただいたり、説明員に話しかけたりしていただいたのですが、『課題感を持った来場者の方が非常に多いな』と感じました。課題感の中でも、PlaQuickにマッチする数個から数千個の範囲の試作やバイオ、環境配慮型のサンプル品を作りたいなど来場者の具体的なニーズが聞けて、私自身も勉強になりました。今後のPlaBaseでも、試作のことや事例について記事化出来たらと思っています」(金森産業 石寺:PlaBase担当)
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⁠今後のPlaBaseの記事にもご期待ください!

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PlaBase編集部
PlaBase[プラベース]

これまでカタログや材料メーカー各社のホームページ内に散在していた樹脂(プラスチック)成形材料の情報をPlaBaseに集約しました。 メーカー・樹脂名・物性値など多様な検索方法によって、お客様の目的に合った樹脂成形材料のデータを探し出すことができます。